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杉山直隆『文章はつかみで9割決まる』日本実業出版社

だれでも読ませる文章を書いてみたいと思うのだが、なかなかうまくいかない。本書によると、読ませる文章を書くには「つかみ」すなわち「文章の書き出し」が大事であるらしい。著者が言うには、「つかみ」は、冒頭の1行目から10行目ぐらい、最初から200字~300字くらいに相当する部分とのことだそうです。

著者の経験から、編集プロダクションの社長や先輩、出版社の編集者の方から、「つかみ」についてしょっちゅう指導を受けたそうである。その中で、面白いつかみを書けない原因は才能ではなく、やるべきことをやっていなかったからだとわかったそうです。

①最初の1文にインパクトのあるもの
②数行目にインパクトがあるもの
③センテンス全体でインパクトがあるもの

インパクトとは、次のような期待を持つことができ、続きが読みたくなることです。
①問題を解決したい
②知的好奇心を満たしたい
③心の栄養を得たい

著者は、続きが読みたくなるだけでは足りず、全部読んだときも期待に応える文章だったと感じられることだと言います。

「つかめるつかみ」をつくるコツは、
①ネタをうまく料理する
②埋もれたネタに目を向ける
ことだそうである。最もおいしいネタを出し惜しみすることをしないことだそうです。

文中に埋もれやすいネタは次の3つがあるそうです。
①最も伝えたいポイント
②印象的な情景・シーン
③気持ち・感情
これらを「つかみ」に持ってくることを検討することがよいようです。

セリフから始める。「問い」にする。数字を入れる。データを加える。常識や先入観を否定する。「抽象的な言葉」で匂わす。「なじみのない言葉」を使う。「例」を羅列する。繰り返す。オノマトベを使う。ナレーションを入れる。イベント仕立てにする。「サスペンス」風にしてみる。「書簡体小説」風に書いてみる。
このようなちょっとしたアクセントを加えるとよくなるそうです。

そもそもネタ自体を思い浮かばない人は、「つかみ」に求められる3つの期待に応えるネタの持ちぐされがないか考えると、突破口が開けるかもしれないそうです。

著者は次のステップで「つかみ」をつくるそうです。
ステップ1 目的をはっきりさせる
ステップ2 要素を出して、何を書くか・書かないかを考える
ステップ3 プロットをつくり、「つかみ」を考える
ステップ4 文章を書きながら、「つかみ」を考える
ステップ5 推敲して、「つかみ」を書く

文章全体のことを考えながら、「つかみ」を考える。文章を書きながら、「つかみ」をどう書くか考えていくことだと思いました。文章をほぼ完成した後で、「つかみ」を書くか、最初に書いた冒頭部分が「つかみ」となるよう見直す必要があるのかとも思います。

本書をよく読んで、読者を「つかみ」文章を書いてみたいものです。しかし、いずれにしても、文章は「つかみ」大事だと理解できたが、この文章の冒頭は「つかみ」にもなっていないです。冒頭を書き直してみよう。


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