【憂国の直言】徴用工問題「肩代わり」解決策受け入れは外交的大敗北   朝鮮近現代史研究所 所長 松木國俊

去る3月16日の岸田首相・尹錫悦大統領会談において、岸田首相は韓国最高裁判所が日本企業に命じた補償金の支払いを韓国政府傘下の財団が「肩代わり」するという韓国側が示した「徴用工問題」解決策を、「両国関係を発展させる」として前向きに評価した。その上で「韓国に謝罪した日本政府の歴史認識を踏襲する」とまで言明している。

冗談はやめてほしい。「肩代わり」解決策とは、日本企業が行うべき原告への補償金支払いを、政治的判断によってとりあえず韓国側で立て替えるというものだ。
だが原告らは日本でも同様の裁判を起こしており、日本の最高裁判所は被告となった日本企業に無罪判決を下している。無罪である日本企業が補償金など支払う必要は全くない。岸田首相はそのことをお忘れなのだろうか。

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