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さよならジムニー、こんにちはエビチリサンド
今年の5月、6年間乗り倒したジムニーが壊れた。一日の走行距離約50キロ、毎日毎日山道の往復。
思えば無茶な乗り方をしてきた。壊れるのは、当たり前だ。
どんな大雪でも、ジムニーならへっちゃらだった。四駆のジムニーに乗り越えられないデコボコなど無かった。富山の冬はジムニーじゃなきゃね!と、鼻高々だった。
子どもが育ち、チャイルドシートに乗せた状態でジムニーの後ろは狭くなってきた。そろそろ潮時だったのだ。
普通の軽バンに乗り換えることにした。二駆の軽バンで雪道はかなり不安なのだけど、それよりも幸せなことがあった。
スピーカーの音質が、ジムニーと比べ物にならないほど良いのだ。
例えば、スピッツの「ありがとさん」という曲。切ないお別れソングだと思っていたけど、この軽バンで聴くとシャンシャンシャン…という鈴の音が聞こえる。ただのお別れソングではなく、まさかの、クリスマス時期にぴったりの曲だった。
ジムニーではシャンシャンシャン…は聞こえてこなかった。雪道は安心だったけれど、ジムニーでは気づけなかった事が沢山ある。ジムニーじゃないと絶対に無理だろうと思い込んでいただけだった。ジムニーじゃなくても、私はどこへだって行ける。
軽バンで毎日30分かけて通勤している。スピーカーが最高なので、この30分間が楽しい。通勤がきっかけで、新しいお気に入りに出会うことができた。
大沢野のパンダパンダというパン屋さんだ。
パンダパンダは夢のようなパン屋さん。サンドイッチの種類が豊富で、どれも本当に美味しい。そして安い。一つでしっかりお腹一杯になる。
竜田サンドを食べていると、竜田部分を食べ終わってしまってからも、奥からレンコンのマヨネーズあえが出てきたのにはしびれた。パンと野菜だけになってしまっても、レンコンなら食べ応えがある。そういうちょっとしたサービス精神にまんまとやられてしまっている。週に一回は必ず通い、にやにやしながらサンドイッチを選んでいる。
パンダパンダにはエビチリサンドがある。私はエビチリが大好物だ。家で作る気にはなれないエビチリ。スーパーのお惣菜で、エビチリのみを買うのと同じくらいの値段でエビチリサンドが買える。しかも、エビチリがしっかり入っている!!嬉しすぎで訳が分からない。頭が真っ白になった。
近くの公園の駐車場で、エビチリサンドを食べた。ふわふわのパンに、甘めのエビチリ。そう、エビチリはご飯には辛めが良くて、パンには絶対に甘め!!野菜はしゃきしゃきで、本当に美味しかった。
竜田サンドの奥からレンコンが出てきたり、サンドイッチの中ではマイナーなエビチリサンドがしっかり美味しかったり、そういうささやかな幸せで私は生かされている。
ジムニーがなくても、この冬はきっと乗り越えられる。軽バンで好きな曲を沢山聴きながら、野を超え山を超え、パンダパンダまで走っていく。