「山と仏」って、こんな活動です。あ、YouTubeも始めました。
登山をするお坊さん、僧職系登山男子が山で出会う神さま・仏さまを紹介するプロジェクト「山と仏」。
発信の準備が整ってきたので、
「山と仏」がどんな活動であるかと
今後の展望についてお話したいと思います。
なぜこの活動を始めたか
私は、信州にある真言宗のお寺の副住職です。
つまりは、お坊さんです。
私は高野山での修行を終えて信州の自坊へ帰ってきてから、登山を再開しました。大学生のときに所属していた山岳部以来の登山です。
登山は全くの趣味です。
山岳修行だ、修験だ、山伏だとか、
全くそんなこと考えていなくて、
普通に山登ったり、山小屋やテントでくつろいだり、
山友達とワイワイしたり。
ごく普通の登山男子です。
しかし、山ではたくさんの神さまや仏さまに出会います。
いくら趣味で登っているとはいえ、私はお坊さん。
仏さまがいらっしゃったらお経の一つも上げますし、
神さまに手を合わせます。
でも、一般の皆さんはどうでしょうか。
お社や仏像があるのは知ってるけど、手は合わさないなぁという方もいらっしゃるかと思いますし、
そもそも気が付かないって方もいらっしゃるでしょう。
それって、もったいないって思いました。
山は昔から神さま・仏さまの場所って信じられてきました。
山で出会う仏さまは、その場所に最も近い存在です。
難しいことでなくて、
そこにお社や仏像があったんだって気がつくこと、
ちょっと手を合わせてみること。
それだけですごく心が穏やかになって、心が豊かになるんです。
自分も山が好きで山に登っているので、
山好き目線で、
山の神さま・仏さまと山好きな皆さまとをつなぐ活動がしたいと考えました。
山と仏。
山登りが好きなお坊さん、僧職系登山男子が山で出会う神さまや仏さまを伝える活動。
同じ山が好きな人間として、
山好きな皆さんとのご縁を大事にしながら、
お伝えしていきたいと思います。
Twitter・Instagram
一番最初にしたことはSNSの開設です。
SNSを通じて、山好きな方々と繋がりを持ちたいと考えました。
そう考えたのは、去年の厳冬期・八ヶ岳での経験からです。
私は、厳冬期の八ヶ岳最高峰・赤岳登頂を目指して
麓の行者小屋に到着しました。
前日にかなりの降雪があったようで、その日も山頂方面は吹雪。
ラッセルを覚悟していました。
登頂に向けてアイゼン・ピッケルを用意していると、山頂方面から一人の男性が降りてきて私に一言。
「ラッセルしておきましたよ。」
それも、本当に爽やかな笑顔で。
ほんの一言、二言の会話だけでしたが、忘れられない出会いでした。
残念ながら、トレースがあったとしても倍の時間がかかってしまい、
おまけに森林限界から上は暴風雪でしたので、
私は登頂を諦めて撤退しました。
下山後に山のSNSを見ていると、その方が山頂の美しい写真をアップされていました。
行者小屋で会った方に間違いないと連絡を取ってみると、
一枚の写真を送ってくれました。
私の後ろ姿がカッコよかったので撮りましたと、一言添えて。
その方とは、今でも交流させていただいています。
この写真は、今でも宝物です。
このステキな出会いに、
SNSやネットで山が好きな皆さんとご縁を繋ぐことができるんだと思いました。
人と人とをネットで繋ぐことができるなら、
山と仏を人に繋ぐことができるかもしれない。
山をきっかけにして、山好きの皆さまとご縁を繋ぎ、
自分のできることや学んできたことを提供しながら、
私の「山と仏」という活動について知ってもらえたらと考えています。
noteマガジン「山で出会う神と仏と」
「山と仏」のコンテンツとしては、
2つのプラットフォームで発信していきます。
一つがnoteです。
内容的には資料や画像を使いながら、
文章でお伝えする必要があると考えました。
ただ。。。学術論文ではないので、
無味乾燥にならないようにと考えています。
そこで、第一回は八ヶ岳。
以前の山行を元に、私と一緒に山を登っているような感覚で読んでほしいと、山行記録として書きました。
最低限の仏教用語や教理は解説していきたいので、
そのあたりを詳しくお話する、
「山好きのための、仏さまの話」という別の連載をしようと思っています。
乞うご期待です。
YouTubeチャンネル「山と仏」
もう一つ始めようと思っていたことが動画での配信でした。
noteのブログ形式では、紹介や説明はできるのですが、
山で出会う神さま・仏さまの臨場感を伝えることができません。
しかし現在、YouTubeで登山動画を配信される方はたくさんいらっしゃいます。
労力もかかりますし、そもそも私は素人です。
見てもらえる動画を配信できるのか、わからないのですが、
それでも動画でお伝えしたいことがあります。
それは「祈りの共有」です。
山を登っているときの感覚は、私たちが修行の中で行う瞑想や祈りに近いと私は感じています。
山を登ることは、祈ること。
山で修行をしてきた山伏たちは、そのように感じていたのではないでしょうか。
現在、様々な差別や偏見、考え方の違いによる分断、攻撃的なやりとり。
そういったことが増えているように感じます。
その中で神仏に祈ることは、
心の穏やかさや安らぎ、心の拠り所になるものです。
だから、山の動画を通じて皆さまと祈りを共有すること、
それが今の世の中に必要なことであると考えています。
何か特別なことをするわけでもありません。
お坊さんが山登りをして、山頂でお経を上げるだけの動画。
しかし動画の中で、どこか清らかな気持ち、なにかに祈りたくなるような気持ちを感じていただければと動画を作ることにしました。
むちゃくちゃきれいな動画でもないですし、
笑える動画でも、楽しい動画でもありません。
でも、
そんな気持ちを皆さまと共有できれば、
今のこの世の中で、私がが皆さま皆さまにできること、
「心の安らぎ」
になると思っています。
そんなわけで「山と仏」をよろしくお願いします!
私が考えている「山と仏」の活動について、お話させていただきました。
この活動の根本には「山好きの皆さんと繋がりたい」という思いがあってのことです。
山という共通の趣味で、いろんな職業の方と知り合ったりできますよね。
その中の一人に、山好きのお坊さんという山友達を加えていただけるといいなぁと思います。(きっと珍しいんじゃないでしょうか)
あそこの山が良かったとか、こんなにしんどいコース行ったんだよとか、
山の話って尽きませんよね。
そんな話の一つで「ここの山に素敵な仏さまがいらっしゃったんですよ」っていう話ができればいいなって思います。
どこかの山で会ったら、
どこかのタイムラインにいたら、
YouTubeのオススメに出てきたら。
山でお経上げてる登山男子がいたら、
私かもしれません。
お会いできる機会あれば、どうか仲良くしてください。
最後までお読みくださいまして、ありがとうございました。
合掌
「山と仏」
小雪童