羽ばたけ空へ 高く舞い上がれ!【R-ACE】
はじめに
こんにちは。やまきゃです。
先日、東京ドームで行われた決闘者伝説というイベントに行ってきました。
オープニングステージでの”熱き決闘者たち”ギターアレンジに始まり、デュエルオペラや主題歌生ライブなど、テンション爆上げの内容ばかりでとても良かったです。やっぱり自分は遊戯王が好きなんだなということを再認識できました。
では、あいさつはこのくらいにして…今回紹介するのは【R-ACE】です。
【R-ACE】とは?
【R-ACE】はデッキビルドパック アメイジング・ディフェンダーズで初収録されたテーマで、【ピュアリィ】や【御巫】と同タイミングで収録されています。
発売当初は初動に難ありということでイマイチ活躍の機会が無かったテーマでしたが、2023年の4月に発売されたデュエリスト・ネクサスで登場した革命的新規カードによってテーマの問題点が解決。
一気に環境テーマとして躍進を果たします。
新規登場当時環境に存在したテーマとしては、新規の《EMERGENCY!》と《R-ACEプリベンター》により爆発的に強化された【R-ACE】に加えて
ケルベクムドラやハゥフニス・メイルゥを減らされたものの新規カードによりカオスルーラーのシンクロギミックを取り入れた【イシズティアラメンツ】
スリーピィメモリーを奪われたものの変わらないデッキパワーで環境トップに君臨する【ピュアリィ】
多数の1枚初動と誘発で安定性を確保しつつも、先行ワンキルなどの多彩な戦術を取り入れた【超重武者】
《リンク・デコーダー》などの登場で強化され、サーキュラー無制限の安定性と圧倒的キル力でピュアリィにも抗える【斬機】
クエムを手に入れ《烙印融合》へのうららを克服し、初動さえ通せば圧倒的なリソースで戦うことができる【烙印】
家具と《ビッグウェルカム・ラビュリンス》による強力なリソース能力と、《迷宮城の白銀姫》で状況に応じた強力な通常罠をセットできる対応力に優れた【ラビュリンス】
フェンリルユニコーン1枚でも《強欲で金満な壺》を採用し、アライズハートの制圧力でがんばる【クシャトリラ】
永続カードをフル搭載し、《天岩戸》や《インスペクト・ボーダー》+《命削りの宝札》でこれらを引き込む【神碑】
など実に多くのデッキが顔をだした環境となっていました。
しかしその後、大多数のテーマがリミットレギュレーションによって打撃を受ける中【R-ACE】は規制を免れることに。
さらには多くの新規汎用カードをとりいれ活用し終には環境トップと呼べるだけの結果を残すことになります。
では【R-ACE】が環境上位に君臨し続けた理由とはなんなのか?今回はそれを解き明かしていきましょう。
例によってどこまで実装とか一切知らないのであしからず。
【R-ACE】の特徴、ギミック
【R-ACE】はいわゆるミッドレンジタイプのデッキです。でもタダのミッドレンジじゃありません。
【R-ACE】とは、簡潔に説明すると
こういうテーマです。
《R-ACEタービュランス》をたたきつけることによって4枚の魔法罠カードをセットすることができ、それによって少ない消費で多数の妨害とリソースを作れるというデッキです。
主要な効果モンスター
【R-ACE】のモンスターは炎属性で統一されており、種族は機械族と戦士族の2種類が存在します。
基本的に全てのモンスターが複数の役割をこなすことができるようになっており、1枚が2手分の役割をこなすことができるハイスペックなデザインになっています。
《R-ACEタービュランス》
タービュランスは狂っています。
起動効果!って言うだけで特別な条件やコストは何も必要とせずにデッキからカードを4枚セットして良いわけがありません。わかりやすいパワーカードです。
【R-ACE】というデッキは、なにがなんでもこのタービュランスの4枚セットを通すことが勝ち筋のひとつです。
この効果は"セットする"効果であるためドロールやうららが効きません。なので止めるなら無効系誘発かγくらいしかありません。
さらにこの手の通してしまえば爆発的なアドバンテージを得られるカードというのは何らかの縛りがつくものなのですが、タービュランスはそれもありません。
じゃあ出すのが大変なのかというとそうでもありません。通常召喚もできますし自身の効果で特殊召喚もできます。
特殊召喚するためには墓地のR-ACEカードを2枚除外しなければいけませんが、デッキを回していれば自然と墓地にコストが貯まるようになります。
この除外は発動コストのため、《D.D.クロウ》などでタービュランスの着地を止めようとするにはあらかじめ墓地のR-ACEを除外しておかなければなりません。
そのうえで、③の効果があります。
魔法罠の追加効果を嫌ってハイドラントをどかそうとしたり、妨害となる魔法罠を直接消そうとしてもこの効果があるため対戦相手には常にプレッシャーがかかります。
何よりもコイツの横にいる汎用妨害リンクモンスターなどを退かそうとすると起動するのが本当に強いです。
《R-ACEハイドラント》
【R-ACE】の中核ともいえるカード。
レベル1であるため《リンクリボー》や《サクリファイス・アニマ》などに変換でき、タービュランスなどが着地するための墓地コストになります。
【R-ACE】魔法罠の多くはハイドラントがいることで強力になる効果をもっているため、ハイドラントをできるだけフィールドに維持することが重要になるということを覚えておきましょう。
他にR-ACEモンスターがいると攻撃対象・効果対象にならないので、盤面維持自体は容易です。
②によってターンに1度だけ、R-ACEカードの効果によってセットしたテーマ速攻魔法・罠をセットしたターンに打つことができます。
つまりはタービュランスでセットした速攻魔法をそのターン中に打つことができるようになるので、ALERTやEMERGENCYを打ってさらなる展開ができるようになります。
起動効果でデッキからテーマモンスターをサーチすることができます。
先行では基本的にエアホイスターやタービュランス、それらがある場合はプリベンターを持ってくることが多いです。
このカード1枚でタービュランスを出すということは出来ませんが、《R-ACEプリベンター》をサーチすることで《幻獣機アウローラドン》を作ることができます。
《R-ACEプリベンター》
効果もりもりの超パワーカードです。このカードが登場したことによってハイドラントはリンク3として換算できるようになりました。
墓地からR-ACEカードを1枚除外すれば場に出すことができ、他のR-ACEがいればフリーチェーンで相手の効果モンスターを裏守備にすることができます。
【R-ACE】はテーマ内における妨害が後ろに寄りがちですが、このカードのおかげで妨害位置を前にも分散でき、羽根箒などで0妨害にならないようにすることができますし、もちろんこの効果で自分ターンに相手の妨害を踏むこともできます。
墓地に送られると除外状態のR-ACEを盤面に戻すことが出来ます。これによって先行展開でリンク数をかさましすることもできますし、相手ターンに《EMERGENCY!》などで墓地に送れば除外されているハイドラントなどを場に供給することも可能です。
墓地へ送られれば元いた場所はどこでもいいので、手札から墓地へ行ったりしてもこの効果は発動出来ます。一応帰還できるモンスターはレベル8以外なのでプリベンターでプリベンターを戻すことは不可能であることにだけ注意です。
《R-ACEエアホイスター》
NS、SS時にテーマ魔法カードをサーチします。
後述する《EMERGENCY!》の存在により【R-ACE】はこのカード1枚からタービュランスを着地させることができます。
EMERGENCY以外にもテーマ魔法カードはリソースを回収する札が多く、エアホイスターを通すことイコールリソースを広げることと思って良いでしょう。
戦士族なので《増援》でサーチができます。
②の効果は相手場のモンスター効果発動にあわせて手か場のこのカードをリリースし、手札からR-ACEを出す効果。
ちょっとコスパが悪いですが、手札に他の【R-ACE】モンスターさえあれば自身へのドラゴスタペリアや赤霄などの効果無効を避けることができたりします。なにがなんでもエアホイスターを通したいという時は使うかも?
《R-ACEインパルス》
起動効果で相手の最も打点が高いモンスターの効果発動を封じることができます。
《エクスピュアリィ・ノアール》にも効くのでもしかしたらこいつだけ見たことがある人もいるかもしれません。
こいつも戦士族なので増援できます。
②の効果で場にいる相手モンスターの効果発動にあわせて、手か場のこのカードをリリースするとデッキから機械族のR-ACEを呼ぶことができます。
これにより後攻で誘発のように使ってデッキから《R-ACEファイア・アタッカー》を呼んでドローを狙うこともできますし、あえて自分のターンまで抱えておいて相手の妨害で誘発させハイドラントやタービュランスを呼んだり…といった攻め手の一つとして使ったりすることもできます。
先行でもハンドに抱えておいてターンを渡し、相手が《拮抗勝負》などを通して安心しているときにこのカードでいきなり妨害を増やすことも。
先行展開に絡んだりするカードではありませんが、②の効果による対応力の高さから積極的に採用されるカードです。
《R-ACEファイア・アタッカー》
相手がドロー以外で手札を増やすと、2ドロー1捨てができます。
基本的には相手ターン中にインパルスで呼び、ファンタズメイのようにこちらの手札を整えることを目的にして採用します。
最悪ハンドに来ても、①効果で自己SS出来るので問題ありません。
②はデッキからサーチ以外にも、墓地から回収したりバウンスしたりで相手の手札が増えた場合にも発動するので覚えておくと良いでしょう。
《R-ACEファイア・エンジン》
相手のモンスターが特殊召喚されると、手札・デッキ・墓地好きなところからレベル4以下のR-ACEを呼ぶことができます。
ファイア・アタッカー同様インパルスで相手ターンに呼んで、②の効果でエアホイスターなどを呼び次の自分ターンに備える使い方が基本になります。
もしも相手のデッキがこちらのターン中にモンスターを出すデッキの場合、このカードの生み出すアドバンテージは計り知れません。
アタッカーにしろエンジンにしろ自分の場にR-ACEが出ると誘発して手札から出せるので、インパルスでプリベンターを呼びこれらを手札から出して後攻0ターン目でプリベンターの裏守備効果を使うといった芸当も可能です。
魔法・罠カード
フィールド魔法を除くR-ACEの魔法罠カードは頭文字がR・A・C・Eのいずれかに対応するようにネーミングされています。オシャレですね。
そんな名前をしているのでサポートを受けられないと思いきや、効果外テキストにちゃんと「R-ACEカードとして扱う」と書いてあるので安心。
フィールド魔法である《R-ACEヘッドクオーター》以外の魔法罠はすべてタービュランスによってセットできます。つまり速攻魔法と通常罠しかないということです。
罠カードは全部自分の場にR-ACEモンスターがいないと使えません。
あと、なんでか罠は同名ターン1がありません。(といっても基本は全てピン採用されるものですが)
ちなみにまだCに対応する魔法カードとAに対応する罠カードが登場していません。伸びしろですね。
《RESCUE!》
墓地のR-ACEモンスターを蘇生、ハイドラントがいれば相手の墓地のモンスターも奪えるようになります。
この手のカードにしては珍しく効果無効や攻撃不可にならないので、例えば《フルール・ド・バロネス》を奪えばその万能無効効果も破壊効果も使えます。
また、このカードは速攻魔法なのでプリベンターやインパルスへの墓穴ケアとして使うことができます。
《ALERT!》
墓地のR-ACEモンスターを回収、ハイドラントがいればデッキからサーチすることも可能になります。
ハイドラントが絡まない場合はサーチにならないので脳死で複数積みするカードではありませんが、エアホイスターのサーチ先として1枚は必ず採用します。
エアホイスターを出したけど《EMERGENCY!》は既に手札にある、といった場合に持ってきてプリベンターやタービュランスを持ってくるというシチュエーションは結構あります。そうでなくともこのデッキにおいてEmergencyの有無を隠しておくのは重要です。
もちろんこれも速攻魔法なので墓穴ケアができます。
《EMERGENCY!》
うちのテーマにもこれください筆頭カード。デッキからR-ACEを守備で特殊召喚し、その後手札か場のR-ACEをリリースします。
わかりやすい使いどころで言えば、エアホイスターでサーチしてそのまま発動すればタービュランスを出すことができ、そのまま4枚セットが可能です。
これも速攻魔法なので、エアホイスターやハイドラントに《無限泡影》などを打たれた場合に使えば無効を回避してそのままタービュランスの着地までできます。
同様にEMERGENCYを使わずにタービュランスを出すことが出来れば、タービュランスに対する無効もこのカードでケアが可能です。
アトラクターやロンギヌスなどの誘発を受けた場合タービュランスを自身の効果で出すことはほぼ不可能になりますが、このカードのおかげでそれらを気にせずタービュランス着地を行えます。
何よりも、相手の《増殖するG》にチェーンしてこのカードを打つことで0ドローでタービュランスを着地させることができます。このおかげで【R-ACE】はG受けがめちゃくちゃ良いです。
プリベンターをデッキから出してそのままリリースすればプリベンターの③が誘発するので、実質除外状態のR-ACEを場に戻すカードとしても使えます。
これだけでも十分すぎるほど強いのですが、なぜか墓地のR-ACE罠カードを再セットする効果まで付いています。
3ターン目以降のリソースとして使う機会はそれなりにあるので覚えておくと良いでしょう。
《REINFORCE!》
自分のR-ACEモンスター1体に効果耐性・1度切りの戦闘破壊耐性を与え、攻守を1500アップさせます。
妨害にはなりませんが、攻守4500で効果を受けないタービュランスができるだけでも結構な確率でターンは帰ってきます。
また、墓地のこのカードを除外することでR-ACE魔法カードを墓地から再セットすることができます。罠カードなので相手ターンにもこの②を発動でき、EMERGENCYやALERTをセットして次ターンのリソースとできます。
この効果のおかげで《拮抗勝負》を打たれてもリソースを多く残せるようになります。
《CONTAIN!》
タービュランスで伏せる妨害その1。
相手の効果モンスターを対象にとり、攻撃不可&効果無効にします。ハイドラントがいるとさらに各種召喚の素材にできないという強力な縛りまで付けます。
《ピュアリィ》などに打つことが出来ればリンク1、ランク1Xにできなくなると考えればその強さが伝わりやすいでしょうか。
このためリンクデッキは【R-ACE】対面で下級モンスターを出すところを間違えると詰みかねません。
《EXTINGUISH!》
タービュランスで伏せる妨害その2。
相手の効果モンスターを対象にとり破壊します。ハイドラントがいるとさらにそのターン中に同名モンスターの効果を発動出来なくする縛りをつけます。効果モンスターしか破壊できないため、裏守備のモンスターに打つことはできません。
ハイドラントによる追加効果が本当に強力で、ティアラメンツのような破壊することでアドを取られてしまうモンスターも安全に処理することができます。
また、例えば《ピュアリィ》を破壊すればメモリーで呼んだ2体目、3体目のピュアリィも効果を発動出来なくなります。
《R-ACEヘッドクオーター》
R-ACEのフィールド魔法。ものすごいパワーカードです。
フィールド魔法らしくR-ACEモンスターのステータスを上げる効果を持ち、R-ACEモンスターに限り召喚権を追加とわかりやすく手数を追加してくれます。
本命となるのが③の効果。墓地と除外状態のR-ACEカードを4枚対象にとり、デッキに戻して1ドローします。
タービュランスでセットし使ったCONTAINやEXTINGUISH、EMERGENCYなどをデッキに戻すことができるということは、タービュランスで再びセットすることができるということです。
つまりヘッドクオーターがある限り、【R-ACE】はほとんど無限といっていいリソースを回すことができます。
しかもそれに1ドローがついているので、弱いわけがありません。なのにエアホイスターでサーチできます。紛れもなく最強カードです。
このカードを複数採用し、③の効果を回してるだけで【神碑】などにデッキアウトされにくくなり長期戦ができるようになります。
猫でもわかる【R-ACE】の基礎展開
エアホイスター1枚初動でタービュランス
1枚初動のとてもわかりやすい展開です。
たった1枚のカードから消費なしで無効と破壊の2妨害を構えつつ、蘇生とデッキからSSの2リソースを作ることが出来ました。
ちゃんとハイドラントが場にいるので、各種魔法罠のボーナス効果をねらうこともできます。
もちろんセットする4枚の魔法罠カードは必ずこれらでなくてはならないというわけではありません。状況に合わせて《REINFORCE!》や《ALERT!》を伏せることも考えられます。
無効誘発をどうする?
とはいえ、この展開はタービュランスに対する無効誘発1枚で瓦解します。
確かに《EMERGENCY!》によってタービュランスへの無効を回避できるとはいえ、EMERGENCYを使わずにタービュランスを着地させるのは簡単ではありません。
これをテーマ内だけでやろうと思うと、EMERGENCYに加えて
・エアホイスター+ハイドラント
・ヘッドクオーター+ハイドラント
のような3枚持ちを要求されるので、現実的ではありませんよね。
じゃあどうするのか?タービュランスへの無効誘発に対してどう向き合うのか?というのを考えるのが【R-ACE】を扱う上で最も重要です。
なのでここからは、実際に環境で使われたタービュランスへの無効誘発を想定した上での展開プランをみていきましょう。
ハイドラント1枚から《幻獣機アウローラドン》プラン
前述したように、プリベンターを活用することでハイドラント1枚から《幻獣機アウローラドン》をリンク召喚することができます。
《幻獣機オライオン》などの不純物がメインデッキに必要でエクストラデッキも圧迫しますが、アウローラドンギミックを採用することでハイドラント1枚からもある程度の展開が出来るようになります。
また、《EMERGENCY!》や《ALERT!》、プリベンター・タービュランスなどをハイドラントと重ね引きすることでラドン展開とタービュランスの両方を狙えるようにもなります。
こうすることでタービュランスとアウローラドンのどちらに無効系打つのかの択を迫ることが出来るというわけですね。
ラドンから作るモンスターとしては《ジェット・シンクロン》を採用して、《アクセル・シンクロン》を経由して立てる墓地メタ&万能無効の《虹光の宣告者》+魔法罠無効の《F.A.ライトニングマスター》が無理なく使えます。《ヴァレルロード・S・ドラゴン》も良いですね。
ハイドラント1枚から《沼地のドロゴン》プラン
もう一つの選択肢として、《沼地のドロゴン》を立てて炎属性宣言をしタービュランスに無効系を打たせないというプランも存在します。
ハイドラント1枚からリンク3になるという展開を応用し、《プロキシー・F・マジシャン》を使うことで成立します。
ラドン展開でバリケイドベルグを出すところを《プロキシー・F・マジシャン》にするだけです。
このプランを採用すると、ラドン展開と同じくテーマカードの複数初動(ハイドラント+タービュランスやハイドラント+プリベンターなど)でタービュランスへの無効誘発をケアすることができるようになります。
このプランではメインデッキやエクストラデッキに余計なカードをあまり必要としないのも一つの利点です。
エクストラデッキに枠ができるので、《転生炎獣サンライトウルフ》による墓地回収やサンライトとリンクリボーで作る《デコードトーカー・ヒートソウル》などのリソースを広げるカードを多く採用することが可能となります。
MDなら《スプライト・エルフ》でいいですね…。
【R-ACE】を強化する汎用カード
さて、ここからはテーマカードではないけれど【R-ACE】を強化してくれるカードたちを見ていきましょう。
前述のように、純【R-ACE】はあの手この手でタービュランスの効果を通せるよう工夫していたわけですが…それでも複数誘発が貫通できなかったりといった理由で圧倒的な環境Topとは言えませんでした。
しかし時が経つにつれ、テーマカードではないけれど【R-ACE】が有効に利用できる新規カードというものがいくつも登場します。
《黒魔女ディアベルスター》と《原罪宝ースネークアイ》
ディアベルスターは手札、フィールドのカードを墓地に送ってチェーンブロックを組まずに特殊召喚でき、デッキから罪宝魔法罠をセットできます。
この効果でセットする《原罪宝ースネークアイ》は自分の表側のカードを墓地に送って、デッキからレベル1の炎属性モンスターつまりはハイドラントを特殊召喚できるのです。
ディアベルスターは《”罪宝狩りの悪魔”》でサーチ可能なため、実質4~6枚で採用できます。
ハイドラントへのアクセス率を高めるために、これらのカードを採用した型がいわゆる【罪宝R-ACE】とよばれるデッキです。
では、実際の展開例を見てみましょう。
このようにして、ディアベルスター+コスト1枚からタービュランスを着地させることができました。
この展開においてはEMERGENCYを使っていないため、ディアベルに加えてEMERGENCYを素引きしていればタービュランスをどかしての誘発ケアができるようになります。
また、《”罪宝狩りの悪魔”》には墓地の罪宝魔法罠をデッキボトムに戻して1ドローする効果が付いているので、ディアベルスターで捨てたコスト分のカードは帰ってくるというのも強い点です。
とはいえ、このギミックの本質的に強いところはディアベルスターが初動であること自体ではありません。
ディアベルスターが召喚権不要のギミックであるために、エアホイスターなどの他初動カードと被っても問題が無いという点が強力なのです。
《S:Pリトルナイト》で誘発ケア+妨害
リトルナイトはガチモンのバケモノです。
こいつについて書き始めるとキリがないので詳細は一旦省きますが、重要なのは②の効果です。
相手が効果を発動したときに、自分のモンスター+もう1体のモンスターをエンドフェイズまで除外して効果を回避できます。
つまり《無限泡影》《エフェクト・ヴェーラー》《原始生命体ニビル》《幽鬼うさぎ》《拮抗勝負》などのカードを全てケアできるということです。
そのバケモノが、なんでも良いから効果モンスター2体で出せます。
具体的な話をしましょう。
先ほどのディアベルスター展開で出すリンク2をマスカレーナではなくリトルナイトにしてみます。
そうすると、タービュランスの効果発動に対し発動した《無限泡影》はリトルナイト効果でタービュランスを除外することで回避できてしまいます。《EMERGENCY!》を打つ必要すらありません。
つまりは、リトルナイト登場後はタービュランスに無効誘発を投げることが限りなく難しくなってしまうのです。
《賜炎の咎姫》で誘発ケア+リソース
「でもタービュランスの効果発動前に《無限泡影》をタービュランスにうったらリトルナイトでもケアできないよね?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
確かにそうされたらタービュランスをもう一回盤面に出さなければならないのでちょっと大変そうですよね。
でもダメー。MDには既に先行実装されていますが、《賜炎の咎姫》というカードがあります。
なんと咎姫はリトルナイト+タービュランスで出すことができて、墓地のタービュランスを蘇生してしまうのです。
ということは、タービュランスの効果起動前にヴェーラーや無限を打ち込んでも、その後リンク召喚した咎姫で蘇生されて結局タービュランスは通ってしまうということになります。
なんなら咎姫には③の蘇生効果があるため、この後もう一回タービュランスに無効を打ち込んでもリソースと妨害が確約されてしまいます。
最終的には、《S:Pリトルナイト》と《賜炎の咎姫》がある【R-ACE】にはタービュランスへの無効誘発は1枚持ちではまったく通らないということになっちゃうのです。
かなしいね。
《篝火》と《蛇眼の炎燐》
《蛇眼の炎燐》ことポプルスはサーチなどで手札に加わることで特殊召喚ができ、NSとSS時にデッキからスネークアイ魔法罠をサーチできます。
つまり《原罪宝ースネークアイ》をサーチできるので、実質的なハイドラントとして扱えます。
また、ポプルスは墓地に行くと墓地の炎属性モンスターを永続魔法扱いで置くことが出来るので、《リンクリボー》などに変換した後に原罪宝のコストまで賄ってくれます。
ポプルスは《篝火》によってサーチ可能なので、【R-ACE】において篝火は召喚権なしでリンクリボー+ハイドラントを作るカードというわけです。
実際に《篝火》スタートの展開を見てみましょう。
最終的には、リトルナイト+タービュランス+ハイドラントという盤面を作ることができました。ディアベルスター初動と比べてハイドラント1枚分お得になりましたね。
篝火ポプルスが召喚権をつかわず、またリンク数を減らさずに原罪宝を打てるのでこういうことができるのです。
もちろん篝火とポプルスは召喚権なしでリンク2を出力できるので、後手での手数にも貢献します。
なによりも、ディアベルスター・エアホイスターとあわせてタービュランスに繋がるギミックが3種類に増えて、しかも重ね引きすれば手数が増えるので誘発貫通率がグッと上がります。
【R-ACE】の強み
タービュランスから生まれる爆発的アドバンテージ
タービュランスには通れば勝ちと言ってもいいパワーがあります。
他のテーマが手札を2枚3枚と使って妨害とリソースをつくっている一方で、【R-ACE】は1枚の手札で4枚のカードをセットし、さらにそれらがそれぞれちゃんと1枚のカードとしての働きをするのでその差を埋めるのは至難の業です。
たとえ【R-ACE】が後攻だとしても、タービュランスの効果が通ればセット4枚分のアドバンテージで捲れてしまうので先行側はタービュランスのために妨害を残さなくてはいけません。それだけの圧がタービュランスにはあります。
タービュランスを通したら負ける!という圧力を常に相手に押しつけられるというのが【R-ACE】というデッキなのです。
手数の多さ
ディアベルスターや篝火ポプルスの採用で手数が多くなるのもそうですが、単純にテーマ内だけでみても手数は多めです。
ヘッドクオーターによる召喚権追加や、インパルスによるデッキからの特殊召喚・素引きプリベンターやタービュランスのSSなど。モンスターを盤面に並べることが得意です。
既に説明した通りこれらの手数を活かしてリトルナイトなどで誘発ケアが可能ですし、咎姫でリソースを作ることも簡単です。
後手に関しても、インパルスの効果発動を封じる効果やプリベンターの裏守備にする効果など妨害を踏む能力というものが十分にあります。
これらで妨害を踏みながらリンク数を稼ぎ、タービュランスを通しながら《アクセスコード・トーカー》でフィニッシュというのも全然余裕でできます。
手数を活かしたタービュランス以外の妨害プラン
【R-ACE】は一切の制約がかからないテーマであるため、タービュランス以外の汎用エクストラモンスターで妨害を作ることができます。
具体的には、ハイドラント1枚でリンク3を作れることを活かしたアウローラドンを作るプランに始まり、リトルナイト・咎姫アンブロエールやアポロウーサなど。
こういったリンク数を稼げることを活かした”タービュランス以外の妨害を作るサブプラン”があります。
タービュランスを通せば限りなく勝ちに近づくにも関わらず…
・”タービュランスへの誘発ケア”
・”仮にタービュランスが通らなくても誘発を投げて手札が減った相手を詰ませられるサブプラン”
の2つが備わっています。
完全体【R-ACE】の真の強さはここにあります。
タービュランスが通っても通らなくても、相手は誘発を投げすぎて勝手に動けず死ぬか、捲れなくて死にます。どっちにしろ死にます。
タービュランスという分かりやすいアド稼ぎマシーンを抱えながらも、これだけのサブプランを持っているのも【R-ACE】の強みです。
1枚の捲り札で0妨害にならない
強いテーマの話をするときに毎回この話題を上げているような気もしますが、やはり1枚で捲られないというのは信頼度が違います。
《サンダーボルト》などで前を消されてもRESCUEの蘇生とEMERGENCYがあるので再び罠を使えるようになりますし、羽根箒で後ろを飛ばされてもプリベンターの裏守備に加え咎姫・リトルナイトなどでの妨害が残ります。
《拮抗勝負》を受けても、バトルフェイズ中にあらかじめ《REINFORCE!》を打っておけば墓地の魔法を再セットできますし、バトルを放棄した上で効果を受けないタービュランスを処理するのは不可能に近いでしょう。
あるいは、拮抗の発動にあわせて《EMERGENCY!》を打てば処理後に墓地へ送ったプリベンターの効果を使いR-ACEモンスターを再供給できるので拮抗の処理で罠カードを残しておけば少なくともこれで1回の妨害が残せるわけです。
そもそも、ラドン型の展開を通せばライトニングマスターやサベージなどの無効でこの手のカードを防ぐことができます。
ラドン型でなくても、リンク数を稼ぐことが得意なこのデッキであればアポロウーサを立てたり《リプロドクス》を使って《ファイアウォール・ドラゴン・ダークフルード・ネオテンペスト》を作ることもたやすいです。
とにもかくにも捲りカードへの耐性というものが高く、また構築によって妨害の質や種類も変わるので対策するのが難しいのです。
メインデッキで十分戦える
これも大きな強みでしょう。
昨今の遊戯王はほとんどの場合エクストラデッキのカードを多用し、そのため《次元障壁》や《アーティファクト・デスサイズ》などのカードが強力とされますが、それに対して【R-ACE】はメインデッキだけでも十分に戦えます。
エクストラデッキを一切使わずともタービュランスは着地できますし、極論タービュランスさえ通してしまえばなんとでもなります。
エクストラに依存せずにプリベンターやタービュランスといったモンスターで高打点を出力でき、厄介なモンスターもプリベンターで裏守備にできるのでエクストラを封じられたからといって詰みにはなりません。
圧倒的なリソース回収能力
タービュランスのセット効果が通れば、基本的には《EMERGENCY!》と《RESCUE!》の2種魔法カードをセットすることになると思います。
そうすると、何事も無ければ次のターンのためにこれらのカードを使ってハイドラントやエアホイスターのサーチなどを通してリソースを稼ぐことができます。
エアホイスターから《R-ACEヘッドクオーター》をサーチすれば、タービュランスでセットして使った魔法罠は全てデッキに戻して再びタービュランスでセットすることが可能です。しかもドローのおまけつき。
このように、特別なことをしなくてもテーマギミックを回してさえいればリソースが尽きることはまずありません。
相手の心が折れるまでモンスターの攻撃と罠の妨害を打ち込み続けることができるのです。
【R-ACE】の弱み
テーマの妨害自体は大したこと無い
誤解を恐れずに言えば、タービュランスを通してしまっても作られる妨害は1回破壊と1回無効、それに墓地奪取が1回だけです。
つまり回数の妨害のため、まったく捲ることができないということはありません。
《アークネメシス・プロートス》や《クシャトリラ・アライズハート》のような実質無限妨害をつくることはありません。
封殺ではなくあくまでも一手一手の対応をすることになります。そう、タービュランス1枚が通る"だけ"ならね。
よって、【エンディミオン】や60枚の手数全振りデッキ系などならば【R-ACE】の盤面を捲ること自体は可能です。
妨害が全部対象を取る
妨害罠やプリベンターはその全てが対象を取る効果であるため、《簡易融合》や《超融合》からの《沼地のドロゴン》や《ストレイ・ピュアリィ・ストリート》などの抜け道があります。
同様に、セットカードがある《迷宮城の白銀姫》や【御巫】のフゥリ+迷わし鳥なども妨害できません。
対象耐性を付けられるテーマ、汎用カードが【R-ACE】に対してはかなり有効に刺さります。
事故ることもある
【R-ACE】はちょっと独特の事故りかたをします。
例えば《ALERT!》はハイドラントがいればサーチカードになりますが、いなければ先行ではほとんど腐ってしまいます。
《CONTAIN!》や《EXTINGISH!》も同様で、R-ACEモンスターがいないと使えませんし伏せたところで次には繋がりません。
タービュランスやプリベンターも、墓地にR-ACEカードを用意できなければ素引きしてもゴミにしかなりません。
《EMERGENCY!》ですら、他にR-ACEモンスターを重ね引きしないと発動しても何も起きません。
まずそんなことは起きませんが、タービュランスでセットするはずの《CONTAIN!》《EXTINGUISH!》《RESCUE!》などを全て素引きしてしまうということもありえます。
妨害をエクストラデッキに依存しない代わりに、メインデッキに単一の役割しかこなせないカードを多く採用しているため、こういったことが起きてしまいます。
噛み合い次第でどこまでも強い展開ができるデッキなのですが、逆に噛み合いが悪いと何もできないということがそれなりに起きてしまうのです。
自由枠が少ない
これも同じ理由で、メインデッキにタービュランスでセットするカードやR-ACE名称カードを多数採用しなければならない上に、テーマ外ギミックで初動を確保するのでメインデッキの枠はカツカツになるのです。
とにかくタービュランスを出せるように&通せるように構築するのが基本で、メインデッキはほぼテンプレといっていいほどに枠が埋まっています。
手札誘発もうららGで6枚入れたらあと1~2枚採用するのが限界といったところ。《三戦の才》や《超融合》まで採用しようとするともうぜんぜん枠が足りません。
メタ耐性はそんなに高くない
【R-ACE】は言ってしまえば普通のデッキです。
基本的に妨害はモンスターに対する効果のみであり魔法罠を止める術を持ち合わせていません。
メインギミックで相手の魔法罠に触るカードはタービュランスしかなく、しかも受動的です。
そのため《御前試合》《センサー万別》《スキルドレイン》などの罠カード連打を止めることができません。
当然こういった《サモンリミッター》や《スキルドレイン》などの置物は辛いですし、他にもプロートスで炎宣言されれば涙を流します。
メタビートにパキケファロや結界像を守られれば、罠の素引き以外で突破するのは困難になります。
前述のように自由枠が少ないので、こういったカードを対策する汎用カードを多くは採用できないのです。
タービュランスの4セットなど一見するとめちゃくちゃしているように見えて、実際にはみんながよく知っている遊戯王の延長でしかないのです。
【R-ACE】の対策
端的に言えば【R-ACE】は「誘発貫通力が高くて手数があって展開通したらめっちゃ妨害とリソース作ってくるデッキ」です。
それでいて【ティアラメンツ】に対する裂け目アトラクターのようなこれは猛烈に刺さる!というようなメタカードが【R-ACE】にはほとんど存在しません。なぜならやってること自体は普通のデッキだからです。
となると、対策もごく一般的なものになってきます。
つまりは誘発を投げるか、捲り札を投げるかです。
誘発のあてどころ
ここまでに紹介したカードがすべて実装された、という体で考えていきます。
基本的に【罪宝R-ACE】は誘発1枚で止まることはよほど下振れてないとありません。2枚持ちが前提です。
G・うららは特別言うことはないでしょう。うららはEMERGENCYか原罪宝に当ててください。
ただしうららは霊使いヒータでとられて、咎姫を作られる可能性があります。
《無限泡影》などの無効誘発は当然タービュランスの効果を通さないように投げたいわけですが、リトルナイトと咎姫の存在によりそういうわけにもいかないということは既に説明した通りです。
じゃあいっそのこと無効誘発入れなければいいのでは?というのもあまりオススメしません。
その場合、タービュランスの4セットを越えれるようにデッキを構築したとしてもラドン型のアークデクレアラー・ライトニングマスターや大量に余ったリンク数でアポロウーサだったりネオテンペストを作ってくるタイプのR-ACEが辛くなるからです。
想像以上に完全体【R-ACE】が先行で作る盤面というものは堅く、よほど尖った構築で無いと誘発を投げずにどうこうというのは難しいです。(【神碑】とかね)
ではどうするべきか?
無効誘発を初動に打つしかありません。
既に説明しましたが、思っている以上に初動となるディアベルやポプルスをとめられてハイドラントへのアクセスを失った場合【R-ACE】は手札に抱えたカードが腐りやすいです。
もしも無効をハイドラントまで待った場合、手札で腐っていた《EMERGENCY!》や《ALERT!》などが有効になる可能性があります。
もちろんエアホイスターや原罪宝などの素引きで貫通される可能性もありますが、それでも無効は初動に投げるのが一番良いです。
タービュランスを止めたいだけなら、《原始生命体ニビル》は高確率で刺さります。
ラドン型はいわずもがな。ディアベルや篝火初動のときにリトルナイトで無効誘発をケアしようとした場合でも、タービュランス着地時に投げれば(リトルナイトとタービュランスは逃げてしまうけれど)タービュランスの効果発動自体は未然に防ぐことができます。
EMERGENCYやプリベンターを持たれてたら貫通しますが、その場合でも妨害数を減らすことには貢献するはずです。
有効な捲り札
真っ先に考えられるのが《超融合》です。
相手の盤面次第でケアされますが、炎×2などでドロゴンを作ることができればR-ACEの妨害のほとんどを無効化できます。
チェーン不可のためライトニングマスターやネオテンペスト+ディセーブルムでも止められないのが魅力的です。
盤面からR-ACEモンスターを消すだけでもそれなりに効果があり、プリベンターの裏守備効果なんかは大抵これで打てなくなります。
同様の理由で《三戦の才》もかなり有効です。面からハイドラントを奪うだけでも罠の追加効果などを防ぐことができますし、もしもミラー戦ならタービュランスを奪うことで大事件が起きます。
なんだかんだいって、ケアされないのなら《拮抗勝負》は刺さります。伏せた《CONTAIN!》と《EXTINGUISH!》を裏側で飛ばせるため再利用を防げるからです。シングル戦なら一考の余地があります。
羽根箒・ライストは剥がせる妨害数自体は多いですが、前盤面を突破出来ないなら根本的解決にはなりません。
次のターンにエアホイスターからヘッドクオーターをサーチされて、タービュランスで再セットされて終わりです。
打つならワンキル前提ということです。
デッキはちゃんと選ぼう
もっとも、(これはR-ACEに限った話ではありませんが)こうして誘発をたくさん投げたとしてもリンク数を稼がれて咎姫アンブロエールで妨害とリソースを作られてしまうこともあります。
残った手札でそれを越えられないようであれば、誘発を投げる意味もありません。
捲り札で勝負する場合でも、キル力のないデッキでそれをしてしまえばリソース回収と再展開をされゲームを続けるのが苦しくなってしまうでしょう。
誘発や捲り札を投げればどんなデッキでも相手できる!というような甘い考えは捨てた方がよいです。
普通のデッキで環境トップだったということはつまり”そういうこと”です。ガチで危機感持った方が良い
結局のところ、完全体の【R-ACE】に勝とうと思うのならどういうプランをとるにしろ”地力のあるテーマ”を使うほうが良いです。
ここで言う地力とは、「ロングゲームに対応できるリソース力」や「先行を取ったときに相手に展開を許さず勝ちきれる能力」、「後手で妨害を乗り越えられる十分な手数」を指します。
すべてを満たせなくても、これらのうち2つは十分に満たせるデッキを選ぶべきです。
MDに今いるデッキの中で具体例を挙げるなら、【ピュアリィ】【ラビュリンス】【60烙印】あたりはわりといけると思います。中でも【ピュアリィ】はストリートがあるので動きを通しやすいです。
マスターデュエルでの展望
やっぱり”普通”のデッキではある
何度も言いますが、【R-ACE】はやってることは普通のデッキです。
シングル戦、特にMDにおいては通常「普通のデッキ」が無双することはありません。なぜならメタが他デッキと被るからです。
シングル戦では【ふわんだりぃず】【神碑】のようなメタすり抜けデッキが圧倒的に立ち位置が良くそれがそのまま強いのは皆さんご存じの通りですし、メタをすり抜けないで圧倒的に強かったのは【イシズティアラメンツ】のような破壊的カードパワーのデッキぐらいのものです。(あれですらメタれる範囲内だった)
どれだけ手数があってリソースが豊富で誘発受けが良くても、どこか尖った点が無ければ圧倒的Tier1とはいかないのがシングル戦です。
【R-ACE】には、そういったオンリーワン性に欠けるところがあるので、フルパワーで実装されたとしても圧倒的に強いかというのは疑問ということなのです。
でもカードパワーは最強
とはいうものの、【R-ACE】は普通のデッキのなかでもぶっちぎってパワーが高いです。
メタが被るとは言いますが、じゃあ無効誘発1枚でなんとかなるのかというと絶対そんな事はありません。既に説明したとおりです。
2024年2月現在のMDでは【烙印】がトップTierと言われていますが、【烙印】もそんな尖ったデッキではありませんよね。
リソース、誘発受け、手数、妨害の質や耐える力が他のデッキに比べ圧倒的に上だからこそのトップTierです。
さらに最近のMDでは壺などのドローソースや《御前試合》などの永続カードが大幅に規制されており、尖ったメタすり抜けデッキはシェアをかなり減らしています。
物事は相対評価なので、世の中に"普通のデッキ"しかいないのならその中で一番強いデッキが最強ですよね?
同じ理屈なら、【R-ACE】もトップTierになったっておかしくありません。リソース・誘発受け・手数どれも烙印に引けを取りません。
OCGの頃と違い、【ティアラメンツ】や【ピュアリィ】【神碑】といった当時の対抗馬が軒並み規制されているというのも追い風です。
展開の制約がないので、【ゴーストリックピュアリィ】のようなMD産のデッキにも期待できます。
OCGでの規制
2024年2月現在では、【R-ACE】からはエアホイスターが準制限、EMERGENCYが制限カードに指定されています。
EMERGENCYの制限化は特に大きく、誘発貫通率がかなり下がるのはもちろんのこと、後手の手数も減り、G受けもかなり悪くなりました。
しかも先行展開でEMERGENCYを使ってしまうとタービュランスで2枚目のEMERGENCYをセットできなくなってしまいました。
EMERGENCYの2枚目が無いということは、初手が弱いとプリベンターへのアクセスもしづらくなり、拮抗勝負受けやリソースの確保が非常に難しくなります。
このように多大な面での弱体化を受けたものの、初動の多さや手数の多さは健在で環境最前線とはいかないまでもある程度の立ち位置を維持してはいます。
ここからさらに【R-ACE】が規制されるのか?というのは未知数ですが、少なくともディアベルスター関連あるいは篝火に規制がかけられることは高確率であり得ます。
【R-ACE】でなくともこれらの初動ギミックは【スネークアイ】や【炎王】でも採用されており、それらは現在OCGでの環境最上位デッキであるからです。
さすがにMDの規制がOCGよりも早いということはないと思いますが、いつかそれらに対して規制がされることは覚悟しておくべきかもしれません。
ちなみにMDの事前規制はないと思います。
結局【R-ACE】とは何なのか
最後にサクッとまとめましょう。
シンプルにめちゃくちゃ強いデッキ
つまりは【R-ACE】は「タービュランスという通せば勝ちの爆アドカードを内包した、手数リソース誘発貫通力が最高水準のミッドレンジデッキ」です。
・誘発を投げても止まらない
・先行盤面は堅すぎる
・後手の手数も多くて止めきれない
そんなデッキなのです。
正直完全体なら【烙印】の上位互換と思ってもらっても良いくらいかもしれません。それくらい完全体の【R-ACE】は隙がありません。
しかも《次元障壁》《ディメンション・アトラクター》のような致命的なターンスキップカードをギミック的に重く食らいません。そういう意味ではシングル戦でも立ち位置がよいと言えます。
ただしプレイングがめちゃくちゃ必要
既に説明したとおり【R-ACE】が作る妨害自体は大したことが無く、妨害のあてどころを間違えるとけっこう簡単に捲られます。
使えるからと言って相手ターンになにも考えずインパルスを使うと、《三戦の才》《三戦の号》を打たれて破産します。
《超融合》もケアしないとドロゴンを作られて妨害がほとんど使えなくなります。
自分相手ターン問わず選択肢がかなり多いデッキなので、上記のような後から「こうすれば勝てたな~」とか「これケアすべきだったな~」ということが無限に発生します。
それでもデッキパワーの高さからある程度は勝てそうですが、もしも【R-ACE】ミラーが発生した場合は確実にプレイの上手い方が勝ちます。
なぜなら《超融合》《三戦の才》《灼熱の火霊使いヒータ》などミラー戦で意識しなければいけないカードはかなり多く、しかも負けに直結するからです。
脳のスペックに自身がある人はかなりオススメしますが、自信が無い人はもしかしたら他のデッキを使った方が良いかもしれません。
【R-ACE】に勝てる他のデッキがあるかは知りませんけど、ね。
おわりに
今回も長文にお付き合いいただきありがとうございます。
まったくそんなつもりは無かったのに、気付けばとんでもない文字数になってしまいました。これだけ一つのnoteに書き込んだのはティアラメンツ以来です。
何度か言っていますが、強いとわかりきっているデッキがあるのに使わないのはもったいないです。
OCGだと《篝火》が高すぎる~とかあるかもしれませんがMDなら生成するだけです。しかも篝火は【R-ACE】以外にもいろんなデッキで使えますからね。
なのでもしも完全体の【R-ACE】が使えた場合、一度は使ってみることをおすすめします。
【スプライト】【ティアラメンツ】以降なかなか一強と感じる環境はありませんでしたが、【罪宝R-ACE】はそこそこに一強感がありました。
MDに実装されるのが楽しみです。それでは今回はこのへんで。