コーヒードリップの基本と概念(その3)
前回からの続きです。
今日はコーヒーフィルターについてです。
コーヒードリップ用フィルターについてもいくつかあります。
●ペーパーフィルター
●ネルフィルター
●ステンレスフィルター
●ゴールドフィルター
●セラミックフィルター
●新しいタイプの布フィルター
の6種類が現在のところのコーヒーフィルターです。
そもそも何故?フィルターを通すのか?
1番はコーヒー粉がカップ又はサーバーに入らないようにする為、だったはずなんです。
はじめは、
布(まだネルなどではなく普通の布だったと思います)や鉄に細かい穴を設けたもの(今のステンレスフィルターの最初)で抽出。
ドイツのメリタ・ベンツ夫人が考え出したのが紙のフィルターと最初のメリタドリッパーです。
当時のコーヒーを砕いた粗めのコーヒー粉を紙で濾過する事で、雑味や粉感がペーパーに吸収され美味しくなった!偶然の産物ですが、それがコーヒーの「透過式」の始まりだったようです。
今は技術も発達し、ペーパーでは出せない味としてネルフィルターやステンレスや金加工を施したゴールドなどのメタルフィルターも出回ってます。
※セラミックフィルターについての説明はまた後日。面白いフィルターなので。
当店ではペーパーフィルターを使用しています。
全てのフィルターも持ってますが、
オペレーション(運営)上かなり大変なので、ドリップワークショップなどで使っております。
ペーパーフィルターを使用する際、最近のコーヒーショップでは「リンス」を行います。
リンスとは「湯通し」のこと、
ドリッパーにペーパーフィルターをセットしたら、まず熱湯で通します。
理由は
●ペーパーの紙臭さを流す。
●フィルターを温める。
役割です。
ちなみに、当店はリンスしません笑。
何故かというと、
実際、実験と実証を行いまして、
紙質が悪かった昔ほど、今は紙の匂いがしないということ。
以前は紙を袋状に繋ぐためと「糊のり」も味として感じていたそうです。
あと、フィルター自体にお湯が残っている場合に抽出の邪魔になるのではないかということ。
ただ、冬場の寒い時期はサーバーもフィルターも冷たくなっているので、
営業開始時の抽出の最初と、明らかに冷たくなっていると感じた際に、フィルターはセットしない状態でサーバーとフィルターに湯通しします。
冷たいと抽出効率が下がります。
皆さまも家でドリップ、山でドリップする際は器具を少しでも温めてあげるようにしてください。
さて、
最近新しいタイプの布フィルターが出てきているようですね。
海外などで見かけるようになった、少し分厚いタイプの布フィルター。
一度試してみましたが、まだまだこれから!のような気がします。
洗えるし、エコな感じもしますが、
厚さが邪魔しているのか、
抽出タイムが遅く、過抽出(全体的に濃くなる)になる、もしくは折り曲げ方が良くないと湯が抜けやすくなり未抽出(全体的に薄くなる)になる傾向があるようです。
あまり言うと営業妨害です!と言われてしまうので笑、この辺で🙏。
ただ、美味しいと思えるコーヒーは「その方に合う味」です。
それを原理としてフォローするのが、我々の役割だと考えております。
また、つづく。