親魏倭王、本を語る その18
【シリーズの終え方】
アガサ・クリスティーは、自分の没後に発表することを条件に、ポアロものとミス・マープルものの最終巻を早い段階で書き上げ、出版社に預けていた。それが『カーテン』と『スリーピング・マーダー』である。前者はクリスティーの生前に発表されたが、その翌年にクリスティーは亡くなる。生前に発表した、事実上の最後の作品は、確かトミー&タペンスが主人公の『運命の裏木戸』だったと思う。
『カーテン』はポアロシリーズの幕引きを企図して描かれたもので、作中で描かれるポアロの死も含め