【セレッソ大阪2024第11節】マンツーマンに屈したビルドアップ!実は攻略法が存在した?~セレッソ大阪 VS コンサドーレ札幌~
2024シーズンこれまで上手く機能していたセレッソ大阪のビルドアップがコンサドーレ札幌との試合ではほとんど出せず、ロングボール主体の攻撃になってしまっていた気がします。なぜセレッソ大阪の可変式ビルドアップはこの試合で息をひそめてしまったのでしょうか?その理由が知りたいのですが・・・
どうもさかりーにょです。この試合でコンサドーレ札幌に支配された前半さにはその原因があり、残念ながらセレッソ大阪はその根本的な問題を修正して取り除くことができなかった。今回は、その問題とどのようにそれを試合の中で“さかりーにょだったらこのように解決策を提示したというアイデアを共有”させていただきます!
2024 J1第11節セレッソ大阪VSコンサドーレ札幌を題材に分析をしていきましょう!
本記事の信頼性
・年間平均200試合以上を分析しながらオリジナルの「さかりーにょ分析メソッド」開発
・JFA公認指導者ライセンスB級
・CAF(アフリカ大陸サッカー指導者) C級
・JFAフィジカルフィットネスC級
・IFCO公認サッカー戦術アナリストベーシックコース修了
・AEFCA公認マッチアナリストコース修了
・元海外プロサッカー選手&指導者
2024 J1第11節 セレッソ大阪 VS コンサドーレ札幌
スタメン
スタッツ
セレッソ大阪ビルドアップを封じたコンサドーレ札幌の守備戦術とは?
コンサドーレ札幌のミシャ監督はハイプレス時に「オールコートマンツーマンディフェンス」を敷く。
具体的なマークの担当は以下の通りだ。
ミシャ式のマンツーマンディフェンスがなぜセレッソ大阪のビルドアップ対策にここまで効果的であったのか?
それは、セレッソ大阪のビルドアップ成功の鍵である「マークのズレ」を生じさせなかったからだ。
現在多くのチームがフロントプレスで採用しているゾーンプレスは各ポジションの選手がそれぞれ定められたゾーンを担当し、その範囲内にいる相手の選手に対してプレスを仕掛けることが原則だ。
セレッソ大阪はこのゾーンプレスの対策としてビルドアップ時に登里選手をインサイドに立たせてDHとして振る舞わせることで相手ゾーンディフェンスにおけるセオリーを破壊し、「マーク担当のズレ」を意図的に生じさせ、そのズレを活用しながら前進していく仕組みであった。
一方で、マンツーマンを敷いてくるコンサドーレでは登里選手が外に立とうが中に立とうが基本的には担当者である浅野選手がどこまでも付いてくるのでマークのズレを生じさえることができない。
マークのズレを生じさせることができなければセレッソのビルドアップは成立しないのでほぼすべてのシーンで後方からのビルドアップを諦め、レオ・セアラ選手にロングボールを打ち込みセカンドボールを回収するという選択をせざる負えなかったのだ。一方で、このような展開を予測していたミシャ監督はこのロングボール対策要員として空中戦で圧倒的な強さを誇る家泉選手をCBとしてJ1デビューを飾らせると同時に、レオ・セアラ選手にマンマークさせることでセレッソ大阪のプレス回避であるロングボール戦略も封じ込めたのである。
この辺りのゲームプランはさしずめミシャ監督の分析能力の高さの賜物であろう。
それではセレッソ大阪は本当にこのコンサドーレ札幌のマンツーマンに対してロングボール以外に選択肢がなかったのだろうか?
もっと言えばコンサドーレ札幌相手に「マークのズレ」を生じさせることができなかったのだろうか?
もし、さかりーにょがセレッソ大阪の分析官であったなら小菊監督に以下の解決策を提案しただろう。
コンサドーレのマンツーマンプレスを打開する!?さかりーにょの提案とは?
オールコートマンツーマンプレスに対してマークのズレを生じさせる方法は1つだけ存在する。
それは、マンツーマンマークしてくる相手を剥がすことだ。
マンツーマンディフェンスの構造上、どこかで1人を剥がすことができればボールを前進させることは容易であり、相手の誰かが自分のマークを捨ててボールに対してアプローチに来るだろう。この瞬間にマークのズレを生じさせることができるのだ。
それでは、この試合でもっとも容易にマンマークを剥がせるポイントはどこか?それはCBである。
特に、鳥海選手を担当している鈴木武蔵選手はGKのジンヒョン選手へのプレッシングも担当していることもあり、非常に剥がしやすい選手である。
この解決策は家泉選手にマークされるレオ・セアラに対してシンプルにボールを打ち込み続けるよりもより成功確率が高い方法であると言える。
また、キム・ジンヒョン選手が意図的にボールを持ち運び、コンサドーレの選手が我慢できずに食いついてきた瞬間のマークのズレを利用して前進するという方法も提案することができる。
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コンサドーレ札幌のマンツーマンディフェンスに対してセレッソ大阪は早々にビルドアップを放棄してロングボール回避を続けていたがこれはミシャの狙い通りの展開に落ち込まれたに過ぎない。このマンツーマンマークをかいくぐってボールを前進させて攻撃をすることでゲームの主導権を握り、札幌の展開に持ち込まれずに済んだと分析する。
今回コンサドーレが実践したセレッソ大阪へのビルドアップ対策は有効であったことから他のチームも導入してくる可能性が高い。もしさかりーにょが分析官であるならば、「CBのドライブ(運ぶドリブル)を通して容易にその守備組織を破壊し、マークのズレを生じさることが可能である」という提案をさせていただくことだろう。
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