きっかけ? (樹)
こりゃまた、ざっくりした質問ですね
自分自身についてとかなら、いくらでも語れる
生まれてからとかもあるし、先祖もあるし
魂とか前世とか、こじつければ、そらもうきりがないですよね(笑)
霊画を描くきっかけ?
それでいいかな?
元々ね、絵描きを目指したんですよ、若いころね
名前を出したら誰でも知ってる人の画塾に通ってました
それでねえ、続けてたら良かったのかもしれませんが、道を踏み外しましてねえ(笑)
すっぱりやめちゃいました、はい
そんなこんなで、ずううううううううううっとお休みしてました、が
浅草で店を出すと決まったときにね、なにか特色を出したほうがいいだろうなと思ったんですね
形になることをしようと思ったんです
なんでだか?わかりません、が
眼の前のペン立てに刺していた、一本の筆ペンに目が行った、そして手を伸ばして握ってみた
「描こう」と思ったんですよ、ごく普通にね、当たり前にね
全然描いてませんでしたからね、なんでそう思ったのかは、わからない
でもね、絵を描こうと、思った
ただねえ、おわかりだろうけど、絵を描くって、手間がかかるんですよ、
簡単な似顔絵だって小一時間かかります
何よりもね、ずっと描いてなかったから、指なんか動くわけないって思った
まともな絵が描けるわけがないんです、が・・・
筆ペン持ってさ、紙切れに、すっと一本の線を引いたんです
ほんと、横線一本、それだけ
するとね
「あ、生きてる」って思ったんですよ
「この線は生きてる」って・・・そう、確信した
長年、色んな経験をして、生きてきて
それが積み重なって、技術とかじゃなくて、生きてる線を引けるようになってたんですね
言葉で語るのも、絵で語るのも、同じなんですよ、私にはね
そう、言えるようになった
出会った方に、言葉で語るように、一瞬でお伝えしてお渡しできるように、一息で描いてます
偶然じゃない、必然の絵なんですよ
今を表現してるだけ、瞬間の絵なんです
描くのに要する時間は数秒です
だから「瞬筆」と、名付けました
今はこれ、ってだけです
(樹)