方言で喋らせてくれや
私は広島出身、広島育ち。コテコテの広島弁を話す。
富山に来て、日常会話で広島弁が出ることはほぼない。ないけれど、心の中では常に広島弁で話している。だから、今回は広島弁で書いてみる。
同じ日本語なのに、イントネーションがちがうだけで、なんでこんなに感じが変わるんかね。広島弁じゃないと、言葉に心が込めれん気がする。自分の言葉じゃという気にはなれん。
藤井風君はすごいわあ。広島のお隣の岡山弁で歌っとる。じゃけ、藤井風君の曲を聞きよったら、私も自然と広島弁になってしまう。細かいこと言うたら違うけど、大まかな心の込め方は一緒じゃ思うよ。何なんwは名曲よ。ほんまに。
広島弁が聞きたいがために、「この世界の片隅に」を見る。あのアニメの声優さん達は、みんな完璧じゃと思う。特に、勇作さんの姉ちゃんの、ちょっと怒っとる感じは最高じゃ。ああゆう風に言う人は、おるよ。
私が喋りがたどたどしいんは、元々喋りが苦手なんはあるけど、方言で話せんけえもあるよ。怒っとる時に広島弁は出る。広島弁じゃないと、怒った気にはなれん。優しく怒ってくれ言われても無理じゃけえ。心におる達川光男を暴れさせてくれや。
達川の広島弁は、世界で一番広島弁らしい広島弁よ。ラジオで声を聞くだけで、誰が喋りよるか一瞬でわかる。達川から広島弁を取ったら、それは達川じゃなくなってしまうじゃろ。標準語の達川なんて、想像できま?方言は、アイデンティティなんよ。
私は言い合いたい。話したい。議論がしたい。本音で喋りたいんよ。当たり障りのない事じゃのうて、耳に痛いこともあるかもしれんけど、ほんまに思っとる事をそのまま言いたい。それでしか何にもならんよ。何もうまれんままじゃけえ。
私が広島弁で喋るのを、怯えずそのまま受け入れてほしい。広島弁で怒るのを聞いて、「優しく怒って」とか言わんでほしい。優しくなんて怒れるか!!怒っとんじゃけ怒っとるんよ?怒りには正当な理由があるんじゃけえね!!
言葉のデコボコは、心のデコボコに直結しとると思う。デコボコにはデコボコがフィットする。富山弁のデコボコも大好きなんよ。
私が一番好きな富山弁は、「おいよー」じゃけえ。おいよーには、おいよ↗とおいよ↘がある。
その土地の言葉じゃないとはまらん感情は、どうしてもあるけえね。それをそのまま、認めてほしいだけなんよ。私の心のデコボコを、わかってほしいだけなんよ。