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【まさかの80年使用⁉】製造50年で養老鉄道にやってきた東急7700系

養老鉄道ではかつて近鉄から譲渡された1650系など、車齢50年を超える南大阪線や名古屋線からお古のを使用してきたが、車両の経年劣化が激しくなりさすがに置き換えないとやばいということで、現行の600系・620系にかわる車両を探していた。
↓620系

いろいろ探した結果、腐食に強いステンレス製の中古車を様々な地方の鉄道会社に供給している東急電鉄で車両を探すことになった。
東急で供給してもらえそうな車両を探してもらい、ある車両の譲渡計画が持ち上がった。
当時の鉄道ファンは誰も予想だにしなかっただろう……

東急7700系だ。まずはこの車両の生い立ちを見てみよう。
そもそもこの形式は東急7000系から改造されて改番されたものだ。
7000系は1962年から製造されたオールステンレスの車両だ。
製造から約25年で車内の設備の老朽化などが目立つようになった。そこで東急は、オールステンレスの車両は車両の強度がずっと変わらないという利点を生かして、外板や骨組みを残したまま、車内や制御装置の大規模改修を実施し7700系という形式に改めたのだ。

この車両が養老にやって来る前は東急目蒲線という、東京の目黒とかまたを結ぶ路線で運転された。そして2019年、養老鉄道で第二の人生を歩むこととなる。
養老鉄道に来る際、近鉄の塩浜工場で大規模な車内リニューアルと保安装置の設置など、養老線に適した仕様になった。

車内は大胆に内装デザインが変更され、グレーの床材の設置や色付きつり革、明るいカラーの座席が設置された。
貫通扉がクソでかいのは元からだ。

運転台はほぼ東急時代のままだが、養老線を走行するに適した保安装置の増設などが行われた。

運賃箱の設置や、運賃表示器モニターの設置などワンマン対応も行われた。

面白いのはここからだ。


この車両置き換えの発表された2018年の時点で東急7700系は既に全車が製造から50年以上経過。


養老線で今まで使われていた車両はぎりぎり車齢50年に届かない程度の車両群。

つまり、置き換えられる車両より新しく投入される電車の方が年齢的には古いのだ!
 
一般人から見たら何を言っているのかわからないだろう。
先ほど、7700系はオールステンレスなので経年による車体の京都の変化はあまりないと述べた。対する近鉄の中古車は普通鋼。丈夫なのはどちらかなど、一目瞭然だ。

東急車輌は7000系落成時に、冗談めかして「オールステンレスは丈夫なので、80年は使える」と言ったそうだ。

2018年にこの車両を導入すると発表した養老鉄道のプレスリリースには、今後30年程度は使用すると記載されてある。何度でも言うが、現在この車両は車齢50年を超えている。


つまり、東急車輛の冗談が現実になってしまうかもしれないのだ……

今後の活躍にも期待したい。

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