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銀行員の不正について
お疲れ様です。
お金を扱う職場、銀行。
最近では三菱UFJ銀行の貸金庫窃盗事件が大きく報道され、全ての銀行の貸金庫の状況把握が求められたりと、銀行経営の根幹を揺るがしかねない事件が発生しました。
自分の大切な資産を守る為に自宅の金庫でなく、わざわざ手数料を払って銀行の貸金庫を借りたのに、その銀行員がスペアキーを使って貸金庫の中の金品を盗るなんて、、、言葉になりません。
銀行員による不正事件は、どうだろう。大なり小なり数年に1回は発生しているじゃないかなあ。もっと言えば、表に出ない事も含めると、毎年発生していると思います。
今回は、僕が知ってる銀行不正について簡単にまとめていますので、是非読んでください。
銀行ルール
銀行には結構ルールが定められています。
そのルールは大体どの銀行も似たり寄ったりですが、少しゆるかったりする銀行もあります。ルール自体は過去の銀行員による不正を教訓に定められたケースが多いとの事です。
・ギャンブル 禁止
・FX 禁止
・株の短期売買禁止(デイトレード)
・信用取引の禁止
・金銭の貸し借りの禁止
・不純異性交遊の禁止
まあ、他にも色々な禁止事項はありますが、とりあえずこんな感じでしょうか。ギャンブルの禁止にはパチンコ・スロットも含まれている銀行もあれば、パチンコ・スロットは許されている銀行もあるようです。
ギャンブルとは、競馬、競輪等の公営ギャンブルですね。
定期的にアンケート形式でこういったルール違反を犯していないか調査があるのと、支店長や人事部による面接によってプライベートが変な事になっていないか調査しています。
ルールを守る事。コンプライアンスを遵守する事。
これこそ、お金を扱う銀行員が当然のようにしなければならない事ですが、守らなかった事で犯罪に手を染めてしまう銀行員がいるわけです。
ここからは、過去の銀行員による不正等に若干の脚色を加えて紹介していきます。
始めはお客様を助けたかったんだ!!
某地方銀行に勤めるAくんは、担当している中古車販売業のB社長より相談を受けました。
「来月の資金繰りがどうも厳しい」
「何とか融資をしてもらえないだろうか?」
仲の良い社長からの相談です。
もちろん返事は「わかりました!」です。
そして、支店に戻って支店長に報告するA君。
「B社長ですが、融資の申込がありましたので、検討したいです」
「B社長のとこは、先月も融資したばかりじゃないか」
「あそこ、本当に大丈夫なのか?」
「保証協会がオッケーというのであれば、別にいいが、、、」
そう言われ、保証協会に相談するA君。
あっさりと断られ、その事を支店長に報告。
「じゃあ断らないと仕方ないなあ」
と、その一言。
A君は何とかB社長を助けたい、、、
だがどうする事もできない、、、
そしてB社長の会社へ、、、
「融資はできません」
「じゃあ、私はどうすればいいんだ?」
「何とかなりませんか?」
「・・・。」
「融資の金額を下げてもう一度検討頂けませんか?」
「・・・わかりました」
「ありがとう!」
断り切れなかったA君。
でも、融資をする術はありません。
あっ、定例の集金に行くのを忘れていた為、とりあえず集金へ行くA君。
80歳のご夫婦の所へ定期預金の書換へ。
そうか!この定期預金を解約して、そのお金をB社長に渡してあげたら何とか資金繰りは大丈夫じゃないか。
幸い、この老夫婦は僕の事を信用してくれているから、通帳、印鑑ともにどこに置いてあるかも知っているし、僕に押印から何から何まで任せてくれる。B社長も一時的に必要なだけで、直ぐにお金は返す事が出来るだろう。
そして、A君による初めての犯罪が行われたのであった。
お金を持ってB社長の所へ。
「社長、とりあえずこのお金を使ってください」
「これは融資と違うのではないか?」
「とりあえず僕のお金で立替ておきますので、必ず返してください」
「ありがとう!必ず返します!」
そして待てど待てどお金が返ってくることはなく、挙句の果てに、
「もう少しどうにかならないか?」
「何とかします!」
一度、犯罪に手を染めた人間は2回目の犯行というのはハードルが著しく下がるという。
前回と同じようにご年配の方の預金から出金を繰り返すA君。
ある時、初めの80歳の老夫婦より、
「前の解約した定期預金のお金はどこに入っているの?」
と聞かれ、「まずい、、、」
そして、B社長に渡す為に出金したお金をこの老夫婦の定期解約金に充当し何とか辻褄を合わせるA君。
ここから、彼の犯罪の自転車操業の始まりです。
こういった犯罪を犯す場合、数人どころか10人とかいうレベルの数の人が被害に合っているという。
そういった犯罪を数度行う度に、A君にある感情が生まれてくる。
”ここまでやっているんだから、少しくらい僕も貰っても罰は当たらない”と。
始めは本当にお客様を助けたかったA君ですが、いつの間にか、自身の遊興費にもなり、ズルズルと、、、
だが、クライマックスは突然に訪れます。
定期預金を横領されていた老人の家族が、その老人宅を訪れ、預金の話となる。老人は家族に預金通帳を見せようとするも、そもそも通帳が見当たらない。なぜならA君が預かったままにし、返却していないから。
おかしいと思った家族が、支店に連絡し、事実発覚となった。
この事件による被害総額は数億円となり、行員はもちろん懲戒免職となり、刑事告訴。助けたB社長の会社も倒産となりました。
B社長もきっとどこかで、このお金はヤバいお金だと気付いていたはずでしょう。ですが、自分の会社を助ける為に目をつぶっていたと推察されます。
絶対にとり返す!倍返しだ!!
銀行ルールにFXや信用取引の禁止。加えて、公営ギャンブル等の禁止があります。要は、リスクが高いものはダメ。そして短時間で掛け金に歯止めが利かないものはダメという考え方だそうです。
とはいえ、そのルールを守らずに隠れてやっている人は本当に多いです。
事実、僕の周りでもやっている人はいます。趣味程度に。
趣味で済めばいいのですが、それで済まない人が稀に現れます。
近年、FIREという言葉をよく聞きます。
Financial Independence, Retire Earlyの略で、日本語にすると「経済的な自立と早期の退職(リタイア)」を意味します。投資や貯蓄などの資産形成を通して会社などの勤め先にしがみつかずとも生活できる「経済的な自立」を達成し、「早期に退職できる状態」を目指そうという考え方です。
このFIREを目指し、一発逆転を狙った投資(投機)をする輩が出てくる時、犯罪は発生します。
基本、顧客のお金に手を付ける時っていうのは、年配の方の預金を狙うケースが多いです。そこから奪ったお金で、損失分(追証)の補填をし続けるわけです。ですが、ほとんどの場合が失敗し、ジ・エンドというわけです。
あの人に振り向いて欲しい、、、
犯罪の動機に、これまでは、①お客様助ける系、②損失補填系の2つをお送りしました。
次は、異性トラブル系です。この3つで大体、銀行員の犯罪動機は片づけられるのではないでしょうか。
実は異性トラブル系による横領・着服事件は女性行員がするケースが多いようです。いわゆるホストに入れ込むというやつですね。
ホストへの貢ぎは際限がありません。
ハマってしまうと、たとえ高い給料をもらっていても足りません。
純愛以外はお気を付けください。
今回は、銀行員による不正を中心に書きました。
・お客様助ける系
・損失補填系
・異性トラブル系
この3つが銀行不祥事発生の動機でしょう。
あなたの身の回りでこういった人がいたら、行動におかしな所がないか見てください、、、