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黒沢哲哉『ぼくらの60~70年代宝箱増補版』いそっぷ社

著者が生きてきた1960~70年代、こどもたちが夢中になって集めたシールやワッペンなどを集めて掲載した本である。それを見ることにより忘れていた記憶がよみがえり、今だからこそ見えてくる新しい発見がある。

本書は15年前に刊行されたものの増補版である。映画、TV、漫画専門誌など8項目32ページが追加された。

最初のページは鉄人28号。昔はやったワッペン、シールなどのなつかしい物の写真が掲載されている。正太郎少年がリモコンで操縦する鉄人28号が活躍するTVマンガも思い出す。本書では、意志を持ったロボットのブラックオックスや、ロビーについての著者の思い出も書かれている。

著者は、鋼鉄製の鉄人の形が絵ごとに微妙に違うことと、鉄人の色が濃紺のイメージであるが、たまに茶色かかった灰色で塗られているという、2つの疑問を提示している。

次は、鉄腕アトムである。「地上最大のロボットの巻」も、敵のロボットを何の迷いもなく破壊して喜ぶという、そんな単純な話ではないことを著者は書く。

8マン、少年ジェッター、オバケのQ太郎、おそ松くん、丸出だめ夫、怪獣ブースカ、狼少年ケンなど、1960~70年代の少年漫画雑誌や小物などの写真が掲載される。魔法使いサリーの化粧紙の写真もあるが、少女漫画なので扱いは小さい。

『少年マガジン』、『少年サンデー』、『少年キング』が毎週刊行され、本屋の店頭にあったが、それを全部読めた少年は少ないと思う。『少年ジャンプ』は69年、『少年チャンピオン』は70年に週刊化されたと書いている。

増補されたページには、『COM』と『ガロ』の2大漫画専門誌の写真が掲載されている。少し難しくて大人の漫画という感じであった。著者も買わなかったと書かれている。その後、著者はマンガマニアに成長し、『COM』の復刊号を購入したが、次号の発売はなかったことも書いている。

昔の少年たちが夢中になった物を知ることができる本である。表紙裏に「鉄人28号・完全復刻版メンコ」が付録として付いている。昭和時代になつかしさを覚える世代以外の方にも閲覧をお薦めしたい。



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