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BHAの適応とその他術式(THA・骨接合術)との比較

導入 - なぜこの記事を書くのか -

こんにちは。回復期リハビリテーション病院で働いている理学療法士3年目のYSです。

回復期で働いていると必ず毎日といっていいほどBHAやTHAの患者様とリハビリをしていますよね。毎日リハをしているのにも関わらず、BHAやTHAに関する深い知識がないことに気がつき、この度Noteにて本や文献などの知識をまとめていくために記事を書いています。

何事もインプットしたことをアウトプットすることで知識が定着しますからね。というわけで、今回はBHAの適応対象とその他の術式を比較した内容についてまとめていきます。

今回参考にした本や文献はまとめて最後に記載しておくので、一次情報や元の情報を確認したい方はそちらを確認してみてください。

適応 - BHAの適応 -

今回は回復期リハで働いていることもあり、よく遭遇する疾患での適応を見ていきます。

大腿骨近位部骨折

大腿骨近位部骨折に対する術式としては、骨折した箇所が転移しているか・転移していないかを判断し、それに見合った術式を選択することになります。

  • 非転移型大腿骨頚部骨折(Garden分類Ⅰ または Ⅱ)

2011年に発行された大腿骨頚部/転子部骨折診療ガイドラインでは、Garden分類ⅠもしくはⅡの場合骨接合術もしくは人工物置換術の選択をするのが良いとされています。

Garden分類ⅠもしくはⅡの場合、人工物に置き換えずとも骨癒合率が高いため、骨接合術が推奨されています。しかし、骨接合術には骨折部が完全に癒合しなかったり、大腿骨頭壊死(画像参照)などによる再手術の危険性もあるとのこと。
実際に8〜16%程度の骨接合術患者は再手術にて人工物置換術を施行されているという報告も。

Tips
ちなみに骨接合術を行った際の骨癒合率は
・非転移型:85~100%
・転移型:60~96%

とされているそうです。

また骨頭壊死率は
・非転移型:4~21%
・転移型:46~57%
と転移型は結構な確率で骨頭壊死が発生することがわかっているそうです。

大腿骨頚部・転子部骨折のガイドライン
骨接合術後に大腿骨頭壊死になった例(参考:https://yasutomi.jp/hip-pain.html)

そのため、近年ではBHAを選択することも多くなってきていて、術後の死亡率や股関節機能は骨接合術とBHAには大きな変化はないが、再手術率や移動能力を比較した際にはBHAがより良い選択になることが明らかになっています。

骨接合術の場合、術側の大腿骨頚部が短縮してしまうため、脚長差や股関節外転筋力の低下を引き起こし、歩行能力が低下するとされています。一方BHAは術前の評価により元の、もしくはより良い脚長を再現することが可能なため、骨接合術と比較しても移動能力が高く保たれることがわかっています。

非転移型大腿骨頚部骨折に対するBHAと骨接合術の比較


  • 転移型大腿骨頚部骨折(Garden分類Ⅲ または Ⅳ)

ガイドラインでは高齢者の転移型大腿骨頚部骨折の場合、人工物置換術が推奨されています。
上記でも述べましたが、骨接合術の場合は大腿骨骨頭壊死や骨折部に偽関節になってしまう頻度が高くなってしまいます。そのため、再手術率が低く股関節機能を高く保てるBHAを適応するべきとされています。

Tips
Garden分類は、Ⅰ〜Ⅳに分類されるが果たして見分けが可能なのかと思い調べてみると、検者間での一致率が低いことがわかった。
はっきりⅠ〜Ⅳに分ける必要はなく、転移しているのか・していないのかという判断と、転移の仕方によって損傷が想定される組織を考えることが大切だと感じた。
Garden分類 I・Ⅱ:非転移型
Garden分類 Ⅲ・Ⅳ:転移型

ちなみに正しく分類する必要があると思う意見があるのであればコメントなどもお待ちしております。お互いに勉強になれば幸いです。

まとめ

骨接合術やBHAについてどのような方に適応となるのかをまとめました。
まとめていくうちに、骨癒合率や骨頭壊死率なんかも調べられてなるほどなと思うことも多かったです。

ほとんどの場合はBHAもしくはTHAが適応されることはわかりました。骨接合術は若い方が事故などの高エネルギー外傷などによって骨折された場合に適応されることが多いようです。股関節の機能が保たれていているし、人工骨頭の中心化のリスクなんかもあるためだそうです。

当面の間はBHA、THAについての記事を書いていくつもりです。
他の記事も気になったら読んでみてください。
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参考

BHA・THA 人工股関節置換術パーフェクト 羊土社
https://www.yodosha.co.jp/yodobook/book/9784758118965/


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