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Profile
◾️水泳
「上から数えた方が早いもの」は、水泳しかありません。
カナヅチだった小学2年生の僕は、冬場も極寒の水で練習するビニールハウススイミングで泳ぎ始めて、普通よりも成長の遅い不器用な選手でしたが、ライバルの少ない平泳ぎだった事もあって、小学4年で延岡一番、小学6年で宮崎一番になっていました。
平泳ぎの同級生がいなくて、常に「先輩が目標」になっていたのが良かったのだと思います。
中学生になると、背泳ぎの先輩で目の前にいる全国中学 "3番" の先輩に憧れて、「全国制覇」の口癖から歩き方まで真似していたら、急激に記録が伸び始めました。
憧れの先輩。背が小さい僕は爪先立ちしてます(中学1年)
目標が「九州」を飛び越えて、「全国」になったからでしょう、僕の速さは、そりぁもう、九州では圧倒的です。
憧れた先輩とそっくりの状況に自分がなっていって、全国中学でトップ争いをしている状況だから、
「高校3年のオリンピックには出れるな」
と本気で思っていました。
まぁ「出ただけ」だけどね、高校3年でオリンピックの”代表選考会”には出場していますから、夢からはだいぶ遠い所だけど、カスってはいますよね。
チヤホヤされると、どんどん調子に乗ってグングン成長するタイプの僕ですが、高校時代は落ちぶれて、インターハイでは通用しない選手になっていました。
憧れの先輩を追いかけて入った競泳強豪高校の日大豊山は、全国大会で優勝する選手はもちろん、僕と同じ平泳ぎには、当時、現役のオリンピック選手もいた練習環境です。
強い選手はみな、普通の人たちとは違ったところに「考え方の力点」があって、速さに関係しない「物事の表面」は切り捨てて、限られた自分の資源を効果的に振り分けて使っているから、速くなっています。
一般社会の中では変わっている僕も、全国から集まった強い個性の中では、記録も、考え方も、平凡です。
この「平凡の中に埋もれてしまう程度の考え方」が、僕が持っている器の小ささですし、「全国では通用しない選手」に落ちぶれた最大の要因がそこにあると思います。
当時はそこを理解できていなかったのですが、「心で感じる現実」があまりにも辛くて、大学では水泳をやっていません。
水泳以外で唯一得意だった有機化学で大学院を出て、水泳とは縁のない生活をしていましたが、27歳の時に国体目指して復帰しました。
あんなに辛くて嫌だった練習が、水泳を離れていた10年間で好きになっていて、「仕事を少しでも早く終わらせて練習時間を確保しようとする自分」がすごく新鮮でした。
国体では個人で表彰台に上り、リレーでは優勝も経験させてもらったし、マスターズの日本記録も3回出せて、競泳人生としては満足していますが、結果に満足できたことで「水泳の本質はそこじゃない」という現実と向き合う事になります。
「最高の結果」による満足は、反対側から捉えれば「超えられない自分の壁」です。
「結果を目的」にしてやっていると、挫折した時はもちろん、「最高の結果が手に入った時」でさえも「超えられない壁」が現れて、それ以上の目的が見つけられなくなって「続けられない」という矛盾に行き詰まります。
「水泳」だから「引退」で済むけど、「生きること」がこの思考方法なら、「その判断」は取り返しが付かない結果になって、人生が終わってしまいます。
「結果は目標であって、目的ではない」から、「目標を達成したから」であれ、「挫折したから」であれ、「結果を理由に引退するのはおかしい」と僕は思うし、そもそも、「泳ぐ事は楽しい」、本質はそこです。
そこのところを「泳ぎで表現したい」と思っています。
◾️本
初中級者向けの本で、平泳ぎのパートを書かせてもらいました。
◾️SE業
水泳でご飯は食べられないのでSE業でご飯を食べていて、今は日本で一番有名な大学のスーパーコンピューターを請け負っています。
今思えば、せっかく教員免許を持っているのだから、水泳部で人を育てて未来を作る仕事をすれば良かったなと思いますが、大学を出る頃はまだ、挫折を引きずっていましたからね。
SE業の難しい所は、「機械」と「人間」の違いにキッチリ線を引いておかないと、知らず知らずのうちに、機械の方が偉くなってしまう所です。
「物」と「生命」が極限で消耗される戦争に置き換えて考えると分かりやすいのですが、「戦闘員の命よりも、ゼロ戦の方が大切に扱われてしまう仕組み」と似ています。
ゼロ戦ならお金、水泳ならタイムで価値を測れるけど、戦闘員も選手も、「チームを引っ張る人間力」や、指導者になった時の「人を育てる能力」といった「目には見えない価値」は測れないから軽んじられて、「目に見える価値」に負けてしまいがち。
大切なものは、いつも、目には見えないから、水泳も仕事も、
「自分でコントロール出来るものは、自分の内側だけ」
という目線を意識して持ち続けていないと、自分の「本質的な価値」が分からなくなるから難しい。
将来的には、ロボット販売の会社を作ってご飯を食べながら、「普通」の枠から外れた子供たちに「自分たちが直面する厳しい将来」を生き抜くのに必要な知識を教える塾を作って、大人になった彼らが新しい未来を作り、「普通」の規格から外れた人間でも「陽の本(ひのもと)」で歩んでいける社会になればいいなぁと、思っています。
◾️夢
お金の心配をしなくていいのなら、日本以外のあったかい国で4年間、大学水泳部に在籍して、屋外プールで思いっきり練習をしたい。