目が覚めたら10年後だった件〜第2話・親友〜
俺は美波に何者かによって背後から突き飛ばされ信号無視をして突っ込んできたトラックに跳ねられ地面にぶつかり意識を失う直前に冬の制服を着てる謎の人物の後ろ姿を見たことを話した。
美:なるほど…その謎の人物が○○を突き飛ばした犯人である可能性は高いわね。
美波は俺の話したことをこと細かくメモしていく。
○:意識を失う直前だったから定かではないが乃木高の制服だった気がするんだよ。
美:乃木高の制服…犯人は私や○○の知り合いかもしれないわね。
美:男か女かわかる?
○:すまんがそれに関しては分からない…
なにせ後ろ姿を僅かに見ただけだからな。
美:○○の話を要約しても今のところは犯人に結びつく情報は少ないわね…
現時点で分かっているのは乃木高の制服を来た人物だけだからな…
○:犯人逮捕に繋がるかは分からないが俺を突き飛ばした犯人の手から憎しみや殺意みたいのを感じたぜ。
美:○○に殺意を抱く人間か…候補が多すぎるわね。ますます難しくなったわ。
まじか…
まぁ、でも高校時代のことを考えたら敵が多すぎるのは確かだな。
美:とりあえず、いま分かっていることで捜査を進めてみるわ。分かったことがあったら連絡するわね…
そう言って美波は連絡の書かれた紙を渡してくれた。
○:こっちでも個人的に色々探ってみるから分かったら美波に連絡するわ。
それじゃあと言って美波は帰って行った。
それと入れ替わりでお母さん達が入ってきた。
○母:何か分かったの?
やっぱりお母さんは気づいていたみたいだな。
○:いや…
俺はその問に首を横に振る。
○母:そう…
俺はお母さんに俺を跳ねたトラックの運転手が支離滅裂な発言を繰り返してるとのことと事故が起きた時に何があったのかを美波に聞かれたことを話した。
○母:……
母さんは余りの壮絶さに黙ってしまった。
どうやら俺が事故に逢い病院に運ばれた事とかは聞いたようだが事故の内容までは聞いてなかったようだ。
○:俺は犯人を見つけるのを個人的にも頑張ろうと思っているんだ…
○母:貴方が1度言い出したら私たちが止めても無理なのは昔から知ってるから止めないけど無茶だけはしないで…
○:分かってるよ、お母さん…
○母:ならいいの…私は貴方にただ平穏に過ごして欲しいだけなの。
俺も出来ることなら平穏に過ごしたいよ…でもケリを付けなくちゃ平穏に過ごせない気がするんだ。
○父:母さん…そろそろ面会時間も終わるみたいだし帰ろう。
○母:えぇそうね…また来るわ○○
○:気をつけて帰ってね!
そう言って母さん達は帰って行った。
ー翌日ー
橋:失礼します…あら本当に目が覚めていたのね。
白:本当だ!良かった…
やってきたのは小学校からの親友である橋本奈々未と白石麻衣だった。
○:奈々未と麻衣か…久しぶりだな。
橋:おばさん達から聞いたわよ…あんたを突き飛ばした犯人はまだ分かってないって?
どうやらお母さんたちから事情は聞かされてるみたいだ。
○:まぁな…ただ乃木高の生徒だったのは間違いないと思うぜ。
白:○○に恨みをもつ人間なら沢山いるからその中から探すのは苦労しそうね…
○:美波も同じこと言ってたわ。
橋:○○あんたどうするつもり?まぁ答えは分かりきってるけど。
○:俺を10年間も病院にいることにさせた報いは受けてもらうつもりだ。
橋:そういうことなら私達も力を貸すわ。
白:そうね…○○には色々とお世話になったし。
2人が力を貸してくれるなら心強いな。
白:犯人探しは私たちの方でもやってみるわね…あなたも気をつけなさいよ。
○:あぁ…ありがとう。
まったく…2人が俺の親友で良かったよ。
○:それより俺の高校の方はどうなったんだ?退学扱いになったのか?
橋:それなら心配しなくてもいいわよ。私が休学扱いにしてるから。
ん?私が?どゆこと?
白:○○は知らないと思うけどななみん今、乃木高の理事長やってるのよ。
橋:そゆこと…だから大丈夫!
そういうことなら心配ないな…
橋:そろそろ私達、帰るわね…
○:もう帰るのか?来たばっかりだろ?
橋:あんたが思ってる以上に理事長ってのは大変なのよ。
白:そーゆことだから、また高校で会いましょうね
そう言って奈々未と麻衣は帰って行った。
それにしても奈々未が理事長になっていたとは驚いたな。改めて10年という時の流れについて考えさせられた…
To Be Continued
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