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まあるくまるく、やちむん
21時にホットケーキを焼き、ヌテラを塗って食べるという暴挙に出た。ああお腹いっぱい。本当に幸せだ。
息子は卵アレルギー。
彼のために焼いてあげるときは、卵なしで、牛乳とミックスのみで焼いている。
ミックスの裏面に書いてある分量は全く参考にならないため、いつもテキトーに牛乳をぶっこんでいた。
が、既に息子はご就寝。
やりたい放題の大人の時間だ。冷蔵庫には卵も牛乳もある。
これはやるしかないでしょう。
約7年ぶりに、ミックスの裏面のレシピ通りにホットケーキを作った。
分量を守り、ちゃんと書いてある通りに作ったら、ちゃんと綺麗に焼けた。
フライパンに生地を流し込む際、「高いところから生地を落とすと、まるくきれいに焼けます」とあった。
その通りにやってみても、そんなにまるくはならなかったけど、まあるくするためのコツがわざわざ書いてあるのが面白かった。ホットケーキはまあるいのがよいらしい。
まあるくはならなかったホットケーキを、まあるいやちむんの器にのせた。
この器、カレーとかシチューとかにピッタリな深さがあるので、ホットケーキにフィットしていなかったけど、どうしてもこの器を使いたかった。
この器が、地球のようにまんまるだから。
うつわがまんまるなのは当たり前ではない。人の手で作られたものなので、よく見たらどこかが歪だったりする。
このやちむんのうつわは、限りなく正円に近いように見える。
お店で見つけた時も、その安定感のある造形に感動した。形がしっかりしているので、やちむん独特の伸びやかな色彩が映える。
宮國榮一さんの作品だそうだ。
まんまるな青い地球が、パワフルな生命体でにぎやかにうごめいているようだな、と、思う。
お店で見た榮一さんの他のうつわも、まあるいところがきちっとまるく、それはもう、一枚一枚が生き生きとした惑星のようにピチピチとしていた。
やちむんは沖縄の、不思議な不思議な焼きものだ。
現代のやちむん作家さんが伝統的な模様を入れずに、シンプルにシックに仕上げても、ほとばしるやちむん感。
「私は、沖縄で作られましたー!」を、何をどうしても隠しきれていない、圧倒的な色彩の鮮やかさ。
魚に羊、と書いて鮮やか。
やちむんの色彩感覚は海から来ているのかもしれない。美しい魚や珊瑚、海の色だ。
まあるくまるい海を、うつわという小さな惑星に閉じこめてくれてありがとう。
富山の海無し市に住んでいると、時折海が恋しくなるから。
やちむんはいいな、いつか沖縄へ渡って、窯元を訪ねたいよ。