【解説】なにが悪い【ティアラメンツ】
はじめに
こんティアラ やまきゃです。好きな遊戯王のOPは魂ドライブです。
色々ありまして過去の記事が100いいね越えました。皆様ありがとうございます。これからも頑張っていきます。
前回の”スプライト実はヤバくない説”は思いの外好評をいただきました。嬉しい限りです。
とはいえ、スプライトを語っておいてこちらを語らないのはちょっとナンセンスですよね。
2022年遊戯王の代名詞であり、スプライトと同時収録され、スプライト環境を1ヶ月で塗り替え、僕がこれ以外使えなくなった最強テーマ、【ティアラメンツ】。
今回は彼女らを解説していこうと思います。要は前回と同じテーマ紹介です。
え?前に見た?
……確かに、”ティアラメンツって結局なんだったの?”で彼女らについてはちょっとだけ解説したのですが……後からあのnoteを自分で読みまして、ティアラメンツがやばそうなのは分かったけどマスターデュエルに実装されてもどう使えば良いかわかりません!となるのではないかと思いました。もう少しちゃんと書くべきだったと反省しております。
はい、つまり今回は僕の過去の清算です。
まえおき
先に言っておきますが、【ティアラメンツ】は2022年までの遊戯王史上最強のテーマです。
これは誇張表現ではなく、このテーマだけが持つ特異性と、カードパワー、拡張性その他諸々が他のテーマと比較し圧倒的に上だと言うことです。事実2023年2月現在でも、ティアラメンツは多大なる規制を受けた上でビーステッドや超重武者等のテーマと環境でしのぎを削っています。一強とはいきませんが。
あ、テーマ単位での話なのでアザトートガンドラワンキルとかと比較しないでくださいね。
そんな【ティアラメンツ】の強さの理由をこのnoteで明らかにしていきます。
ところで、マスターデュエルに実装されるときにどんな規制がされるのかもまったく分からないので、このnoteはティアラメンツ全カードが無規制で、全て同時に実装される前提で書かせていただきますこと、ご了承ください。
それと、ビーステッドだのクシャトリラだのテーマ外のカードの話を時々するのですが、一応過去のnoteで全部解説してるはず…なのでお手数ですがサラっと流し読みしていただけると助かります。もう知っとるよって人は大丈夫です。
【ティアラメンツ】の特徴、ギミック
何を解説するにしろまずはティアラメンツの各カードについて知らないといけません。テストに出ますからね。
しかし性質上【スプライト】と違って、各カードについて語れることがあまりにも多いです。長文になってしまいますがご容赦ください。
基本ギミックとカードの特徴
ティアラメンツモンスターの特徴は、効果で墓地に送られると融合できる、という点です。より正確に言うと、墓地に送られたティアラメンツを含む融合素材を手札、フィールド、墓地からデッキに戻して、エクストラデッキから融合召喚します。つまりこれは正規召喚です。蘇生制限もつきません。
この時点で他のテーマとは一線を画しています。効果を使用したモンスターがデッキに戻るということは、際限なくそれらのモンスターが使えるからです。
テーマ魔法、罠カードも、通常の効果に加えて、効果で墓地に送られることでアドバンテージを獲得する効果が付いています。
またテーマ融合モンスターも全て効果で墓地に送られると発動する効果があります。
そして、全ての効果に”その後~”等の一切の制約がつきません。
全てのカードに”~を捨てて発動出来る”等のコストは存在しません。
融合モンスター
全人類が一度は経験すべきカード、ティアラメンツ・キトカロス
ティアラメンツの根幹であり、全てをつなぐ者です。
レベル5のため簡易融合で出せ、破壊デメリットも③の効果に繋がるので好相性です。融合条件も簡単で、ティアラ2枚で出せます。
ドラゴスタペリアやルルカロスなど、このカード+ティアラで出せるカードが豊富であり、融合素材にすればEXデッキに戻るため、永遠に融合召喚できます。
①で全てのテーマカードにアクセスできます。ティアラモンスターおよび魔法罠は全てこのカードの融合に繋がるので実質相互サーチです。
そしてサーチではなく墓地送りも選べるため、相手ターンに出せたなら下級ティアラを墓地に送り、このカードとドラゴスタペリア等を出すことができます。手札次第ではレイノハートを落とすことも検討できます。
ちなみに特殊召喚で起動なのでダルクで蘇生しても起動します。
②で展開補助。墓地に送るモンスターはなんでも良いです。
メイルゥを出してリンクのスプライトに繋げても良し。レイノハートからランク4しても良し。なんなら相手に戦闘などで処理された融合体も蘇生できます。同名蘇生もできます。
③で5枚墓地肥し。②で墓地に送っても良いし他のカードでもいいです。相手に除去された場合でも発動します。
ティアラカードが落ちれば、その枚数だけアドバンテージをとれると言っても過言ではありません。これから解説していきますが、このデッキにおける5枚落しは最早大量サーチと同義です。
ちなみに、ペルレイノで打点が上がっているこのカードをコストに闇のデッキ破壊ウイルスが打てます。
キトカロスから着地する最強妨害カード、ティアラメンツ・ルルカロス
キトカロス+ティアラメンツで作れるモンスター。
融合モンスターが素材指定されているため一見重そうに見えますが、キトカロスが立てば着地確定したようなものです。
①の効果はオマケに見えて強力です。相手ターンに着地したハゥフニス等を守ることができます。ほぼありえない状況ですが、2体並べるとお互いに戦闘耐性がつきます。
②の効果が本当に強いです。モンスターを特殊召喚する効果を含む効果とはつまり、ミラーにおけるティアラメンツの共通効果や、天敵であるビーステッドの効果、斬機サーキュラー、烙印融合やヒーローアライブ、スプライトスターター等の魔法カード、鉄獣の抗戦などの強力な罠カード、これら全て止められます。そして当然、ニビルも無効破壊できます。
破壊した場合、自分のティアラメンツカードを手札かフィールドから墓地を送らなければなりませんが、ティアラメンツカードは全て墓地へ送られた時に効果を発揮するので問題ありません。自身を墓地送りしても一回までなら蘇生しますし、水属性なのでビーステッドも受けません。
フライングしましたが、③は自己蘇生効果です。一回までならサンダーボルト等を受けても復活しますし、冥王結界波等の無効を食らっても墓地に送れば蘇生して効果が使えるようになります。
リソースと妨害、捲りが一体化したティアラメンツ・カレイドハート
レイノハート+水族二体で出せる融合体。融合素材に出来ないのはデメリットに思えますが超融合を受けないメリットもあります。
①効果で着地時と水族の墓地送りに反応し対象をとるデッキバウンスができます。おかげでカレイドハート一体いればセンサー御前割拠ネクロバレーぜんぶ処理できます。
②の効果も超優秀で、ルルカロスよろしく擬似的な破壊耐性、さらにこちらはデッキからティアラカードを落とせるおまけ付きです。先行展開でわざと墓地送りして他のカードにアクセスすることもできます。
一応ティアラ唯一の悪魔族であることに注意しましょう。
効果モンスター
まずはティアラメンツが誇る最強完全一枚初動、ティアラメンツ・レイノハート
①の効果で場に出るとデッキからティアラメンツモンスターを落とすことができます。つまりこれ一枚で融合召喚が確定で可能です。
②の効果も優秀で、墓地に送られると蘇生して手札のティアラメンツカードを効果で落とせます。手札でダブついたりしたティアラメンツカードを落として効果を発揮させられますし、相手ターンに墓地に行けばこの効果で蘇生し、そのまま①効果で融合に繋がります。
カレイドハートの融合素材に指定されているので、メインのティアラメンツモンスターの中でもかなり重要です。
また、このおかげで縛りはつくものの融合派兵で持ってくることが出来ます。
次にティアラメンツが誇る最強貫通札、ティアラメンツ・シェイレーン
①効果で手札から要らないモンスターや墓地に送りたいモンスターを落としながら特殊召喚し、更にデッキから3枚落とせます。
落ちた中にティアラメンツモンスターがあれば当然融合できますし、魔法罠が落ちればアドバンテージの獲得に繋がります。何回も後述するのですが、ティアラメンツはこのように3枚落しがデフォルトで多くのカードに付いています。
マクロコスモスや裂け目があるときにはデッキから3枚落とす処理が入らないことは覚えておきましょう。
②は共通効果なので特にいうことはありませんね。
そして重要なのがSSできるレベル4であるという点。つまりレイノハートとランク4が形成できます。深淵に潜む者、クロノダイバー・リダン、バグースカなどなんにでもなれます。
スタッツも優秀な1800打点です。後述するフィールド魔法で500アップするほか、永続魔法に相手モンスターの打点500ダウンもあるので、実質2800打点にもなります。
ティアラメンツを使う理由のひとつであり、遊戯王史上最強の手札誘発、ティアラメンツ・ハゥフニス
①効果で相手モンスターの効果起動にチェーンする形で着地しながらデッキから3枚落とせます。つまりテーマ内手札誘発です。
マルチフェイカーやラビュリンス家具と違って、他のカードと併せ持つ必要が無く、一枚で完結しています。また、さらっと1600打点です。
よくティアラメンツは空中戦をしていると揶揄されるのはコイツのことです。
このカードが強い理由は主に3つあります。
第一に、このカードから無限の可能性がある点。
落ちるカード3枚は相手も自分も分かりません。もしかしたらシャドールモンスターとティアラメンツモンスターが落ちるかも知れません。その場合出てくるのは皆さんご存じのエルシャドール・ミドラーシュです。
影衣の偽典で相手ターンに出てくるミドラーシュの強さを皆さんは分かっているはずです。
また、最低でもティアラメンツモンスターが一体落ちればキトカロスを融合召喚できるので、特殊召喚無効のルルカロスや、ドラゴスタペリアを出すことができます。もちろんレイノハートが絡めばカレイドハートも出ます。
そして当然のことながら、イシズギミック……アギドやケルベクが落ちれば更に墓地肥しができます。ムドラケルドウが落ちれば墓穴回避も展開阻止もできます。
このカード1枚あれば、ランダムとはいえ相手ターンに展開が可能です。このカードを引いている時の後攻は実質先行です。
第二に、これを止める手段に乏しい点。
着地してから落とすわけではないので無効系が効かないほか、墓地に捨てて発動ではないので墓穴も効かず、無効破壊を打たれようものなら②の共通効果が起動します。
一応灰流うららでなら止められます。確かにそうですが、相手のハゥフニスは手札に残ったままですから枚数的にはこちらが1枚ぶん損ですし、その後に投げられる増殖するGをうららで止められなくなります。
かといってうららを投げなければ、最悪1~3体の融合モンスターに妨害されることになります。自分のターンじゃないのにね。
また、ハゥフニスにGを投げたとしても、ティアラ側がそのタイミングでGを投げるとどうなるでしょうか?もし墓穴や抹殺で無効にしようものならお互いのGが無効になりますね。つまり結局完璧には止められないんです。
第三に、このカードは何度でもサーチし使える点。
共通効果で融合素材にしたモンスターはデッキに戻るので、再びこのカードをサーチして構えることが可能です。そして墓地送りで融合召喚してキトカロスを出せばまたキトカロスでこのカードをサーチもできます。永久手札誘発です。
手札誘発というのは、灰流うららしかり、無限泡影しかり、基本的に打ったらそれきりで続かないです。その一方でティアラメンツ・ハゥフニスはうまく落ちればリソースを作った上で、妨害を構えつつ、再びこのカードにアクセスできるわけです。
故に遊戯王史上最強の手札誘発なのです。
一見地味だが使えば分かる最強初動、ティアラメンツ・メイルゥ
①の効果はドラゴンメイド・ラドリーと同じです。なのですが、このデッキの3枚落しはドラゴンメイドのそれとは全くパワーが違います。
何が落ちるか分からないが、落ちたときに取り返しの付かない可能性のあるバクダンです。これはハゥフニスと一緒の理由ですね。
基本的にレイノハート初動でキトカロスを出したときには、キトカロスの②効果で出すのはこのモンスターが多いです。
何よりも大切なのがレベル2だと言う点。このカードを絡めればスプライト・スプリンドからこのカードを落として②で融合に繋がりますし、スプライト・エルフを作って盤面強化もできます。エルフでこのカードを蘇生すれば相手ターンに墓地肥しもでき、さらなる融合につながります。
ティアラメンツでレベル2であるメイルゥを盤面供給する手段は、基本的には通常召喚かキトカロスの②効果しかありません。故にこのカードも重要なのです。
なぜ生まれてしまったのか、ティアラメンツ・クシャトリラ
ティアラメンツとクシャトリラ両テーマの架け橋であり、どちらのテーマからでもアクセスできる手札誘発です。面倒なので以下ティアクシャと呼びます。
誘発としてハゥフニスと違う点は、以下の通りです。
・起動タイミングが相手依存でないが、メインフェイズにしか打てない。
・手札か墓地から特定のカードを除外する必要がある。
・盤面着地後に墓地肥し効果がある。なぜか相手のデッキも削れる。
これは一長一短であり、どちらが良いという話では無く、どちらもあるのが強いところです。ハゥフニスやこのカードの効果で哀唱が落ちればもう片方をサーチできるので相手ターンに墓地を肥やす手段が単純に一回増えます。
レベル7なのでランク7にもなれるし、3チューナーとバロネスにもなれます。打点も十分にあります。
また、フリーチェーン故に、ティアラメンツモンスターに対する墓穴をこのモンスターで避けることができます。融合は出来ませんが、墓穴を受けて2ターンの間無効にされるよりマシです。
注意するべきなのは、他のティアラメンツと違いサイキック族である点と水属性である点です。そのため御前試合やセンサー万別、群雄割拠に気をつける必要があります。とはいえこのステータスのおかげでこういった永続罠下でも詰まずにライフを取りに行けることもあります。
魔法、罠カード
魔法カードは基本的にキトカロスの効果でしかサーチが不可能ですが、どれも発動できれば強力です。
罠カードはキトカロスのほか、魔法カードの墓地効果でもアクセスできます。
当然のことながら、おろかな副葬で落とせば効果発動します。
気づきにくいのですが、永続罠と永続魔法は”それぞれ1ターンに1度”であり、それ以外は”1ターンに1度、いずれか1つ”です。まあ実際のデュエルで気になるほどのことはありません。
ティアラ魔法カードの中で最も使われる最強永続、壱世壊を劈く弦声
①は面にティアラメンツモンスターがいるだけでモンスターの着地に反応し、墓地肥しができ更に500ダウンもつきます。
この500ダウンがとても強いです。スプライト・エルフが実質1900打点になり、下級で越えられず、クシャトリラ・フェンリルやルルカロスも突破しづらくなります。また、このカードが処理後に盤面を離れようが、この効果はターン中続きます。
②の効果で、効果によって墓地に落ちると罠カードをサーチできます。ペルレイノ下でカレイドハートを融合し、ペルレイノで自分のカレイドを破壊して蘇生効果を使い、このカードを落とす動きはよくやります。
できれば初手に欲しいカードです。手札でダブってもレイノハートで落とせば罠をサーチし1妨害追加できるので気兼ねなく複数積みしましょう。このカードが存在するせいでキトカロスに無効を打っても罠を持ってきてしまうことが多く、誘発貫通率の高さの要因にもなっています。
永続置物を処理できる優秀な速攻魔法、壱世壊を揺るがす鼓動
①で魔法罠をデッキバウンスできる速攻魔法です。神碑の泉だろうがアンデットワールドだろうが戻せます。天獄の王も関係ないです。手札を墓地へ送るのは一見デメリットですが、このデッキにおいてはそうでは無いことをそろそろ皆さんも分かってきたかと思います。
このカードは②効果で墓地に送られると墓地の罠カードを回収できます。1枚だけ落ちてもアドバンテージをとれるわけではないですが、馬鹿に出来ません。この効果のおかげで1妨害増えることもぜんぜんあります。
なぜかこのカード、①と②の効果がいずれか1つです。
あまり使われない通常魔法、壱世壊に渦巻く反響
現状あまり使わないカード。理由は至極単純で、このカードを使わなくても十分展開出来るからです。大霊峰相剣門みたいなもんです。
とはいえこのカード、墓地に落ちたティアラメンツを蘇生できる貴重なカードで、例えば融合体のカレイドハートを蘇生しそのまま墓地へ送れば効果発動できたりします。もしかしたらいつか使う日が来るかも知れません。
②で墓地に送られた時には除外された罠を回収できますが……現状能動的に罠を除外する方法はティアクシャぐらいです。この効果の不安定さも採用されない所以ですね。
不思議なことにこのカードも、①と②の効果がいずれか1つです。
宇宙最強のフィールド魔法、壱世壊=ペルレイノ
①は発動時にティアラモンスターをサーチできます。議論不要で強いですね。
②の効果はティアラメンツモンスターおよび融合モンスターの打点が500上昇します。
サラっといいましたが、シェイレーンが2300打点になるのはもちろん、ミドラーシュが2700打点になりますし、スタペリアは3200打点になります。ティアラメンツは横展開が非常に得意なので、このフィールドを貼るだけで簡単に合計打点が上昇します。
③の効果は想像以上に凶悪です。共通効果を相手ターンに使えば妨害、自分ターンに使えば捲りになるのはもちろんのこと、自分のムドラケルドウで戻したり、相手にデッキバウンスされても起動します。
モンスターだけでなく魔法罠も触れるため、センサーや御前試合も処理できます。
とはいえこのカード、”ティアラメンツ”と名前にないのでキトカロス等でサーチが効かないところが玉に瑕です。
ペルレイノ規制してごめんなさいカード、嫋々たる漣歌姫の壱世壊
ペルレイノに比べると見劣りしますが、このカードにしか出来ないこともあります。ティアラが落ちたタイミングで沼地を墓地に送れるので、直接ルルカロスまでいけるほか、豪雨の結界像を墓地に送ってクロシープで蘇生なんて芸もできます。
横にルルカロスを置いておけば戦闘でも破壊されません。
ペルレイノと違って、”ティアラメンツ”カードなのでキトカロスでサーチできます。
最強の永続罠、壱世壊に奏でる哀唱
ティアラメンツを使う理由その2。
①効果でティアラメンツさえ盤面にあればフリーチェーン無効になります。この無効は永続です。また、自分のモンスターを墓地へ送らなければなりませんが当然ティアラモンスターなら効果が起動します。キトカロスを墓地に送れば5枚墓地肥しができ、カレイドハートを墓地に送り、水族ティアラを落とせば一枚デッキバウンス&ティアラの墓地効果です。魔法罠を落とすこともできます。
永続罠なのでターンが帰ってくれば捲りに使えます。深淵を立てられても無効に出来るし、ダークロウなどもこれで止められます。
②効果で墓地にいけば好きなティアラメンツモンスターをサーチできます。
盤面にあるこのカードの無効効果を嫌ってサイクロン等で破壊されようものならハゥフニスやティアクシャをサーチできます。アーゼウスで流されてもサーチします。
展開途中に山から落ちれば単純に手数が増えます。
このカード自体キトカロスで持ってこれる他、弦声が落ちればサーチできる、複数デッキに積んでもレイノで捨てれば問題なしということで、ほぼ確実に先行でセットでき、永続リソースとして残ります。
ティアラメンツ登場からずっとこのカード規制される!って言ってるのに未だに規制されません。しないでください。
最強の万能無効、壱世壊に澄み渡る残響
ティアラメンツ製の竜星の九支です。
ひとつ違うのがフィールドではなく手札を捨てなければならない点。また、鼓動と違いモンスターしか捨てられません。
とはいえキトカロスや弦声から簡単に持ってこれることを考えるとめちゃくちゃに強いカードです。こういう万能無効があるテーマはそれだけで対応力が高くなるので評価が高くなりますね。
②の効果は除外されているティアラメンツモンスターの回収。使いにくいのですが、テーマ内において浮幽さくらにキトカロスを飛ばされたときの唯一のリカバリー手段です。
どういう訳かこのカード、①と②の効果がいずれか1つです。
おろかな埋葬付きの月の書、壱世壊に軋む爪音
①の効果は相手のモンスター限定の月の書+ティアラメンツ限定のおろかな埋葬です。よって灰流うららが打てます。
一見強力に見えますが、モンスターを裏守備にすることが有効な相手以外だと妨害としては少し質が落ちてしまいます。具体的にはスプライト、クシャトリラ等のデッキに刺さるものの、ミラーやふわんだりぃず相手は微妙です。
とはいえこれ自体が妨害でありながらリソースに繋がりますので、強いカードには間違いないです。
②の効果は墓地のティアラメンツモンスター回収。わりと使う機会は多いです。特に自分のターンに展開のためにティアクシャを使った場合、相手ターンに打つ用のティアクシャを回収できると動きとして強くなります。
謎にこのカード、①と②の効果がいずれか1つです。
以上で、ティアラメンツのカード紹介は全てとなります。本当にこれでテーマカード全部です。ヴィサス・スタフロスト?誰?
基礎展開
このデッキ、その時々の落ち次第で盤面の構築の仕方が変わるのでめちゃくちゃ説明が難しいです。スプライトのようにこの手札ならこれがサーチできてこう展開できるよねとはいかないのですね。
なので、先に目指すべき着地点を出しておきます。
はい。ここがまずは目指すべき盤面です。
パッと見の妨害数はサリークとルルカロスの2枚なのですが……相手のモンスター着地に弦声が反応し、500ダウンと墓地送り、そのなかにティアラメンツがあればキトカロスやカレイドハートが着地して妨害とリソース確保ができます。
仮にフィールドが全て更地にされたり、全て無効にされたとしても、手札のハゥフニスやティアクシャの効果で墓地肥やしを行い、ティアラがヒットすれば融合ができ、妨害数を新たに増やすことができます。
作り方として、とりあえずレイノハート一枚から作ってみましょう。
・レイノハート召喚時の効果で、デッキから適当なティアラを落とせばとりあえずレイノハートと融合してキトカロスになります。
・キトカロスの効果でなんでもサーチできるので、足りないものをサーチしましょう。とりあえず今回はメイルゥにしておきます。
・キトカロスの効果で自身を対象にとり、メイルゥをSSしてキトカロスを墓地に送ります。
・キトカロスの③効果チェーン1、メイルゥ①効果チェーン2で組み、デッキから8枚落とします。
8枚も落とせばだいたいティアラネームが落ちます。
弦声が落ちれば罠を持ってこれますし、哀唱が落ちればモンスターをサーチできます。
ティアラモンスターが落ちたならキトカロスと融合してルルカロスを出せます。このとき融合効果を最後にチェーンすることで哀唱や弦声に対するうららは回避できます。
このルルカロスは、レイノハート、キトカロス、メイルゥの後に出てくるので4回目の特殊召喚です。ニビルケアです。
これはレイノハート一枚からの最低限の展開ですが、もし弦声をいっしょに素引きしていれば8枚落しが11枚落しにできますし、メイルゥを引いていたら逆に弦声をキトカロスで持ってこれます。全部あるならシェイレーンやティアクシャを持ってきて誘発貫通の準備をしても良いです。罠を持ってきて最低限の妨害とするのも良しです。好きなことをできます。
まずはキトカロスを作ること。手札次第でキトカロスで持ってくるカードを選ぶこと。キトカロスを墓地に送って大量の墓地肥やしを行うこと。これがこのデッキの基礎展開です。
ちなみに、上の画像は最低値の話です。欲張るならこれくらいは作りたいです。フェンリルのところはバロネスでもランク4でもなんでも良いのですが。
この場合、妨害数はフェンリル、ルルカロス、サリーク、クライムの4回に加えて、ペルレイノの破壊、カレイドハートのバウンスで2回、ティアラメンツの共通効果で妨害融合モンスター(スタペリアなど)を供給できることを考えれば、更に最大で+3回の妨害数になります。
まああくまでも最大値の話です。
【ティアラメンツ】の何が強いのか
妨害が散らせるという利点
当たり前なんですが、モンスターだけで妨害するよりもモンスターと魔法罠の両方で妨害するほうが相手からは突破しにくいです。
モンスターだけなら冥王結界波なり怪獣やラヴァゴで突破されますし、魔法罠だけならハーピィやライスト、レッドリブートで突破されます。
モンスターと魔法罠両方あっても最悪の場合拮抗勝負などで捲られます。
それに対し、上の基礎展開で示したティアラメンツの最終盤面は、このような特定のカード1枚で積む状況を回避しています。
モンスターが処理されても手札誘発のティアラメンツで再び供給して魔法罠を起動でき、魔法罠が処理されてもモンスターの妨害が残っています。
盤面を破壊されても、難なく、即座に再構築できます。
これがティアラメンツが他のテーマより圧倒的に有利な点のひとつです。
手札誘発、モンスター、魔法罠の3箇所に妨害を散らすことで敗北リスクを分散しています。
前回紹介した【スプライト】はモンスターに多量の妨害を用意しつつ後ろにはスマッシャーを構えられましたが、それと比較しても散らし方が優秀です。
相手ターンに展開できるという特異性
先ほど基礎展開がキトカロスを作ることである、と説明しました。
ならば相手ターンにキトカロスを作れるならそれはもうティアラメンツの展開です。
キトカロスを作れたならルルカロスやスタぺリアが立ちます。なぜなら①効果でティアラメンツをサーチせず落とせるからです。この辺はハゥフニスの所でも書きましたね。
ふわんだりぃずと夢の街によって、こっちのターンなのに展開してくるふわんだりぃずを見たことがありますか?要はアレです。
このテーマ、相手のターンに融合までいけるカードが実に豊富です。二種のテーマ内誘発に加え、弦声の誘発効果、各種罠カードも全て墓地へ送る効果がついています。
相手ターンに展開できるということはつまり、他のテーマよりも動けるターンが実質2倍あるということです。実質的なエクストラターンです。
さらに言えば、相手ターンに融合するということは、相手のデッキが何か分かってから融合先のモンスターを選べるというメリットもあります。
キトカロスというパワーカード
一旦再確認しましょう。
キトカロスを融合すれば、哀唱などの罠が持ってこれます。5枚落としで更にアドバンテージもとれます。
哀唱でティアラメンツを墓地送りをすれば、またキトカロスが融合できます。そのキトカロスでレイノハートなどを持ってくれば、更に展開が広がります。
このように、キトカロスを成立させるだけでキトカロスからデッキの全てのテーマカードにアクセスでき、枚数を増やしながら妨害モンスターを立て、ペルレイノやカレイドハートの処理で相手とのアドバンテージ差を付けることができます。
各種テーマカードは全て墓地送り効果があるので、再びキトカロスの融合に繋がります。
しかも、デッキに素材を戻せるので無限にこのサイクルが続くのです。理想的なSDGsです。
【相剣】にも万能サーチの相剣大師-赤霄がいますが、キトカロスはエクストラデッキに戻るため何度でも出せる上、出せる手段と機会があちらよりも圧倒的に多く、簡単です。なんなら妨害カードの罠から出せますからね。
このキトカロスというカードによって、【ティアラメンツ】は単純なテーマとしてのパワーが他のテーマとは圧倒的な差を作っています。
超強力な誘発耐性
仮に初動のレイノハートに無効誘発を打つとしましょう。
残りの初手四枚を想定してみます。
もし仮に哀唱や爪音などの罠があるとしたらそれを伏せれば一妨害、さらに罠の墓地送り効果でティアラの共通効果が起動してキトカロス融合、ハゥフニスなりティアクシャなり持ってこれます。ティアラモンスターをサーチせず落としてルルカロスやスタペリアにしても良いです。
弦声を持っているのなら、そもそも先貼りしてレイノを通常召喚し、それに誘発して3枚落しがあるので落ち次第で貫通します。なにも落ちなくとも、相手ターンにモンスターの着地に反応してもう一度3枚落としがあります。
シェイレーンやティアクシャなどのSSできてかつ落としができるモンスターを握っていれば問題なく貫通します。
シェイレーンならレイノハートとランク4ができちゃいますし、クロノダイバー・リダンを作ればそのまま融合できます。リダンはコストではなく効果で素材を取り除けるからです。
初動がレイノハートではなくメイルゥなら、レベル2を含んでいるのでスプライト・スプリンドになれます。メイルゥをデッキから落としてキトカロスです。
最悪の場合簡易融合やおろかな埋葬を持ってたら結局全部無意味です。
仮にこれらを全部引いてなかったとしたなら、残っているのはもう全てうららやGなどの手札誘発や、墓穴などの汎用カードです。【ティアラメンツ】はそういう構築が可能なデッキです。
なぜなら、墓地へ落としたいティアラメンツカードは、全てが墓地へ落とす効果も持っているからです。
というわけで、ティアラメンツは初動に誘発を打っても裏目がとても多いです。
刺さらないことはないですが貫通率が高く、もしもキトカロスを着地されてしまうと大量のアドバンテージ差を付けられます。
ならばスプライトのギガンよろしく、キトカロスに無効を打とう!となりますね。実際正解です。
ならばレイノハートではなくキトカロスの①効果に無効誘発を打ち込んだとして、さっきと同じコトを考えましょう。
罠があれば妨害+融合、モンスターがあれば落としで融合とサーチ、貫通札以外は手札誘発…。
さっきとまるで変わりません。
なぜならティアラ側は一切枚数が変わってないからです。
なんならキトカロスの方が哀唱で落とすと五枚落とし出来るぶんなおタチが悪いです。
つまり何が言いたいかというと…
ティアラメンツは無理して誘発を貫通するまでもないのです。
例えば【スプライト】はギガンティックに対する誘発を貫通しないと妨害を立てることすらできない場合があり、できたとしてもリソース面で不安が残ります。エルフの蘇生はあれど、スマッシャーズから次に続きませんからね。
【烙印デスピア】に至っては烙印融合に対するうららを受ければとたんに妨害とリソースが不安になります。
一方で【ティアラメンツ】は誘発を受けても素引きした罠カードで最低限の妨害をしつつ、罠カードの墓地送り効果やハゥフニス、ティアクシャで相手ターンに展開ができるのです。
もちろん貫通した方が妨害は増えます。でも手札誘発を相手に切らせている時点で、ティアラ側がカード一枚分有利です。別に貫通しようがしまいがティアラメンツ側の得です。
ビーステッドが比較的有効なのは、他の誘発と違ってティアラメンツの展開を妨害した上で盤面に着地し、手数の枚数を減らしていないからです。
増殖するGなら…!と思うかも知れませんが、相手ターンに展開できるので止まっても全く問題ないです。
さらに言えば、他のテーマに比べて妨害モンスターであるルルカロスを立てるまでに特殊召喚する回数も極めて少ないです。
ティアラメンツに対して誘発を打っても、その場しのぎにしかならないのです。
圧倒的な拡張性
最強時代のティアラメンツの構築はおおむねこんな感じです。
こんな綺麗な構築はそうはありません。これ、一見誘発9枚ですがハゥフニスとティアクシャをカウントすると誘発14枚です。テーマ内に手札誘発があるとこんなデッキ構築が出来るようになります。
他のテーマと違い、妨害罠である哀唱が他の役割を持つため最大数積んでも問題ないです。
そして見ての通り、引きたくないカードなんて一切ありません。
スプライトの時と違って全部です。パライゾスとフェンリルの被り引きも、ティアクシャがお互いのターンに使えることを考えればムダにはなりません。気になるなら三戦の才なり他の汎用カードに変えればいいです。
モンスターの被り引きはシェイレーンで落とせ、被った魔法罠はレイノハートで落として他のカードに変換できます。
この構築で適当にドローしてみます。
これなら、増殖するG+無効誘発2枚くらいなら受けても妨害とリソースを残せます。
キトカロスさえ融合できれば全てのカードにアクセスできるので、落とせるカードは全て初動です。手札事故はまずありません。
上振れたらこうなります。もうなんの誘発でも妨害が残ります。
この構築は一番相性がいいのでクシャトリラを混ぜていますが、環境次第で好きなテーマ、好きなカードを入れて構いません。
スキルドレインを入れても激流葬を入れても構いません。手札誘発を増やしても構いません。事故回避のために壺を入れてもいいです。
イシズを入れてもいいです。ビーステッドも烙印も好きに入れていいです。入れようと思えば勇者もスプライトも入ります。
ティアラメンツ側に一切の制約がないため、キトカロスさえ成立するならティアラメンツは何をしようと、なにと組もうと問題なく動きます。そのためティアラメンツをサポートするカードをムリに入れずとも良いのです。
強いといわれているカードを貪欲に、柔軟に取り入れることが可能なこともティアラメンツの強みです。
【ティアラメンツ】にできないこと
そんなにないので、箇条書きでサラっと流します。
ドローする効果がない。テーマ外のカードは初手に引いてないなら基本的には後から引いたりできない。
ふわんだりぃず・えんぺんのようなルール介入制圧モンスターはない。
ハゥフニスとティアクシャを打つと無限泡影、ライトニングストーム、拮抗勝負などのカードが打てなくなって噛み合いが悪い。
対象をとらない除去がない。
ライフを回復したり、バーンしたりはない。
金謙以外の各種壺と相性が悪く、おいそれとは積めない。
【ティアラメンツ】の対策
”妨害が散らせる利点”で説明したように、ラヴァゴーレムやハーピィの羽根箒で盤面を捲るというのは、ティアラメンツに対しては他のテーマほど効果的ではありません。効かない訳ではないですが、これを打てば勝てる!とも言えません。重ね引きできるなら話は変わりますが、それができるなら相手がティアラメンツだろうがなんだろうが勝ってます。
もっと簡単に勝つ方法は、ティアラメンツのコンセプトを破壊することです。
墓地メタ
もう見れば一発で分かるのですが、墓地メタがとことん刺さります。
・深淵に潜む者、ネクロバレー等でそもそも墓地で効果を発動させない。
・次元の裂け目、ディメンションアトラクター、ダークロウ、アライズハートで墓地にいけず除外させる。
・D.D.クロウやビーステッドで墓地からピンポイントで除外…など。
このような墓地利用を否定するカードを当てることで、【ティアラメンツ】のメインギミックは回らなくなります。
浮幽さくら
シャイニング・ビクトリーズ(2016/01/09)収録。
当時彼岸環境で登場したこのカードは彼岸の旅人ダンテを全部引っこ抜けることで注目を集めましたが、結局使われず初動2000円くらいから一気に下落した覚えがあります。代わりにクリスタルウィングが2000円くらいしてた。
肝心のティアラメンツに対してはかなり有効に刺さります。
キトカロスを引っこ抜けば、ルルカロスは出ないし融合でアドバンテージをとることが出来なくなります。
同じ理由で、ディアブロシスやクシャトリラ・ユニコーンも刺さります。
メタに対する対応力
とはいうものの、じゃあ裂け目を貼ったら勝ち!とはいきません。
なんせ【ティアラメンツ】は素で打点が高い上にペルレイノと弦声で実質1000パンプされるようなものですので、舐めた盤面なら普通に殴って突破しに来ます。
キトカロスが出せなくても哀唱を素引きしているなら妨害もできます。
しかも哀唱の墓地送りは”その後”なので裂け目があっても問題なく使えます。
なので裂け目を貼った上でちゃんと展開して蓋をしないと殴り倒されます。そこまでやったとしても、それも鼓動素引きで貫通されます。
深淵に潜む者もいっしょです。それ単騎で返しても殴り倒されますし、出来なくても哀唱素引きで深淵を無効にしてそのままこっちのターンに展開してきます。
D.D.クロウやビーステッドも、一回や二回ティアラメンツの融合を止めるだけでは焼け石に水です。キトカロスを墓地から除外すればルルカロスなどの妨害融合モンスターは立ちませんが、もう一回、こんどはこっちのターンに融合してくるだけです。次元障壁も同じことです。
キトカロスを浮幽さくらで抜いたとしても、結局カレイドハートは出せますし、エクシーズモンスターからのアーゼウスや汎用リンクモンスターで普通に妨害も展開もしてきます。前述の通り残響の②効果でも除外されたキトカロスを回収できます。
キトカロスを引っこ抜いただけでは、やはり完全には止められません。
ニュータイプ風に言うとたかがメインカメラをやられただけです。
これらのメタを貼った上で、ちゃんと高水準の盤面を作って、初めてティアラメンツに対抗できるようになります。
つまるところ、ティアラメンツを1枚で詰ませるカードは存在しません。
ティアラメンツをメタカードで封殺した上で、自分のデッキの強みを押し付ける動きができなければ勝てません。
ティアラメンツが最強という証明
ざっくり箇条書きにしてまとめましょう。
テーマギミックが無限リソース。
一切の制約がない。
テーマカード全てが優秀で、一枚が複数の役割を持つ。
破壊や墓地送りに耐性がある。
一枚で詰まない強固な先行展開。
相手のターンにも展開可能という異常性。
キトカロスの万能サーチによる対応力。
誘発も手札次第で貫通、あるいは意味なし。
環境に合わせたカードを入れられる十分なデッキスロット。
墓地メタに弱いが、素のカードパワーが高すぎてメタで詰まない。
概ねこんなものでしょうか。あなたの好きなテーマと比べてみてください。
「【ティアラメンツ】は2022年までの遊戯王史上最強のテーマ」というのが分かってもらえるでしょうか?
よく【征竜】や【十二獣】と比較されますが、それらのテーマは上の項目を全て埋めるには至りません。そもそも一個目の無限リソースで躓きます。
正直、ティアラメンツは全部禁止しろ!と言う人の気持ちも少し分かります。どれか一つをつぶせば良いという強さではありません。他のテーマに比べてあまりにも多くを与えられすぎかつムダがなさすぎです。
【神碑】や【ふわんだりぃず】はメジャーなメタをすり抜けることで環境での強い立ち位置を得ており、そのせいでヘイトを稼いでいました。
このデッキはメジャーなメタを真正面から受け止めた上で、それを真っ向から叩きつぶせるテーマパワーで環境に存在しています。
ティアラメンツがヘイトを稼いでいるのなら、それは単純に強すぎるからヘイトを稼いでいるのです。
【イシズティアラメンツ】と【クシャトリラティアラメンツ】
迷ったのですが、一応これら二つのデッキについて軽く紹介します。詳しく知りたい人は当時の人のnoteや大会結果を調べて見てください。
【イシズティアラメンツ】とは
【ティアラメンツ】が墓地に送られると効果を発揮するため、墓地肥しが得意なテーマである【現世と冥界の逆転】(通称イシズ)と組み合わせた遊戯王史上最低最悪のデッキです。
特徴はその爆発力と異常性。朱光の宣告者とイシズを併せ持つことで実質的なPSYフレームギアγを三枚積むことができ、朱光といっしょに捨てられたイシズ側が効果を発動できます。ケルベクアギドなら5枚落しでティアラメンツの起動。ムドラケルドウなら墓地メタとGへの墓穴回避です。
このデッキに対してGツッパすると永遠に朱光を投げられるのは余りに有名です。僕はこのデッキを使っていて、モンスター効果に朱光ケルドウ(墓穴ケア)で無効破壊、その後G、Gに対するうららに朱光ケルベクで無効破壊とやったことがあります。
ハゥフニスの存在もあって、このデッキに対してモンスターを通常召喚して効果を発動しただけでゲームエンドするデッキもザラです。このデッキが無規制でMDに来たら引退するかこのデッキを使いましょう。
【クシャトリラティアラメンツ】とは
なぜかクシャトリラフェンリルからサーチできるティアラメンツが登場したことで生まれたデッキです。
特徴は安定性と対応力。フェンリル+モンスター1枚でキトカロスが確定で立つため、事故率が極端に低いこと。また、【クシャトリラ】側が墓地メタに強く出られる他、【クシャトリラ】が誘発や無効系妨害、裏守備などに弱い点を【ティアラメンツ】のギミックとパワーでごまかせる点。お互いのテーマがお互いを補強しあってスキがなくなっています。
特定のカードで詰むのが嫌な人にオススメです。
キトカロス死後のティアラメンツ
ティアラメンツに詳しくなくとも《ティアラメンツ・キトカロス》が禁止カードになったことと、キトカロス禁止後も【ティアラメンツ】は環境に残り続けたという事実を知っている人も多いでしょう。
ですがここまでの内容ではキトカロスが【ティアラメンツ】において非常に重要であるという話をしてきました。
基礎展開においても必須ですし、キトカロスから各種テーマカードにアクセスできる故の柔軟性や、何より各種テーマモンスターには全てキトカロスに繋がるが故のパワーの高さというものがありました。
ではそんなキトカロスを失って以降もなぜティアラメンツが強かったのか?それをこの節で解説していきましょう。
ティアラメンツがやりたいことって?
まずティアラメンツが先行でやりたいことをおさらいしましょう。
盤面にティアラメンツモンスター、後ろにサリークなどの魔法罠、手札にティアクシャやハゥフニスという形が基本です。
そこに付随する形で素引きの手札誘発やフェンリル、余ったリンク値で作った《スプライト・エルフ》などの汎用リンクモンスター、入っているなら墓地のムドラケルドウやシラユキなどで妨害をしていくというのがティアラメンツの先行展開です。
この展開の強みは妨害の位置が散っていることと墓地送りによるリソースが大量に確保できることでしたね。
さて、冷静に考えてみるとこの盤面を作るのにキトカロスは必須ではありません。面にティアラモンスターを置くのは普通にできますし、サリークはスクリームが墓地に行けばサーチ可能、手札のティアクシャやハゥフニスもサリークが墓地に落ちればサーチできます。
結局の所、ティアラメンツにおけるキトカロスの役割とは
・万能サーチによる安定性の確保
・ルルカロスなどの大型融合モンスターの素材
・大量墓地肥やしによるアドバンテージの確保
がメインだったわけです。まさにデッキの潤滑油といえる存在でしたが、もしこれらの要素を他で代用できるならどうでしょう?
キトカロスがいなくてもサリークやスクリームを墓地に落とせばティアラ罠や手札誘発となるティアクシャは確保できます。
キトカロスいないとルルカロス出せないじゃんと思われるかもしれませんが、《沼地の魔神王》などの融合素材代用モンスターを採用すれば出すことはできますよね。
カードを大量に墓地へ送る手段としては何があるでしょうか?そうです、アギドケルベクやカオスルーラーですね。
このように、キトカロスが抜けた穴を皆で頑張って埋め合わせることでティアラメンツはかろうじてデッキとして成立できたわけです。
ここからは、その詳細を見ていきましょう。
2023年1月~4月の【イシズティアラメンツ】
2022年末のティアラメンツは【クシャトリラティアラメンツ】が主流でしたが、キトカロスの禁止や各種パーツの規制によりこの型は実質構築不可能になりました。
じゃあどうなったのかというと、キトカロスの代わりに融合素材となる《沼地の魔神王》と大量の墓地肥やしができるアギドケルベクを利用して無理矢理に《暗黒界の龍神王グラファ》や《ティアラメンツ・ルルカロス》などの成立を目指すデッキとなりました。
キトカロスが禁止になったことでレイノハートが1枚初動では無くなり、かつてのような安定感は失ったもののそれを補って余りある爆発力で当時環境に存在した他テーマを蹴散らしていました。
この当時は《妖精伝記ーシラユキ》やシャドールギミックも当然のように採用されており、ハゥフニスやティアクシャなどによる後攻0ターン目展開をした場合の最大出力は【ティアラメンツ】史上でも屈指のものでした。
2023年4月~10月の【シンクロティアラメンツ】
2023年4月の規制はメイルゥ、ハゥフニスとケルベク、ムドラの制限であり、これはそれまでの【イシズティアラメンツ】の安定感をごっそり削る規制です。
もともとある程度の事故率があったデッキだったのがさらに手札事故を起こしやすくなり、さらにケルベクやティアラネームのモンスターの枚数も減ったことでハゥフニスやティアクシャも後手からの手札誘発としては機能しなくなったりと、あらゆる面でティアラメンツは弱体化することに。
ですが新規カードとなる《レボリューション・シンクロン》、《黒魔女ディアベルスター》の登場や《グローアップ・バルブ》の規制緩和により《混沌魔龍カオス・ルーラー》が非常に出しやすくなったことでまたしてもティアラメンツは環境復帰を果たします。
7月の《クシャトリラ・フェンリル》禁止も弱体化にみえて、苦手だった【クシャトリラ】が環境から消滅することでむしろ追い風に。
シンクロ召喚のギミックを取り入れることで先行展開での最大出力は4月までの【イシズティアラメンツ】をもしのぎ、展開さえ通ってしまえばほぼ勝利といっても過言ではありませんでした。
2023年10月~
アギドケルベク、さらにはカオスルーラーの禁止とティアクシャの制限化によりティアラメンツは大打撃を受けました。
カオスルーラーのように墓地肥やしが出来るモンスターは他にも存在しますが、何よりもアギドケルベクを失ったことで誘発貫通がまともにできなくなったことが大きく、【未開域ティアラメンツ】のような型が存在はするもののティアラメンツは環境の第一線を退くこととなりました。
シングル戦の【ティアラメンツ】
YCSJ2022大阪という前例
いくら【ティアラメンツ】がOCG環境で大暴れしていたとはいえマスターデュエルはシングル戦です。OCGで覇権をとったティアラメンツもシングル戦ではどうなるかわかりません。
……と言いたいところなのですが、実はティアラメンツ最盛期にOCGではシングル戦の大型大会が行われています。YCSJ2022大阪ですね。
ティアラメンツデュエルセットが配布されたこの大会。OCGではクシャトリラとティアラメンツの二強と言われていた環境でしたが、結果はどうなったのでしょう?はいドン。
1位 ふわんだりぃず
2位 ラビュリンス
3位 クシャトリラティアラメンツ
4位 雪花怪獣カグヤ
おい!ティアラメンツ優勝してないじゃん!
はい。どこまでいってもシングル戦はシングル戦なんですね。
このテーマが最強!絶対負けない!なんてことにはなりません。極論メタビートで全部先行とって罠を開け、羽根箒などを避けられるなら勝てます。
ティアラメンツはデッキの対応力が強みと言いましたが、いくらデッキの対応力が高くても、相手のデッキがわからないシングル戦ではそれを生かし切れません。
フェンリルがある、残響がある、鼓動があるというのは所詮机上論です。
しかも事前評価でトップメタと言われてるならなおさら辛いです。
この大会でも、1位のふわんだりぃずはディメンションアトラクター、2位のラビュリンスは次元障壁といったように明確にティアラメンツを意識しています。
よって、スプライトの時にも書きましたが、シングル戦のマスターデュエルで環境がこれ一色になるということは無いです。
特に【ティアラメンツ】は墓地メタというシンプルかつ分かりやすいメタがぶっ刺さるテーマです。プレイヤーが全員ディメンションアトラクターを投げたり裂け目を貼ってくるような環境でまともにやっていけるわけもありません。もう王宮の鉄壁3枚積みます。
もっとも、PSYフレームギアγが2枚使えるマスターデュエルでアトラクターが果たして通るのか、楽しみではありますけど、ね。
ちなみに僕がもし「ティアラメンツ相手に何のデッキで戦う?」と聞かれたらティアラメンツって答えます。なぜなら強いからです。
ここから先はただのお気持ちなので読まなくても大丈夫です。
【ティアラメンツ】は正々堂々戦う
マスターデュエルの嫌われ者、【神碑】と【ふわんだりぃず】。彼らには共通点があります。
1.メジャーな誘発である増殖するGが効かない。
2.【神碑】はデッキ破壊、【ふわんだりぃず】はえんぺん(昔は結界像も)の制圧という形でこちらにハラスメントをしかけてくる。
3.【神碑】は泉によるデッキ戻しとドロー。【ふわんだりぃず】は共通効果による除外からの回収によって、無限のリソースと多量のアドバンテージを獲得する。
4.【神碑】のフギン、【ふわんだりぃず】の旅じたくのように、メタや妨害、捲りカードに耐性がある。
ざっくり言うと、環境内の多くのデッキに対抗できるようなカードを多く積んでいると【神碑】や【ふわんだりぃず】に対して有効に刺さらず、彼らがバリバリ動いてアドをとるのを阻止できないんですね。なぜなら動きがこちらの妨害プランの想定外だからです。
これらに対して【ティアラメンツ】は、
・増殖するGや多くの誘発は有効である。
・制圧効果や相手のリソースを奪う効果はない。
・無限リソースのギミックと墓地効果による大量のアドバンテージはある。
・残響があるものの、メタカードはギミック内で対応できないものもある。
といったふうに、あちらの世界に片足突っ込んでいますが…。
しかし、モンスターを並べて殴るデッキのため【神碑】のように遅延行為をするわけではないし、【ふわんだりぃず】のディメンションアトラクター、ハーピィの羽根吹雪のようにティアラメンツだけが強く使える汎用カードというのも存在しません。
そして、一般的な手札誘発や捲りカードが他のテーマに比べると軽傷ではあれどちゃんと有効に働きます。
勝ちに至るまでのアプローチは、他のテーマよりも圧倒的に効率化されてはいるものの至極真っ当です。
その上で、実装からずっとイシズやビーステッド、クシャトリラといったティアラメンツメタのテーマたちと戦い続ける宿命にあるのです。
え?イシズティアラメンツは真っ当じゃないって?
規制の話
もうめちゃくちゃ規制
されてるんですよね。既に。
先日海外の遊戯王ことTCGの新規制が発表されましたが、酷いもんです。キトカロス禁止に加えて共通効果持ちのティアラメンツ全部制限です。
これでキトカロスはOCG、TCGともに禁止カードに指定されました。MDでされたら三冠です。
ここまでこのnoteを読んでくださった皆さんは、ティアラメンツはどう規制するのが正解だと思いますか?
僕は自分でこのnoteを書きながら「あ、これキトカロス禁止以外ないわ。」という結論に至りました。至ってしまいました。
理由は至極単純で、このテーマはキトカロスという万能のカードが存在する限り、例えテーマカードが全て制限でもその強さを維持できるからです。
キトカロスのカードパワーについては既に説明しましたね。キトカロスが存在する限り、テーマ内のカードは全てが実質相互サーチと化します。
じゃあキトカロス禁止以外意味ないかって言われるとそんなことも無く、モンスターの数を減らされれば事故率は上がりますし、魔法や罠を減らされればアドをとる手段が限られるようになっていきます。全部制限にされてもオッケー♪ってことじゃないんですよ?
じゃあ実際どうなの?と言われるとキトカロス禁止、ペルレイノシェイレーンレイノハート制限、ハゥフニス純制限の上にイシズ、ビーステッド、クシャトリラがはびこるOCG環境では現在でも最前線で戦えているわけなので何も言えないのですが……。
2023/3/31追記、メイルゥ、ハゥフニス制限に規制されましたがまだギリギリやれます。が、以前のような誘発受けの良さや誘発による後攻の強さを失い、ティアラメンツをあえて使う意味があるのかは疑問となりました。
2023/10/18追記、かえして なんでもいいから
想定の範囲内だったはずなんですが?
カードが規制される理由の一つに、カードデザインの想定範囲外の動きをしてしまうというものがあります。
例えば禁止カードの星杯の神子イヴ。テキストを見れば分かるとおり、【星杯】あるいは【星遺物】で使うことを想定されています。
ところがこのカード、実際にサーチするのはドラゴン族サポートの”星遺物の守護竜”ですし、何故かチューナー故にそのままハリファイバーになり、②で呼び出すのは”星杯の守護竜”、そこからやることはエルピィやピスティを使った【守護竜】の展開です。
最終的に行き着く先はガンドラXによるワンキルや、ガンドラ規制後はトポロジックガンブラーによる先行ハンデスなど、いずれにしろロクな使い方をされていません。星杯も星遺物も関係ありません。
このカードはデザイナーの意図しない汎用カードとしての使われ方をしたがために規制されたわけです。そういう意味ではハリファイバーも同じです。
一方でティアラメンツ・キトカロス。
このカードを使おうと思うとメインデッキにティアラメンツを入れて共通効果で融合するか、簡易融合でしか出せません。
ハリファイバーのようにチューナーがいたらとりあえず出せるというカードではないんです。
そのためこのカードを使うデッキは【ティアラメンツ】あるいはティアラメンツに何かを混ぜたデッキに限られます。実際にこのカードを入れて結果を残していたのも全部【ティアラメンツ】です。
キトカロスはカードデザイナーの想定した役割を逸脱していないんです。
デザイン通りにサーチして、デザイン通りに展開補助して、デザイン通りにカードを5枚落とすだけのカードなんです。
規制された理由はただ一つ、【ティアラメンツ】のパワー抑制です。
尤も、このnoteにまとめてあることを全てカードデザイナーが把握していたのかはわかりません。もしかしたら何も考えてなかったのかもね。
MDでティアラメンツを触ろう!
皆さんジェムをきちんと貯め込んでますよね?
マスターデュエルに対して僕が最もメリットを感じることの一つに、知らないテーマの勉強がお金をかけずにできるというのがあります。
MD最初期にいた【ドライトロン】や【電脳堺】、あるいはフュージョンデステニー出張ギミック、【勇者】、【烙印デスピア】などなど…。
紙の遊戯王では値段が高くて組めなかったり、対戦する機会がなくてよく分からなかったテーマもマスターデュエルなら無料で、実際に回すことができます。回すことでしか分からない弱点、強みもたくさんあります。
ティアラメンツがいつ実装されるのか?事前規制されるのか?そもそも収録時期が違うカードは同時実装されるのか?レアリティは?
何一つ分かりませんが、僕からのお願いです。ティアラメンツを組んでみてください。
なにが悪い?
ティアラメンツのことを悪く言うことも、擁護することも個人の自由です。しかし、「よくわかんないけどダメ!」というのは良い悪い以前に、意見を交わすことすらできません。対話拒否です。
ティアラメンツのことをよく理解した上で、「ここがダメ!」「ここは良い!」といった自分の意見を持って欲しいのです。このnoteもそのために書いているようなものです。
使ってみて初めて分かること、感じることがあります。僕がティアラメンツを組んでみて、使ってみて、感じたことを皆さんにも感じて欲しいと思います。
手札事故がおきないストレスフリー感。
デッキのカード全てにアクセスできる快適さ。
墓地送りで大量のアドをとる爽快感。
次元障壁や次元の裂け目などで詰まない地力の高さ。
自分の好きなカードと組み合わせられる拡張性。
使えば使うほど新しい発見のある奥深さ……などなど。
どうせ【ティアラメンツ】は規制されます。MDと紙では規制の仕方が違うのでなにがどう規制されるとかは言えませんが、どうせされるなら今のうちに楽しんでおくのが吉だと思います。
「いつか失くしてしまうものばかりなら、強く刻んでおこう。(今!)」
おしまい。
信じられないくらい長文になってしまいました。ここまで読んでくださった皆さん本当にありがとうございます。
僕が考える限りのティアラメンツの情報を詰め込みました。
まだ実際のデュエルでのプレイングや、気をつけること、対面次第でのプランニング、サイドチェンジなど書けることはいくらでもあるのですが、他の人が有料noteに書いてそうなことを書くのはモラルに反するのでしないようにしてます。そもそも僕CSとかで結果残してる人間じゃないですしね。勝てるのはせいぜいYUDTくらいです。意味なし。
こんな僕の知識でも知りたいって人はTwitterの方にお願いします。答えられる範囲で答えます。
マスターデュエルの規制方針はわりと甘めで、特定のパワーカードや先行ワンキル系以外は流行のテーマデッキに対して構築不可能なレベルで規制をかけることはあまりないです。
せいぜい【天威勇者】のハリファイバーくらいでしょうし、あれも単純に汎用パワーカードだから規制という側面が強いです。
なので、もしかしたらキトカロスも制限くらいで許されるかも知れません。なったらいいね。
このnoteはよくわからんとこ、ムダなとこ、間違ってるとこがあればちょっとずつ修正していく予定です。
最後に、ティアラメンツのカードデザイナーに敬意を。最高のテーマに出会わせてくれてありがとう。
それではまた次回。