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【44歳の北海道】2011年8月13日の事 猿払編
最北端にはやっぱり行っておいて良かった。
そう簡単に行ける場所ではないし。
いや、行こうと思えば結構簡単に行けるけどね。
ココまでの旅の様子↓
北海道には開拓の歴史がある。
それはとてもではないがここで軽く語ることなどできない、苦労と困難、挫折と悲哀の日々だったことは想像に難くない。
富良野を舞台にした人気ドラマ『北の国から』でもその一端を垣間見ることはできるので、その大変さを知っている人も多いと思う。
そしてその壮絶な年月は富良野だけではなく、北海道のいたるところで積み重ねられてきた歴史だ。
北海道を走ると道路脇に多くの廃屋を目にする。 もちろんそれ以外の土地でも見かけることはあるが、その数は北海道が圧倒しているのではないだろうか。
そしてそれは山の中の細道脇だけでなく国道沿いにも平気で現れ、ひとつの北海道的風景としてあまり強い違和感を抱くことはなくなっている現実がある。
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ホタテ、ではなくサハリンと慰霊碑
今日、猿払村の道を初めて走った。
旅の前に知り合いから猿払の開拓の歴史を聞き、旅に出る前に少し勉強をした。
本多勝一『北海道探検記』。
読了後、ただただやるせない気持ちに包まれた。
そんな哀しい歴史を感じさせる廃屋が、国道沿いにやはり目立つ。 かつてそこには確かに人の生活があった。そして何らかの理由でここを去った。
今となってはその理由を知る術はない。
恐怖に近いような哀しさを感じさせる風景だが、夏の日差しが強烈すぎるせいか驚くほど陰鬱さを感じることはない。
ただその存在感には言葉を失い圧倒される。
そんな負の歴史の一端を意識しつつも、真夏の道が気持ちいい。
太陽に照らされた緑の草がやけに眩しい。
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代表的な北海道風景
オホーツク沿いの道の駅さるふつ公園で「帆立バーガー」を食べる。
過疎の進んだ町。ほんの少しでも町おこしの一環にでもなればと思う。
白鳥の湖として知られるクッチャロ湖に来た。
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ノシャップ岬と納沙布岬と同様に
クッチャロ湖と屈斜路湖は間違われやすい
ガイドブックに「観光地化されていない」と書かれた展望台を見つけそこに向かう。
海沿いの国道からは牧草地の道を何度も曲がらないとたどり着けない、確かに観光地化されにくい場所にその展望台を見つけた。
運良く、なのかいつものことなのか分からないけどそこには誰もいない。
でも多分おそらく後者。
丘の下にクッチャロ湖が静かに広がる。
自分の旅では珍しくない目の前の景色の独り占め。
展望台のある高台に湖から風が吹き上ってくる。
ベンチに座りぼんやりと、特に景色に激しく感動するわけでもなく、かと言って退屈しているわけでもなく。
ひとり旅の醍醐味。
周りには誰もいない。車やバイクの音さえしない。
街での日常生活ではなかなかあり得ないそんなロケーション。
誰もいないのをいいことにベンチにカメラを置いてセルフタイマーでカウントダウンしてジャンプ!!
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さてそろそろ夕日のサロベツ原野に向かおう。
ほぼ貸し切りの道道84号豊富浜頓別線を西へ。
だんだんと低い位置に落ちてきた西日が眩しい。
続く