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詞先でも曲先でもないHotel California

桃栗三年柿八年花水木の馬鹿めは十八年」に一青窈の楽曲は曲先だと思っていたら「ハナミズキ」は詞先だったと書いたが、世の中には不思議な曲があるものでイーグルスの代表曲の「ホテル・カリフォルニア」はバンド音楽ならではの逸話がある。それはいいイントロができたからいい曲ができるまで待ったというのだ。いい曲だからいいイントロが出来るのが普通なのに。

確かに英語がわからずほとんど洋楽には興味がないのに、このイントロにはまいった記憶がある。しかしイントロが先にできていてあまりにもいいからこの曲をバンドの代表曲とすべく詞も曲も練りに練ったというから驚きだ。「セーラー服と機関銃とセカンド・ラブ」の頃にこの曲を大声で歌う奴がいたので英語の歌詞なのによく聞きとって歌えるなと聞いてみたことがある。

「適当に歌っている」の答えに、意味がわからないとその曲を味わったことにならないだろうと言ったら、隣の奴まで「曲を楽しめればいい」と言う。
確かウイスキーのCMだったが、大瓶の中の静かだったウイスキー面が次第に揺れて大海のように揺れだすのを凄いといたく関心するので、人間のすることは大したことはないとどこかで読んだ返事をすると本気に怒り出した。

他にも色々議論してからだったが、「それじゃあこのCMはどうやって撮影しているのか言ってみろ」というので何も思いついてもいないのに、口がすぐにこれは簡単だと動く。なぜか答えられなくても何とかなると確信もせずに言い出したのは引っ込めるのが癪だったからだろう。ところが簡単と言い終わらない内に、大揺れさせてから落ち着くまでを逆再生するのが見えた。

友人同士の口論だから大したピンチでもないが、よくもプライドを守れた。昨今のヒット曲はイントロがないとか短いとか挙げ句に退屈だからイントロをスキップするとも聞くが、イントロ先の名曲もあるのだ。実際イーグルスの代名詞ともなる名曲になったし、さらに後奏が先に出来た逸話まである。6分30秒にもなり長い曲はヒットしないと大反対された後奏も凄くいい。

#思い出の曲

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