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原戸籍を読んでみて つれづれ
今回は、難しい話を抜きにして今まで戸籍を読んできて思ったことを少し書いてみたいと思います。
戸籍を読んでいると、色々と思う事が出てくるものです。
まあ、殆どの方は
「ちょっと、あの汚い文字はどうにかならないの?」
少なからず、そう思われているので無いでしょうか。
公文書を書くのに、あんな汚い文字で書いて恥ずかしく無いのかしら?
というか、そもそもあの書き方で書いた人と別の人間が読めるものなのか。
まあ、そんな感じの疑問を持つことでしょう。
じゃあ、一体誰が戸籍を記載していたのか?
そんな事に、非常に興味を持ちました。
全国区は分かりませんが、私の先祖の地での話しになりますが・・・。
戸籍に記載するべき届け出があると、仮記載をして置き。
それを、担当者が有る程度纏まると1つ1つ清書していった。
らしいのです。
調べて見ると、戸籍を記載していたのは自治体の長が多いみたい。
記載当時の名前と、市町村の長の名前が一致していますので。
それはさて置き。
本戸籍に記載する前に、仮に記載しておく為の帳簿が存在します。
その帳簿がある地域は明治初期~末期までの家族の移り変わりが確認できるようです。
実際に、私の曾祖母の本籍地にはその仮記載の帳簿があり。
壬申戸籍時代の家族まで確認することが出来ました。
どうやら、明治初期からずっと使い続けていたようです。
その結果、明治19年式を遙かに遡り。
壬申戸籍の時代に近いご先祖様まで、確認できました。
結果的に、明治19年には亡くなっていた3人の直系尊属を確認できたのです。その仮記載簿、途中から明治19年式、明治31年式と同じ内容になっていたのが個人的には興味深かった。という感想です。
ここから先は、面白いと言ったら怒られるのかも知れませんが・・・。
記載者によっては、非常に凡ミスの多い方がいらっしゃいます。
その方の記載した戸籍、手持ちだけで3つも4つも誤記があるのです。
確かに、大量の戸籍を綺麗に書いていくのは大変ですし。
人間ですから、間違いもあるわけですが・・・。
戸籍って、書いた方の性格が出るなぁと感じるのです。
手書きだからこそ、誤記もあり。
文字の綺麗汚いもあり、後世・・・それこそ100年以上経過して、赤の他人である若者に「文字が汚い!」とdisられることになるのですね。
ちょっと気の毒だったりして(笑)
そんなこんなで、読みにくい文字の某自治体さんの戸籍を取得していく間に、読めない部分をご教授戴こうと戸籍課に電話したりしたことも。
その際に、戸籍担当者さんと文字談義になったことがあります。
「こんな悪筆、良く読み取れますね」
などと、冗談を言ったところ。
「いや、読めないですよ。我々も、この方の文字は部署全員で回し読みして、地域の知識を総動員してこの文字はあそこの地名っぽいと、予測して読んでます」
とのこと。思わず、笑っちゃいました。
そして・・・。
「そもそも戸籍って、昔は必要だといわれたら1枚1枚手書きをして”写し”をお渡ししていたらしいのです。だから、戸籍の原本は役所内だけの情報で外にそのままお見せするという前提では書かれていないのです」
そう言われればコピーなんて無かった時代の方が長かったですものね。
だから、そんなに文字の綺麗汚いにこだわる必要も無かったのかも知れませんね。
その昔は、戸籍を頼むとその都度担当者が、原本を見て戸籍を手書きで書き写していたというから、想像を絶する世界です。あたし、あの戸籍を全部書き写せって言われたら正直嫌です。
そんな気の遠くなる作業を仕事として、一日中戸籍を手書きうつしていた過去の戸籍担当様にリスペクトを送りつつ。
戸籍の原本を手書きする場合も、そりゃ間違いもすれば、乱筆にもなるでしょう。と納得せざる得なかった私がいました。
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