1日にどれくらいの時間練習したらいいのか?
これ結構気になる人は気にしている問題だと思うので取り上げてみました。
あるギタリスト曰く「1日8時間は練習をしろ!」「友達を無くすまで家から出るな!」「酒は有名になってからだ!」というなんとも昭和時代のスポ根みたいな名言が有りまして・・・
私は一応お金をいただいてギターを弾く事が多いので、上記のお言葉を胸に刻んでお支払いただいた額以上の演奏が出来るよう必死に練習しています。
しかし、1日8時間以上の練習時間を確保するのはかなり難しい事ですし、8時間も練習していたら、集中力が途切れて練習内容が身に付きにくかったり、あまりの苦行によりギターへの興味や愛着が無くなってしまうかもしれません。
社会人の方や学生であってもテスト期間や部活動の兼ね合いにより、そこまで時間を確保できないけど「もっと練習効率を上げたいな」と考えている人には是非目を通していただきたいです。
・人の集中力の限界とは?
一般的に集中力は1時間半(90分)が限界と言われており、さらにその90分を15分毎に小分けして「15分・30分・45分・60分・75分・90分」という説が存在しています。
これは学校教育の時間割り(コマ割り)、TV番組や映画等もこの時間が意識して作られているそうです。
私はパソコンを使い練習する事が多いのですが、スクリーンセーバーの動作開始時間を15分に設定しています。
練習する内容によっては15分だと物足りないと感じる事がありますが(4分の曲を練習したい時は4周目のエンディング手前くらいまで・・・)、曲を通して練習する時は、画面が切り替わっても4周目の最後までで切り上げるor30分に設定して8周目の最後までを繰り返し練習する事が多いです。
※主に15分刻みでの練習が多いです。
人によって最も集中力が高まる時間が異なるので、一概に○○分が最適です!という案内は出来ないので、ご自身で最も集中し続けれる長さの時間を探してみてください。
集中力が欠けてしまったな、という目安としては「さっきまでは弾けていたのに凡ミスが目立つようになる」「練習中にその日の出来事を思い出したり、このあとの予定を気にし始める」「空腹感を感じたりトイレに行きたくなる」「携帯電話に誰かから連絡やSNSの通知が来ていないか気になり始める」この辺りの自覚症状が出てきたら、その時点で集中力は切れてきています。
上記以外にも練習している内容をいかに習得してやるぞ!という気持ち以外が入ってしまうと、それ以上続けていても効率が悪くなり練習内容が身に付かないどころかシンプルに疲れるだけです・・・
なのでまずは自分自身がどれくらいの時間1つの事に集中し続けられるか?を知っておく事が大切です。
・短期記憶と長期記憶。
もはやギタリストに向けた記事なのかわからなくなってきましたが、これまた大切な事ですのでご了承ください・・・
各記憶について学術的な解説をしてしまうと、それだけで1記事分の内容になってしまうので割愛して説明すると
新しい情報を脳の中に取り込むには3段階のメカニズムが必要です。目や耳を通じて絶えず入ってくる情報のうち、注意の向けられた情報は短期記憶に取りこまれます。短期記憶のごく一部は長期記憶に移りますが、そのほとんどは15秒くらいで消失してしまいます。そこで、これは大事なことだから憶えようと思ったら、その情報を繰り返し頭の中でリハーサルする必要があります。とくにその意味を考えたり、色々連想をしながらリハーサルすると、情報は短期記憶から長期記憶へと転送されます。たとえば、大事な電話番号を憶えるとき、語呂合わせなどを用いて憶えることはよくあると思います。これは記憶の固定と呼ばれ、長期記憶に入った情報は長く保持されます。(心の健康シリーズより抜粋)
もっと分りやすく言うと
学生の時に毎日顔を合わせるクラスメイトや仲のいい友達の名前は学校を卒業して数年経っても覚えています(これが長期記憶)が、何らかのきっかけで隣のクラスにいるAさん(特に珍しくも無いけど佐藤や鈴木のように圧倒的に多いわけでは無いので少し印象に残りにくい苗字)と2週間くらい学校行事で一緒になったことがあり、その時はその人の名前はもちろん覚えているけども、卒業して数年経ってしまうと顔はなんとなくイメージできるけど名前が出てこない(これが短期記憶)。
このように毎日顔を合わせている人は記憶に残りやすいけど、ほんの一時期だけの人は記憶から抜けていることが多い。この事からギターの練習も同じで毎日コツコツ積み重ねた事は覚えていて、たまにしか練習しない内容は覚えていないなんてことはよく見受けられます。
なので週に休日で1日5時間は練習時間を確保しているはずなのに、練習した内容が脳に蓄積されにくいので、練習してもなかなか上手くいかないなぁ…という思いをされる事があるかもしれません。
それと毎日コツコツ練習を続ける事により、昨日までは出来なかった事が出来るようになっている事に気付いた時の嬉しさが、またさらに練習しようという意欲にも繋がります。
・練習時間よりも大切な○○時間。
あなたは学生時代(もし学生の方なら最近)にテストがあり、それの勉強が間に合わないから前日徹夜をしてテスト本番を迎えたことが有りますか?または身近な方で「俺は徹夜で勉強をして今日を向かえてやったぜ!」とアピールしている人はいませんでしたか?
そんな徹夜明けで受けたテストの結果はいかがなものだったでしょうか・・・?(私は徹夜だろうと徹夜じゃなかろうと赤点でしたが何か?)
前項の記憶の話を少し掘り下げて、短期記憶から長期記憶にするためにすべき事ですが、もうお分かりの通り睡眠時間をきちんと取る事です。
寝るという行為には、体と脳を休めるだけでなく、記憶を整理しまとめる役割もあるというのが通説で、いくら一生懸命練習しても睡眠時間が伴わなければ、その日行った練習内容を正常に記憶できません。
アメリカの有名大学で検証実験した所、8時間程度が理想的な睡眠時間ということがらしいですが、これは人それぞれスッキリとした目覚めを迎える睡眠時間が異なる為私からは○○時間は寝れ!と明言できませんが、とにかく毎日ちゃんと寝てください・・・
記憶の定着化のために睡眠が大事という事で睡眠時間を取りましょうと書きましたが、それはフィジカル面でも必要な事なので、お忙しい毎日だとは思いますが睡眠時間を削ってまでギターを弾くのは少し控えたほうがいいと思います。
もちろんギターが楽しくて「やば!もうこんな時間かよ!」となるくらい没頭していたら、それはそれで楽しみながら上達していると思いますが心身の健康があってのギターという事はお忘れなく・・・w
・最後に。
ここまでギターレッスン的な内容ではなかったと思いますが、3項目をまとめると
・集中力は15分刻みで最大90分まで。
・たまにガッツリやる(短期記憶)より毎日コツコツ(長期記憶)。
・睡眠時間もお忘れなく。
上記の点を踏まえて、毎日朝と夜に分けて各15分~30分の練習時間で適切な睡眠時間を取ることでより効率的に練習内容を身に付けることが出来ます。
もちろん時間と集中力が続くようでしたら毎日時間の許す限り練習するほうが上達が早いかもしれませんが、忙しい現代人ですからより短時間でより効果を実感させたい人が殆どだと思いますので、是非この記事の内容をご活用していただければ幸いです。
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