【2024セレッソ大阪第14節】C大阪に圧勝したFC町田ゼルビア2024版プレーモデル分析~2024J1第14節FC町田ゼルビア VS セレッソ大阪~
J1初挑戦とは思えない安定した戦いぶりで優勝争いを繰り広げるFC町田ゼルビア。第14節では同じく優勝戦線に留まるセレッソ大阪に圧勝しました。シンプルながら力強く、選手に迷いが見られないFC町田ゼルビアのプレーモデルが知りたいのですが・・・
どうもさかりーにょです。
本記事は2024 J1第14節セレッソ大阪VS FC町田ゼルビアの試合を基にその強さの秘訣を4局面ごとにゲームモデルにあてはめながら分析していきたいと思います!
本記事の信頼性
・年間平均200試合以上を分析しながらオリジナルの「さかりーにょ分析メソッド」開発
・JFA公認指導者ライセンスB級
・CAF(アフリカ大陸サッカー指導者) C級
・JFAフィジカルフィットネスC級
・IFCO公認サッカー戦術アナリストベーシックコース修了
・AEFCA公認マッチアナリストコース修了
・元海外プロサッカー選手&指導者
2024 J1第14節FC町田ゼルビア VS セレッソ大阪
スタメン
スタッツ
~2023シーズンに見えた優位性と課題~
2023シーズンのFC町田ゼルビアは洗練されたプレッシングとゴール前の強固な守備ブロック、そしてバリエーション豊富なセットプレーを武器に見事J2優勝を果たした。
一方で、先制されたゲーム展開を苦手とし、速攻とポゼッションの使い分けがハマらずに夏場に運動量が上がらずに失速したという課題も見受けられた。
“2024年FC町田ゼルビアフットボール”の仕組み【4局面】
さて、今節のセレッソ大阪との一戦では4局面においてFC町田ゼルビアはどのような原則を基にプレーしていたのかを紐解いていくことにする。
【4局面戦術分析】局面➀:攻撃分析
~ダイレクトフットボールとシンプルな原則の徹底~
町田ゼルビアの攻撃は非常にシンプルだ。攻撃時に狙うのはまず背後、次にCFへのポスト、そしてサイド。シンプルな分選手は迷うことなく徹底することができる。
引いた相手には、アーリーでがんがんオ・セフンにボールを打ち込みエリア内でカオスを生み出す。
【4局面戦術分析】局面②:ネガトラ(ボールを失った時)
~選手間の距離の精密さで即時奪還を実現~
ネガトラ時に即時奪還をテーマにした強度の高い整理されたプレッシングからのショートカウンターを狙う。3秒程度で奪い返すことができなければ一度4-4-2の自分の持ち場に戻り、体制を整えてから再度プレッシングを開始する。
【4局面戦術分析】局面➂:守備
~4-4-2 の3ラインゾーンディフェンスは芸術の域
2024FC町田ゼルビア守備の基本はゾーンディフェンスである。プレス時にはFWが最前線からワンサイドカットでプレッシングを仕掛け、サイド方向へ相手を誘導。ボールをサイドに蹴らせる、或いは意図的に外を切り、中央にパスを誘導して一気にカウンターを発動するなど相手のビルドアップの形に合わせて綿密なプレッシングを準備する。
また、ゴール前では面を作ってスペースを消し、クロス対応にはボールではなくボールから目を切ってでもマークの相手に「へそ」が向いている状態が維持できる態勢をとることを徹底させる。
【4局面戦術分析】局面④:ポジトラ(ボールを奪った時)
~ゴールに直結するダイレクトフットボールがポジトラの最優先~
ボールを奪ったらゴールへの最速・最短距離を選択する。ボールを奪う→相手最終ラインの背後を狙う→無理ならロングボール・楔で最前線に当てる→→サイドへ展開→という型が徹底されている
『2024 J1リーグ第14節』から読みとるFC町田ゼルビアプレーモデル分析
最後に黒田監督が率いるFC町田ゼルビアの「プレーモデル」と攻守における「プレー原則」を本試合の分析を基に勝手に定義していく。
FC町田ゼルビアプレーモデル
・守備は相手の保持ボールを意図的に誘導し、選択肢を極限まで奪った後に前向きでボールを奪う
・攻撃は最も効率的でリスクを負うことなく最短距離でゴールまで到達できるプレーを選択する
(無意味な横チャカ禁止)
FC町田ゼルビアプレー原則【攻撃編】
【主原則:リスク回避&最短距離でゴールに到達する縦に速い攻撃】
<細則>
・ボールを奪った後にまずは相手の背後、楔、斜め、横、後ろの優先順位
・相手を自陣に侵入させることで産みだしたスペースを素早く効果的に使う
・ビルドアップに詰まった際には長身FWにロングボールを蹴り込み起点を作る
・楔→レイオフ→サイドへの展開からシンプルにサイドにボールを運んでクロスを入れる
FC町田ゼルビア原則【守備編】
【主原則:連動した守備で少しでも高い位置で前向きにボールを奪い、ゴール前では面を作る】
<細則>
・ボールを上われた後に即時奪還を目指す。
・ゾーンディフェンスを基本とし、1stディフェンスのプレスと相手の体の向き状態で後方が連動する
・相手の攻撃方向を制限することで前向きでボールを奪い、カウンターにつなげる
・クロス対応は相手を「へそ」で見ながらマークすることを徹底する
さかりーにょEYES
1本中1本。
細部にまでこだわりどこまでも平等に選手を扱うことで知られる黒田剛監督。そして、自身の設定したプレーモデルを徹底させることで選手たちは試合中に迷うことがない。その結果としてFC町田ゼルビアの選手たちは最大限のパフォーマンスを発揮しやすい環境にいることは間違いないだろう。
また、自身のプレーモデルを体現できる選手をネームバリューに関係なく獲得するリクルート能力の高さもFC町田ゼルビアの強さの一因である。
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