【セレッソ大阪2024第10節】流れを変えた秘訣は中盤の守備修正?小菊監督の修正と意図を分析~セレッソ大阪 VS 横浜Fマリノス~
AFC決勝進出の勢いそのままにヨドコウに乗り込んできた横浜Fマリノス。自慢のビルドアップで序盤優位にゲームを進めていましたが、途中からセレッソ大阪が盛り返したように見えました。なぜセレッソは劣勢を跳ね返すことができたのでしょうか?その理由が知りたいのですが・・・
どうもさかりーにょです。横浜Fマリノスに翻弄された序盤にはその原因があり、その問題を修正して取り除くことができたからこそセレッソ大阪は試合の流れを引き戻せたと見ます。
今回は、セレッソ大阪の小菊スタッフチームがどのように試合中の課題を解決し、流れを引き戻すことができたのかに焦点を当てて「修正力分析」をしていきたいと思います!
2024 J1第10節セレッソ大阪VS横浜Fマリノスを題材に分析をしていきましょう!
本記事の信頼性
・年間平均200試合以上を分析しながらオリジナルの「さかりーにょ分析メソッド」開発
・JFA公認指導者ライセンスB級
・CAF(アフリカ大陸サッカー指導者) C級
・JFAフィジカルフィットネスC級
・IFCO公認サッカー戦術アナリストベーシックコース修了
・AEFCA公認マッチアナリストコース修了
・元海外プロサッカー選手&指導者
2024 J1第10節 セレッソ大阪 VS 横浜Fマリノス
スタメン
スタッツ
セレッソ大阪が抱えていた2つの問題とは?
セレッソ大阪が序盤劣勢に見えていた原因は以下の2つの問題によるものだ。
問題①:フロントプレッシングが機能しない
問題②:アンカー田中駿汰の両脇を横浜FマリノスIHに使われる
それぞれの問題を深堀して分析していく。
問題①:フロントプレッシングが機能しない
横浜Fマリノスはビルドアップの際にGK+2CB+2SB+1DHの6枚で台形のような形を形成して前進する。セレッソ大阪はこれに対して1CF+2IH+2WGの5枚で流動的にプレスをかける構図だが、横浜Fマリノスはこの1枚の数的優位を巧みに利用してズレを作り続けた。
本来であればセレッソ大坂は両SBもプレスに加わるが、横浜Fマリノスの両WGがワイドで高い位置にて立ち続けるためにピン止めされてプレスに加わることができなかった。
問題②:アンカー田中駿汰の両脇を横浜FマリノスIHに使われる
横浜Fマリノスはセレッソ大阪アンカー田中の両脇にIHを立たせ、ボールを後方から引き出し続けた。セレッソ大阪としては田中駿汰選手の左脇で香川真司の背後のスペースを天野選手に使われるケースが非常に多く、攻撃の起点を作られてしまっていた。一見、香川真司選手がリトリートして天野選手をマークすることで解決するようにもみえるが、香川真司選手はセレッソ大阪においてプレッシングの役割も担っており、プレスを優先させた立ち位置を取っていたために起きた問題でもある。
問題に対してセレッソ大阪が試合中に「修正」した内容とは?
修正①:プレス時の-1を解消するために田中駿汰選手がプレスに参戦
横浜Fマリノス6人のビルドアップに対してセレッソ大阪5人のプレスの数的劣位を補うためにプレスが高確率ではまりそうな際には田中選手が加わるように。結果として1点目に繋げることができた。しかし見逃せないのはその前段階でのレオセアラと香川真司のプレスの強度と立ち位置だ。二人とも背中で上手く背後のパスコースを消しながら高強度でプレスをかけている。この前段階があったからこそ田中選手は容易にパスコースを予測し、仕上げることができた。
一方で、図の通り横浜Fマリノスのナムテヒ選手が1タッチで山根選手にパスをしていたらプレス回避されていた可能性が高いことを考えると、奥埜選手が山根選手までスライドをしておく必要があっただろう。
修正②:4-5-1で奪う守備から待ち受ける守備に修正
セレッソ大阪は観客席の体調不良者アクシデントが起きた際に、監督から細かな立ち位置の修正の指示が出た模様だ。そして、プレッシングが機能していないために起きている田中駿汰選手の両脇をカバーするために守備陣形を4-5-1とし、両IHを田中選手の脇に配置してスペースを消すと同時に、ライン間の距離をコンパクトにすることで横浜Fマリノスの両IHをセレッソの選手の「檻」の中に収監することに成功した。
さかりーにょEYEs
セレッソ大阪の課題はフロントプレスが決まらない場合に容易に前進をされてしまうことだ。
これは、プレスを担当する前線5人の役割が流動的であり、都度意思疎通をしながら行うことと数的優位の相手に対しても限定ではなくボールを奪いに行ってっしまうことで剥されて前進されてしまうケースが多々あることが主な原因である。
4-5-1にすることで守備の改善はできるがその後の攻撃に繋げるとことが非常に難しくなることを考えると、4-5-1からの攻撃とプレッシングの整備をすることが今後の鍵となることは間違いない。
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