十二月の読書と映画など
あと十日もしないうちに二〇二四年が終わる。
映画の仕事をしていた時は30日の夜まで仕事をして実家には帰らなかった。明けて3日から仕事だったからだ。
往復の新幹線や疲れを考慮すると、帰省は納品後の方が落ち着けて良いだろうという考えだった。
少し掃除をして寝て起きたら終わっていたので、その年は年越しというのをおおげさなイベントとして感じる事は無かった。
オセチなんて、もちろん無い。
その年にはじめて、世の中にはそういう人もいるのだと、本当の意味で理解した。
一人で、故郷にも帰らないで、いつかそういうのが、当たり前になるのだろうかと考える。頭を振って考えを振りほどいた。
帰れるうちは帰った方が良いのだ、親の顔を見て、自分の顔を見せつけろ。
休日のあいだ、定例の打ち合わせは無いにしても、Slackは稼働し続け、チェックデータは粛々とアップされ続けた。ネットが破壊されつくされない限り、真の安らぎは訪れないのだと思った。
……ああいう仕事も今となっては少し懐かしい。
今年は実家に帰りたいと切に思う。
noteには書いていないが、今年は自宅で死にかけて入院したり、婚活に挑戦して精神的なダメージを負ったり、大小様々な事があった。
振り返ってみれば多少なりとも色々な事があって良かったと思う。
話すべきことが何もないというのは、きっと何もみていない、心も体も動いていないということだろう。
十二月読んだ本の話をしよう。
■最近読んだ本
じんかん / 今村翔吾
イクサガミ 人 / 今村翔吾
山女日記 / 湊かなえ
サファイヤ / 湊かなえ
人でなしの恋 / 江戸川乱歩
ボッコちゃん / 星新一
サンショウウオの四十九日 / 朝比奈秋
月の立つ林で / 青山美智子
赤と青のエスキース / 青山美智子
岸部露伴は倒れない / 北國ばらっど
婚活マエストロ / 宮島美奈
定食屋「雑」 / 原田ひ香
風の歌を聴け / 村上春樹
1973年のピンボール / 村上春樹
羊をめぐる冒険 上 / 村上春樹
羊をめぐる冒険 下 / 村上春樹
GOTH 夜の章 / 乙一
まだあと五冊ほど増えそうではあるけど、一旦ここで区切りとしたい。
不思議、時間が無い時の方が読書が捗るような気がする。
現実的な問題からのただの逃避かもしれない。
読んだ本の話をしようと思ったけれど、
良かった本は全部だ。良くなかった本なんてひとつも無い。
唯一、サンショウウオの四十九日は著者の他作品を読んでから読むべきだったかもしれない。
物語の波のようなものがあまり掴めなかった、全てにそういったものが存在する訳ではないのだろうけど、他の作品も読んでから考えてみたい。
植物少女なんて、良いんじゃないかな。
興味本意で芥川賞の選評について調べると〇とか△とか■とかで出てくるんだと知った。なかなか辛い。
なにかと話題になっている『地雷グリコ』も読みたいけど、積んである本をまず崩すべきかとも考えてしまう。
しかしタイトルが強い。グリコっていうキャラ名かと思った、違った。
■観た映画
レッド・ワン
怪物
ロボット・ドリームズ
PERFECT DAYS
モアナと伝説の海2
是枝監督の作品は好きなものが多いけど、怪物はPVの影響かな?イメージ的なものが先行して、なんか怖い映画みたいなイメージがあった。
実際は思っていたものとは全然違って……まぁ校長は怖かったけど(笑
今年観た中では十本には入る気がする。子役も含めて芝居が良い。
怪物だーれだ? が観終わったあとに頭に残ったりするけど、きっと誰もが怪物になりえる、のだ。
ラストのシーンは屈指の美しさ。
filmarksでネタバレ感想読む前に見て確かめてほしい。
保利先生はこの先幸あれ。
ロボット・ドリームズ
台詞はほぼ無い、この映画はある種の発見、それは多分自分の中にどういった引き出しがあるか次第なところにもあると思う。
響いたり、刺さったりする人がいる一方で、なんだこれは?全く期待外れだった、という人がいるのも分かる映画。
主人公のドッグのバックボーンが個人的には気になる、学生?働いていないが暮らし向きは良さそう。季節感大事にするし、アクティブだし、普通にロボットを買うまでもなく友達出来そうとか突っ込んではいけない。
ロボットの口笛SEPTEMBERが、どんな言葉よりも雄弁だった。
観終わった後も、この曲はしばらく頭に残り続ける。