「中立などあり得ない 日本は明確な武器をウクライナに送るべきだ」 西村眞悟
更に、ロシアについて記したい。この度の、ロシア・ウクライナ戦争に対して、一部評論家が言うような、「我が国の中立」、はあり得ない。その為に、「我が国にとってロシアとは何だったのか」という真実の歴史認識を取り戻さねばならない。
明治維新による我が国の「文明開化」以来、日本国民が読んだ外国文学のなかで、ロシア文学が一番多いと言われる。確かに、ロシア文学における、西欧的なものではない、スラブ土着の素朴な世界さらにアジアの雰囲気が深く印象に残るからだろうか。トロッキー髭を生やした勝田吉太郎教授(後の鈴鹿国際大学学長)は、京都大学でソビエト法制史を講義していた。その時、話題がドストエフスキーの小説「罪と罰」の話になり、ため息をつくように次のように言われた。「シベリアに流されたラスコールニコフに会いに行くソーニャという娼婦がいますねえ、ああいう女性に一度でも会いたいと思いますよ」と。私も同感だから、講義は忘れても、このソーニャの話だけ覚えている。
ロシア文学最大の作家の一人であるドストエフスキーは、獄につながれ銃殺直前に恩赦によって殺されずにシベリア流刑になるが、彼は「獄に入ったことのない者は、その国がどのような国か、知ってはいないのだ」と書いた。また、我が国の帝国陸軍の参謀本部次長を務め、終戦時の関東軍参謀長であった秦彦三郎氏は、戦後、昭和三十一年まで十一年間シベリアに抑留されるが、その臨終の近づいた日に、同じく昭和三十一年までシベリアに抑留されていた北海道大学教授の内村剛介氏に、次のように言った。「私は生涯ロシア・サービスで一貫し、ソ連にも長く駐在し、ソ連の演習にも参加した。でも、何一つわかっちゃいなかった。敗戦後ソ連の収容所暮らしをするまでは・・・」
従って、現在、我々が確認しなければならないのは、幕末から始まる、日本とロシアの接触の歴史である。即ち、我が日本の具体的な「ロシア体験」だ。
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