筋が疼痛や可動域制限の要因となるメカニズム

理学療法を行う上で、絶対に避けることができないのが関節可動域訓練であり、その中でも筋による可動域制限を目の前にすることが多いと思います。

そこで今回は筋に着目し、筋の状態によってなぜ可動域制限が起きるのかを記していきたいと思います。

筋攣縮

筋攣縮きんれんしゅくは、筋が痙攣した状態のこと。また筋攣縮が起きている際には血管も痙攣していることが多いようです。
例えば膝関節が侵害刺激を受けることで侵害受容器が反応し、脊髄反射によって前角細胞のα運動繊維に作用し、筋が攣縮を起こします。

筋攣縮が起こると、筋細胞内に痛みを発する物質が発生するため疼痛が発生します。また圧刺激や伸長痛も発生します。

筋短縮

筋短縮は伸張刺激にたいして筋が伸びることができず、抵抗性が高まっている状態のことです。これは筋腹などの伸展性低下と筋膜の繊維化によって起こります。
繊維化はコラーゲンの増殖によって起こることがわかっています。

筋には筋節が存在し、伸張が加わると筋節が引き延ばされますが、この筋節の数が現象することで伸びにくく抵抗感が増した状態になります。

癒着

癒着とは、別々の組織が一つの塊となって滑走しにくくなることで、粘性が高まって滑走性が失われた状態のものも含みます。
軟部組織が損傷すると修復過程においてフィブリノーゲンや繊維芽細胞の増殖・成熟によって瘢痕組織が形成され、周囲の組織を巻き込みながら癒着していきます。

そのため、癒着部付近は硬くなり滑走性が低下することで収縮時痛や伸張痛を認めます。(組織間滑走障害)

まとめ

筋攣縮、筋短縮、癒着によって筋性の関節可動域制限が起きますが、それぞれ圧痛や伸張痛、収縮時痛などを認めるため、各症状に対してのリハのやり方が存在します。
明日はそれについて記事を書いていこうと思います。

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