初北海道3日目 1989年7月26日-⑤ 津別峠〜摩周湖
R243から津別峠に向かう道道に入った。もちろんこの道道も冬季閉鎖のゲートを過ぎると当たり前のようにダート道になった。知床林道、サロマ湖幌岩山林道の2本のダート林道を経験してきたのでもうダート道に対する過剰な恐怖感のようなものは無くなっていた。ただ過去2本と比べると明らかに転がっている石のサイズがデカい。タイヤで踏んだり車体の底にぶつけたりしないようにコースを選びながら慎重に進んだ。途中で一瞬不思議な色で広がる屈斜路湖が目に入ったが慌てて目を逸らす。感動は展望台までとっておかないと。
一度だけ分岐があり何分くらい走っただろうか。車は広場に到着した。1台のオフロードバイクが停まっていた。ここが駐車場らしい。車を降りると頭上を霧のような雲のような白いガスがものすごいスピードで動いている。さっき途中で一瞬姿が見えた気がしたけどさらに標高が上がっている。げげげ!これで見えなかったら最悪なんだけど、、、と呟きながら急いで展望所になっている小高い丘の上に駆け上がる。
僕の眼下には南の海のような色をした屈斜路湖が大きな緑の中島を抱えて横たわっていた。
北国の湖がこんなカラフルな色をしているなんて全く想像していなかった。そしてわかるだろうか。写真のちょうど真ん中あたりな虹がかかっているのが。これは感激なんてものではない。荒れたダートを苦労しながら走ってきた僕に自然がくれたプレゼントだった。
津別峠から下ってきた。国道に入る直前で目の前にさっきよりずいぶんと近くに屈斜路湖が見えた。上るときにここで振り返らなくてよかった(笑)
まだ時間的に行けそうな気がしたので、次に僕は摩周湖を目指した。レイクディストリクトの3大湖を今日一日で制覇だ。屈斜路湖の東側を北上して川湯温泉街を抜けた。強烈な硫黄の臭いに顔をしかめながら硫黄山の横を通過してR391号線に出た。右折して1キロほどですぐ左折し、摩周湖の展望台に続く道道278号線に入った。
対向車の殆どがヘッドライトやフォグランプを点灯している。しばらく走るとその理由が分かった。ものすごい霧だ。第三展望台が近づく頃には視界は20Mほどになってしまい、運転するのも少し怖いくらいの状況だった。
そして道中の霧から容易に想像できたが、霧の摩周湖その名の通り残念ながら摩周湖は全て霧の中だった。展望台から見えるのは文字通り真っ白な霧だけだった。展望台に続く足下の階段さえよく見えないくらいの濃い霧が広がっていた。
まあ行く場所行く場所でそんなに全てが上手くいくわけないよな。また来よう。次は絶対に摩周湖の水面を見てやる。それに悔しいけど、霧の摩周湖だって話のネタにはなるし。
その後僕は4回ほど摩周湖を訪れているが、その初回以外全てキレイに湖面が見ることができた。
やっぱり霧のない摩周湖の方が断然いいのは、言うまでもない。