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【ウニオン・ベルリン】22-23躍進の秘訣は攻守における『人数調整』!フィッシャー式3-5-2を2局面戦術分析~22-23ブンデスリーガ第19節ウニオン・ベルリンVS FSVマインツ
22-23ブンデスリーガで躍進するウニオン・ベルリン。資金力や戦力に限りがある中でここまでの結果を出せているフィッシャー監督の戦術が知りたいのですが・・・
どうもさかりーにょです。
本記事は22-23ブンデスリーガ第19節ウニオン・ベルリンVS FSVマインツを基にこんな疑問を解決していきます!
本記事の信頼性
・年間平均200試合以上を分析しながらオリジナルの「さかりーにょ分析メソッド」を開発
・JFA公認指導者ライセンスB級
・IFCO公認サッカー戦術アナリストベーシックコース修了
・AEFCA公認マッチアナリストコース修了
22-23ブンデスリーガ第19節ウニオン・ベルリンVS FSVマインツ
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スタッツ
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スタメン
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マッチアップ図
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フィッシャー式ウニオン・ベルリン基本戦術
これほどの躍進を見せているにも関わらず“戦術上の理由”から元日本代表MFの原口元気選手が下位に沈むシュツットガルトに移籍したように実践しているフットボールは「思わず息を飲む」ようなエレガントなものではない。
一言で表現するならば「失点リスクを極限まで抑えて効率よく得点を奪うことを追求した果てのプレーモデル」であると言える。
それではなぜ、このシンプルフットボールがブンデスリーガの並みいる競合を抑えて2位に位置しているのか?
そこには「攻守における綿密な人数調整」が隠されていた。
ここからはそんな、ウニオン・ベルリンの戦術を攻撃時・守備時の2局面に分けて分析していくことにする。
局面①:【ウニオン・ベルリン】フィッシャー式守備戦術分析
ウニオン・ベルリンの守備は「ブロック」と「ハイプレス」を局面に応じて使い分けるという特徴がある。
相手にボールを自陣に持ち込まれた場合には5-3-2のブロックを形成し、自陣ゴール前のスペースを使われないように管理する。
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一方で、相手が最終ラインからビルドアップを仕掛けてきた際にはFWのワンサイドカットをトリガーとしてワンサイドに相手を押し込み、同サイドのポジションの選手を前に押し出し人数をかけることでボールを回収する。
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ディフェンス時の人数調整まとめ
ブロック形成時:5-3-2
同サイド圧縮プレス時:7人(図の瞬間)
局面②:【ウニオン・ベルリン】フィッシャー式攻撃戦術分析~得点を奪うための人数調整~
この試合でウニオン・ベルリンが挙げた2点はともにサイドからのシンプルなクロスからの得点であった。
しかし、相手の守備がある程度整っている状況下でなぜウニオン・ベルリンのシンプルなクロス攻撃が得点に繋がるのか?
その答えは、クロスが上がる際に相手ペナルティエリア内に配置している人数の多さである。
具体的には、1点目のクロスシーンでは4人もの選手を相手ペナルティエリア内に配置している。
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2点目の得点シーンでは実に6人もの選手がペナルティエリア内に配置されているのである。
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それでは、ウニオン・ベルリンはどのようにしてクロス時にこれ多くの選手を相手ペナルティエリア内に配置できるのか?
その秘訣はビルドアップ時の「可変システム」に隠されていた。
ウニオン・ベルリンは攻撃時に4-3-3に可変し、攻撃に関わることができる人数を調整している。
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ウニオン・ベルリンが4-3-3に可変する目的は大きく2つ。
1つ目はロングボールを用いたダイレクトアタックを発動できること。ウニオン・ベルリンの攻撃は非常にシンプルだ。CFにロングボールを打ち込み2シャドーがセカンドボールに反応して得点を奪うというパターンを持つ。
2つ目は本試合で2得点を奪った「サイド攻撃」だ。特に引いた相手に対してはシンプルにサイドに展開し、シンプルにクロスを上げることが多い。この際に、3トップと近くにいるMFがペナルティエリア内に配置されることで圧倒的な人数配置を可能にしているのだ。
さかりーにょEYES
フィッシャー監督率いるウニオン・ベルリンを見ていると、限られた予算と戦力でも「攻守における人数調整」を明確にし、それを実現させるための道筋を究極までに無駄をそぎ落とした形で選手たちに共有することで大きな成果が挙げられることがわかる。
そして最後に書かなければならないこと。
それは、“ゴール前の迫力・気迫”である。本試合ではクロスに対して中で準備する選手たちは体を投げ出して段違いの迫力でゴールを奪おうとしている。そんな“本気で決めるという熱い気持ちもウニオン・ベルリンの大きな躍進の原動力なのだろう。
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