パッケージみたいなチキンラーメンを作る
暇なのでパッケージみたいなチキンラーメンを作ることにした。
なんでパッケージみたいなチキンラーメンを作りたいのかというと、パッケージみたいなチキンラーメンを作りたいからである。
普通にやってもパッケージみたいにならず、白身でグチャグチャになって汚くなったり、全然固まらなかったりする。ここをクリアすればパッケージみたいになるはずだというわけで、まずは公式のサイトを見てみる。
ところが直感的にこの方法では失敗しやすいような気がするというか、パッケージの写真と、公式の方法に掲載されている写真では卵黄の部分の状態が違っていて、パッケージのほうがより固まっているような雰囲気である。チキン野郎(変な鳥みたいな絵)は、作りやすいように簡略化した方法を紹介している可能性が高く、真実は別にあるはずだ。
先に書いたように普通にやるとチキンラーメンはパッケージみたいにならず、白身でグチャグチャになって汚くなったり、全然固まらなかったりする。そういうビジュアルになる原因は、チキンラーメン自体ではなく卵にある。というわけで卵の調査をすると、次のようなことが分かった。
白身が固まり始めるのが58℃ですが、80℃近くに上がらなければ完全には固まりません。一方、黄身は65~70℃前後で固まり始め、この温度を保てば、ほぼ完全に固まります。
https://www.yodoran.com/oshiete-tamago/faq/015.html
白身の部分はぷりっとした弾力のある「濃厚卵白」とさらっとした「水溶性卵白」に分かれますが、産みたての卵は「濃厚卵白」が白身のほとんどを占めています。
https://www.ise-egg.co.jp/world/trivia/q5.html
二つの情報から固まらないのは卵白が十分な温度に達していないから、グチャグチャになるのは水溶性の部分が分散するからだという仮説を立てることができる。これをクリアするために、次のようなプロセスでチキンラーメンを作っていく。
0.おいしい作り方を確認、基本的には従いながら作っていく
1.事前に60度程度お湯を丼に注ぎ卵を投入し、鍋のフタで閉じておく
2.気が向いたらお湯を600cc湧かし、卵を取り出し熱湯300ccで丼を温める
3.丼が十分に温まったらお湯を捨て、チキンラーメンの下に卵の水溶性の部分を流し込み、チキンラーメンの上に卵を載せる
4.熱湯400ccを注ぎフタをして3分、フタを取りネギを入れるとそこそこパッケージみたいなチキンラーメンが完成する
卵を固まりだす直前の温度にしておいた上で、水溶性の部分をラーメンの下に隠しているのがポイント、新しい卵であれば水溶性の部分は気にしなくてもいいかもしれない。
反省点としては刻みネギが古くなっており、ビジュアル的にイマイチだったことと、黄身の硬さは多分パッケージのものにかなり近くて良かったとは思うものの、白身の面積が減ってしまったことである。新しい卵を使い、普通のネギをパッケージっぽく切るとより良い結果が得られたと思われる。
麺はちょっと塊感があってパッケージの柔らかさがない。もう少しほぐしてやれば良かった。
あとオッさんにチキンラーメンの味は濃いので、多めのお湯で作ったほうが良い気もするが、大量のお湯を使うのはビジュアル的にどうなのかなといった問題もある。チキンラーメンをパッケージっぽく作るのは若者の仕事で、俺はもう昔の俺ではなくオッさんであり全体的に弱っていることを認識しながら生きていきたい。
次回はもう少し上手く作れるような気がしないでもないが、先にも書いたようにチキンラーメンはオッさんにはヘビーな食べ物である上に、まあこんなもんでいいかなといった雰囲気で十分に満足しているので、リベンジは当分ないと思われる。
長々と解説してきたが、ラーメンは普通に作れば5分もかからず完成する。しかしこのように目標を設定し、調査をしてから作ると2時間くらいかかり良い暇潰しになるので、なかなかおすすめです。
こういう行為は面白そうだけど、やったことがないという人向けの文章も書いたので、よろしければどうぞ。
さらに本格的にやりたい人向けのガイドブックはこちらになります。
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といったように色々としているのだが、後日もっとパッケージのようなチキンラーメンを作りたくなり、数ヶ月の苦闘の末に比較的パッケージのようなチキンラーメンが完成した。
こちらも興味があればどうぞ。