【AFCON2021決勝】名将シセ率いるアフリカ王者セネガルの4-2-3-1の戦術分析
どうも。さかりーにょです。
2022年AFCON王者に輝いたセネガル。大会を通じてリバプールのマネやナポリのクリバリ、チェルシーのメンディなどそれぞれのタレントが個性を発揮する場面が多く見受けられた。今回は、そんなAFCON王者に導いたアフリカが誇る名将シセ監督の4-2-3-1戦術について分析する。
AFCON2021決勝のカードはセネガルvsエジプト。
スタメンは下図の通り。
攻撃戦術
セネガルの攻撃戦術における原則は「前線3枚」の強さと速さを最大限に活かしたダイレクトプレーを主軸にしたビルドアップ。前線の3枚が数的劣位の状況でも迷わずボールを打ちこんでいくスタイルは個の能力で完全にエジプトディフェンス陣を上回っているという分析からくるものであろう。
一方で、最優先である縦or背後への供給が無理だと判断するとSBが迂回ルートに立ち、そこから「サイドの裏スペース」にボールを流し込んでいくことが約束事である。そこからサイドを抉り決定的なクロスを供給するシーンが数多く見られた。このビルドアップは粗さは目立つが、5分5分の状況を意図的に作り出し、個の力で打開するという明確な狙いがあるために試合を通じて効果的であった。
実際に、大会を通じてセネガルが決めた得点の9点がペナルティーエリア内からというデータからもその効果を伺い知ることができる。
(セネガル得点分布※赤〇が得点ポイント)
一方で、スペースを空ける・使うという流動性はあまり見られず、1つのパスに対するサポートや3人目の動きもなかった。個の力で他チームを優っているチームが行う個のサッカーの究極形とも言える戦術であった。
守備戦術
7試合通じて平均失点が0.58という本大会で最も「カテナチオ」を成功させたシセ監督の守備戦術は大きく2つ。「リトリート」と「ハイプレス」だ。
ハイプレス時
前線からのハイプレス時には3トップのうちの1枚がトリガーとなるワンサイドプレスをかける。それに連動して残り2枚と後方の2ラインの位置が決まる。最も多く見受けられた「ボールの回収場所」はサイドエリアであり、前線から追い込んだボールを両サイドバックが奪取するというシーンであった。
リトリート時
リトリート時には4-4-1-1のブロックを形成し、ゴール前で相手にスペースを与えない。アフリカサッカーの特徴の1つとして3人目の動きなどを駆使したゴール前の崩しが頻繁になく、個の技術で局面を打開してく傾向が強いため、これまたクリバリなど屈強なCBとメ安定感抜群のGKメンディらを有し、個の力で優位に立つセネガルのディフェンスが大きく崩されるシーンはほとんどなかった。
セットプレー
CKオフェンス時の入配列に特徴がある。3人が1列に並び、マークに掴まれにくくする。
また、コーナーキックに対して「列を作る配置」を採用していることも大きな特徴の1つである。
さかりーにょeyes
セネガルは攻守両面において「個」の力が全面に出るような戦術を採用した。これは、大会に参加するチームの中でトップレベルの選手のポテンシャルと能力があって可能となる。逆にいえば、能力の高い選手を多く抱えるチームは11人対11人の「個」の差がより多く出るシーンを多く作り出せれば今回のセネガルのような結果を得ることができるであろう。
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