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僧職系登山男子と行く雪山登山・飯縄山 #3 飯縄大権現勧請の地・飯縄山山頂へ
飯縄山登山、最終回。
いよいよ飯縄大権現が勧請された地、飯縄山山頂を目指します。
動画で登山の模様を収録しておりますので、合わせてご覧ください。
冬道の急登へ
第十一阿閦如来・駒つなぎの場でチェーンスパイクからアイゼンに履き替えます。
ここからは、夏道は雪崩の危険があるため通行禁止。冬道の直登です。
しっかりと休憩を入れてから出発。アイゼンの前爪を立てて、ピッケルを刺しながら急登を一歩一歩登っていきます。
ふくらはぎが悲鳴を上げる感覚。
ここのところ厳しい雪山に登っていなかったので、急登が辛く感じます。
だんだんと木がなくなっていき、目の前には濃い青空が広がります。
振り返ると、どこまでも山々が続いていく大展望。
厳冬期の登山ではいつも、強風を覚悟するのですが、
風もなく、日差しも暖かで穏やかな山。
山を感じながら登っていくと奥社に到着しました。
飯縄神社 奥社にてお勤め
こちらの社殿は旧社殿だそうです。
現在の社殿はもう少し登った場所にあります。
豪雪地帯なので、コンクリートブロックの社殿の中に本殿が収まっています。
写真には撮れませんでしたが、旧社殿には武田菱が刻まれています。
戦国時代、武田家と上杉家が激しく争った地域。
この山と社を治め、飯縄権現のご加護を受けることに特別な意味があったのでしょう。
飯縄権現は、戦勝の神として武将たちに信仰された神さまなのですから。
厳冬期は寒さと強風で、
お経どころではなくなってしまうときが多いですが、
今日は穏やかなので、
袈裟をつけてしっかりとお勤めさせていただきました。
般若心経一巻と飯縄権現のご真言、ご神号。
高野山の習いでは、神前では仏教の教理を説くお経が良いとされます。
般若心経はその一つ。
高尾山でお唱えするとおりに、
ご真言「おん きりかく そわか」
ご神号「南無飯縄大権現(なむいづなだいごんげん)」
隣には戸隠山が美しくそびえます。
昔、飯縄権現さまが勧請(お願いして来ていただくこと。特に神仏をお迎えしお祀りすること。)され、初めてこの世界に降り立った場所。
ここから見える全ての世界を救いたい。
そんなお誓いと願いがあったのではないでしょうか。
はるか昔、飯縄権現がこの世に現れたときの風景が見えるような気がしました。
飯縄山山頂へ
さて、飯縄山山頂はここからもう少しです。
穏やかな稜線を歩いていきます。
こんなときの稜線歩きって、人を惹きつけてやまない魅力がありますよね。
荒れているときは、その全く反対になりますが・・・。
山頂に到着すると、
山頂標識の下に可愛らしい雪だるま。
とても素晴らしくて写真を撮りました。
ザックをおろし、しばし休憩。
雲がゆっくりと流れていきます。
さぁ、体が冷えてくる前に下山。
名残惜しいですが、どんどんと下っていきます。
気をつけなければならないのが、下りの急坂。
気温が上がっているので、雪がすっかり緩んできています。
アイゼンを効かせながら、ゆっくりと降りました。
天狗の降り立つ場所、飯縄山
高尾山の天狗さま発祥の地、飯縄山。
いかがだったでしょうか。
コースタイムも短めで、冬山としては初心者向けと言われる山ですが、
急坂ではしっかりとしたアイゼン・ピッケルワークが必要。
森林限界から上はコンディション次第で、危険のあるところだと思います。
隣の戸隠山や百名山の高妻山に比べると、少し地味かもしれませんが、
長野市内から美しく見える山であり、
飯縄信仰発祥の山として信仰的にも重要な場所です。
おいでになったときには、霊山の風を感じていただければ幸いです。
それでは、次の山でお会いしましょう。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
南無飯縄大権現。
合掌。
小雪童