松本平の心の山「常念岳(長野県松本市・安曇野市 百名山)山頂の大山祇神・諏訪大明神」【#UL登拝 山行記録】
YouTube「常念岳」を公開しました。
僧職系男子的には、お盆で忙しくしておりまして、
noteに山行記を書こうと思っていましたが、遅くなってしまいました。
常念岳山頂のお社へお参りしましたので、その記録です。
今回のルート
常念岳には主に2つの登山口があります。
一つは「一ノ沢ルート」
沢沿いの比較的難易度の低いルート。
もう一つは「三股ルート」
三股登山口からは蝶ヶ岳に登るルートが一般的でしょうか。
こちらからは常念岳~蝶ヶ岳の周回ルートを取ることもできます。
常念岳へは急登が続く難易度の高いルート。水場もありません。
しかし、前常念岳からの展望や歴史のある石室など、見どころも満載でして、好きなルートではあります。(特に前常念~常念までの道は最高です)
世の中、常念から蝶ヶ岳に日帰りで周回して、ケロっとしてる方がいらっしゃるので、すごいなぁと思うところ。
私は一泊でないと絶対ムリです。
さて今回は【一ノ沢ルート】です。
私は、毎年梅雨が明けると一ノ沢から常念に日帰りしています。
その年のコンディションと体力がどの程度あるかというチェックをしたいという目的と、何より常念が好きだからです。
高校時代を松本で過ごしましたが、松本から常念岳はきれいな三角錐に見えます。松本には常念通りという場所があったりしまして、朝に夕に仰ぎ見る山です。
常念岳の名前の由来
諸説あるところだと思いますが、徳利を持ったお坊さんが麓の酒屋に酒を買いに来たという説(山姥という説も 春先に見える徳利をもったお坊さんの雪型から)
坂上田村麻呂が有明山に住む八面大王を討伐した折、常念坊という重臣が飛行の術で逃げ、岩屋を作って住むようになったという説
常念坊という修験者が登山するようになったからという説などなど、
様々な説があります。
現代の僧職系登山男子としては、修験者の説に従いまして現代の形で登拝したいところです。
一ノ沢~胸突八丁まで
一ノ沢登山口から少し下ったところに駐車場があり、ここに車を停めて出発です。駐車場は狭いので要注意です。隙間がないくらいギリギリに停められているときもあり、駐車が大変だったときもあります。
車道を20分ほど進むと一ノ沢登山口。
トイレと登山相談所があります。
ここから登山道。
登ってしばらく行くと山ノ神の祠があります。
ザックを置いてご法楽。
法楽とは、
お経を上げることによって神仏に楽しんでもらうこと。
私が修行していた高野山では、神前でも般若心経をお唱えします。
このあたりのことは、機会を設けて詳しくお伝えしたいと思っています。
胸突八丁までは、ところどころに急なところはあるものの、
緩やかな登りで距離は長めです。(コース全体で往復約14.5km)
沢沿いということもあり、登山道も川になっていることが多く(いつも梅雨明けに行くからでもありますが)、ゲイターを持っていくといいと思います。
朝一番の樹林帯。
水面の風を感じながら、心地よく登っていきます。
胸突八丁~常念乗越まで
胸突八丁からは急登です。
感じ方もあるのでしょうが、胸突八丁と付く急登の中では比較的ラクな登りに感じます。
しかしながら、ここからすぐの高巻き道は草で崖が見えなかったりするので、滑落に要注意。
しばらく行くと最終水場。冷たくて気持ちがいいです。
ここからの登りには、一定区間ごとにベンチがあります。
急登を登り切ると、常念乗越に到着。
視界が開けて、青空が広がります。
何度登ってきても感動するこの光景。
ここには100年の歴史を持つ常念小屋という山小屋があります。
毎回、小屋泊まりでゆっくり来たいなと思います。
常念乗越~常念岳山頂
さて。
ここまではいつも調子良く登ってくるのですが、
私的にここからが核心部。
いつも常念乗越から山頂までの登りでバテてしまいます。
ここまでは巻き気味で登ってくるのですが、山頂まではいつもほぼコースタイム通り。
以前、ある山小屋に泊まったときに一緒にいた方にこの話をしたことがあるのですが、
「あのコースタイムは泊まってる人だよ。胸突八丁上がってきてそのまま登ったら絶対ムリ。」
とおっしゃっていました。
ホントかウソかわかりませんが、何にせよ辛く感じるこの登り。
おまけに雲行きも怪しくなってきました。
常念岳山頂のお社にて
常念岳山頂には祠が鎮座しています。
松本市にある岡宮神社によって諏訪大明神と山ノ神が勧請され、お祀りされているのだそうです。
ザックを置いてご法楽。
この日の山頂はガスで視界ゼロ。
山に登っていれば、天候の良いときもあれば悪いときもある。
気長に付き合っていれば、そのうち良いときに巡り会えるよ。
こんなとき、学生時代に先輩から教えてもらったことを思い出します。
今回、初めて来ましたという方に多く出会いましたが、また登ってきてくれるといいなと思います。
以前、残雪期に登ったときの山頂をご紹介します。
下山します
さて、サクサク下山しまして、常念小屋でお昼ごはん。…というのも、毎年のルーティンです。
ゆっくりしたいところですが、あまり遅くなりたくないため、どんどん下山します。
登りはそんなに感じないのですが、下山の道のりは長く感じます。
山ノ神の祠まで下ってきまして、ご法楽。
無事を感謝します。
毎年登っていますと、
その時ごとの山の表情があると感じます。
山岳写真家で昆虫研究家の田淵行男は、何百回も一ノ沢から常念に登ったそうです。私はまだその何十分の1にも及びませんが、それでもその気持ちがわかるような気がします。
登れない年があるかもしれませんし、登れなくなるときがあるかもしれません。
しかしそれでも、また来年も登りたいなと思っています。
まだ行ったことがないという方、是非登ってみてください。
そのときには是非、山頂の神さまにも手を合わせてくださいませ。
合掌
小雪童
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?