日商簿記3級受験記
2020年11月15日、日商簿記3級を受験してきました。受験のきっかけ、学んだことを簡単に記録しておきます。これから受験する方の参考になれば幸いです。
1.受験のきっかけ
私はメーカーで生産管理を担当しています。実は大変恥ずかしながら、会社の損益に関する資料を見てもいまいち理解できないまま社会人3年目を迎えました。もちろん、「儲かっているか否か」儲かっていないにせよ「まあまあ耐えているのか」「非常によろしくない状況なのか」程度は理解できますが、枝葉の知らない用語に気を取られ、資料作成者たちが本当に伝えたいことを理解できていないような、モヤモヤを抱えている状況でした。
例えば、読者の皆さんは「営業利益」と「経常利益」の違いを人にわかりやすく説明できるでしょうか?自信を持って答えられる方もいれば、「あれ...」という方もいらっしゃると思います。ググれば大したことではありませんが、いちいち調べながら説明を聞いたり資料を読んだりする場合とそうでない場合、理解に大きな差が出るのは言うまでもないでしょう。
生産管理担当者として、「納期を守ること」以外に「コストミニマムで操業し、収益に貢献すると」いう大きな役割を果たす為にも、少なくとも所属する部門の資料くらいは理解できるようになりたいな、どうせ勉強するなら資格として形に残るものがいいな、
というのが受験のきっかけでした。(ここまでが表向きの真面目な理由ですが、地方勤務が長くなり住んでいる土地に飽き、かつコロナ影響もあり人にも会えず暇だったことが実際の主な理由です。上記課題感もあり何もしないよりマシよね、みたいな。)
2.日商簿記3級概要
「簿記」ってなんでしょう。私が読んだ教科書には、
企業が行う取引を「帳簿」に「記す」こと
と記載がありました。
つまり、企業における商品売買などの取引を帳簿に記録する手段を学ぶのが日商簿記試験、並びにその学習内容なんですね。
なぜ取引を帳簿に記録するのか。
日々帳簿に記録したことを会計期間(4/1-3/31が一般的)ごとに集約し、財務諸表(貸借対照表(B/S)・損益計算書(P/L))に落とし込み、株主や金融機関に対して、「ある期間の経営成績・ある時点の財政状態」を理解してもらうためです。
投資家や銀行が会社の状態を理解して投資の意思決定をするには、各企業が同じルールで情報を集約・発信し、比較できるようにする必要があるため、日商簿記3級ではそのルールの基礎を学ぼう、というのが主旨のようです。
3.学んだこと
正直、たまに自社の損益資料を見る程度のメーカー生産管理マンが実務に活かせる新たな知識は何もありませんでした。笑
学ぶ内容の多くは「仕訳」と呼ばれる「取引を帳簿に記入するルール」を覚えることであり、他には月に一度行う精算表作成ルールや年に一度の決算整理に関するルールを学んだ程度。受験のきっかけとなった「財務諸表の読み方」的な内容はほとんどなく、肩透かしをくらったような....
それもそのはずで、日商簿記各級の対象企業規模をざっくり記載すると、
3級:個人〜小規模企業
2級:中小企業(日本のほとんど)
1級:大企業
企業規模の定義はさておき、私は一応大企業と言われる企業に属しているため、試験で学べる対象規模と、実務で触れる規模が合っていませんでした。
また、下の画像(商工会議所HPより)にも記載がある通り、3級はあくまで「情報処理ができるようになる」レベルであり、私が目的とした「財務諸表の読み解き」は2級の内容なんですね。
以上のことから、早速2級の勉強中です。2021年2月末に受験し、合格できるよう頑張ります。(ちなみに合格目安は3級の知識を持った上で150-300時間。受験まで残り約100日であり、なかなかタイトです。)
4.勉強の進め方、使用した教材など
テキストは以下のものを使用しました。この2冊だけで受かります。教科書を読んで理解して、問題集を5回解きました。試験当日も似たような問題ばかり出題されましたので、このテキスト以外に過去問を解く必要はなさそうです。時間とお金にゆとりがあればやってもいいと思いますが、結局3級は「作業者としてイケるか」を試されるだけですから、出題パターンは多くなく、不要と考えます。
進め方として、教科書の基本例題を全て解いてから問題集に移行することをお勧めします。
また、教科書でわかりにくい部分はYoutubeを活用しました。オススメはふくしままさゆきさんです。Kindle版の書籍も出されており、動画も非常にわかりやすく理解を助けて頂きました。(下の画像からもわかるように、項目別に動画があるため、かなり使いやすかったと思います。全24回?移動中などにサクッと学ぶのに便利だと思いました)
教科書・問題集より先に動画を見た方が理解は早かったな、という反省があります。これから勉強される方は参考まで。
5.最後に
都会に住んでいる方は読む必要ありませんが、地方の方は受験会場と開始時間次第で前泊が必要になります。
私は茨城県の南の方に住んでおり、受験会場が日立になってしまったため(クリック戦争に負けました)、前泊が必要になってしまいました。簿記三級レベルでバカバカしいなーと思いましたが、しっかりドライブも観光もできてよかったです。
写真は日立製作所と、受験当日朝の日の出の様子です。日立駅は大きなガラス張りから海が一望できてかなり良かったです。
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