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【駒澤大学】圧倒的フィジカルで2021年日本一!最強の強度を誇る3-5-2守備戦術分析

どうも。さかりーにょです。
2021年度第70回大学サッカー選手権王者に輝いた駒澤大学。「わかっていても止められない」と言わしめる徹底されたハイプレスとロングボール戦術は関東大学サッカー1部に所属する強豪大学からも恐れられる。今回は、2021年度第70回大学サッカー選手権決勝をベースに、駒澤大学3-5-2の守備戦術について分析する。
 
2021年度第70回大学サッカー選手権決勝のカードは駒澤大学vs阪南大学。
スタメンは下図の通り。


基本的には阪南大学がボール保持から敵陣突破を図り、駒澤大学がボールを奪ってからのロングボールをFWに打ち込み、早い攻撃を徹底するという展開でゲームが進んでいく。
この試合でひたすら際立ったのが駒大の連動したプレスからのボール回収だ。
駒大の守備は「連動」と「連続」を両立させた王者にふさわしい高い質のプレスを基本とし、圧倒的な球際の強さで速攻に持ち込むという完成度の高さであった。

駒大のプレッシングの基本


3-5-2を採用する駒大は2トップによるワンサイドカットを駆使したパスコースの限定からの連動した横ズレ / 縦ズレのスライドが抜群に上手い。
GK、2CB、CHのパスコースを2人で限定していき、サイドへボールを誘導してからの「同サイド圧縮」又はロングボールを蹴らせる。2トップの限定に連動して後方の8人はポジショニングを調整し、回収する。
駒大のプレスのタイミング2トップCBへプレスをかける時である。2トップがSBやSHへの横方向へのパスを誘導し、それをトリガーに一気に距離を詰めている。これにより敵に焦りを与え、パスミス、ロングボールの誘発と奪取につなげている。

CHの守備の特徴


駒大のCHの特徴は2点。1つ目がサイドへの誘導だ。ゾーンに留まるのではなく時にはFW-SH間のラインまで飛び出して中央FW-MFのライン間を塞ぎながらサイドに誘導している。
2つ目の特徴は個人でのボール奪取能力に長けている点である。駒大のサッカーの特性上50対50のセカンドボールや相手が2トップのプレスを回避するために蹴ったロングボールでの競り合いが非常に多い。このような空中戦を含む局面の1対1で勝率の高いCMを配置し、試合の中での主導権を握ろうとしているのである。

ボール回収からの攻撃まで


激しいプレスからのス素早いカウンターは駒大の1つに代名詞であるが、そんな駒大が狙っているボール回収からの攻撃までの完成形が上手く表れたのが得点シーンである。
プレーモデルの1つに駒大の選手はポジトラの際に判断を伴わずにワンタッチでボールを前線に送ることが多い。蹴りこむ位置は①同サイドの裏②2トップへの楔の2パターンの2か所であり、ポジトラの際にはワンタッチでこの2か所にボールをどんどん打ち込んでいく。判断に要す時間がないために、相手に準備をする時間を与えることなく一歩早くボールを収めることができるのである。特に、トップ下にサイドのスペースや裏にどんどん走りこめる荒木選手のような選手を配置することで一連の流れを完成させている。
ボール回収からの攻撃までの「駒大原則」は以下の得点シーンでもよく表れている。

さかりーにょeyes


駒大の守備は2トップの豊富な運動量と的確なワンサイドカットをトリガーにゾーンディフェンスで縦ズレ・横ズレを行いボールを回収するモデルである。
そして、圧倒的なフィジカルで局面を制圧し、試合の主導権を握る。一方で、2トップのプレスが聞かずにCBにドリブルで侵入を許した際や、ライン間に立たたれてビルドアップをされるようなシーンには脆さを見せることが多々あり、駒大の守備を崩すためにはこの辺りを参考にビルドアップを構築するのが最善であると考える。
試合はこちらから無料で視聴できます!駒大の芸術的な守備連動をお楽しみください!


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