2023 北海道③ 3泊4日オホーツク・北海道リベンジ 中編
はじめに
こちらはアドカレの企画の3番目の記事です、今回は観光がメインとなっています。
オホーツク前編は下記をご覧ください。
3日目
投獄前の腹ごしらえ
いよいよ北海道の旅も折り返し地点、そしてこれからが本番、丸1日の休日だ。
今日はオホーツクでも海側の地、網走で観光する予定だ。
メインはもちろん網走監獄だ、このような機会でないと中々訪れることができないので興奮で鼻血が出る。
鼻にティッシュを極限まで詰め込む、まずは腹ごしらえだ、朝食ビュッフェを嗜もう。
いつも通りの良い朝食、しかし日替わりでおかずが変わるのはとても嬉しい、毎日飽きずに楽しめる。
オレは朝食ビュッフェのウィンナーやベーコンといった加工肉に目がないのでついとってしまう、今日は歩き回る予定なので揚げ物も多めに摂取して力をつける。
そしていももちとお豆腐は恒常メニューなのも嬉しい、これ本当にうまくてお代わりもしてしまった。
最高の朝食だ、好きなものを好きなだけ食べられるし、いくらお代わりをしたって構わない。
食後はサービスのドリップコーヒー、コンビニに置いてあるようなコーヒーサーバーが常設されており、無料だし持ち運びも可能。
自室へ戻る時に一杯、腹ごなしに休憩してから網走へと向かうことにする。
あら、カワイイ。
本州ではなかなか見ない小鳥さんが挨拶に来てくれた。
お名前は存じないが、てちてちと歩くその様子に癒されてしまう、オレは今から網走へと旅立つ、そこで無事を祈っていてくれ。
網走監獄は最もハードコアだったぜ
車を走らせること約1時間、博物館網走監獄へと到着した。
晴れてるように見えるが外気温は-2℃ととても寒い、雪は溶けつつあるが路面は完全に凍結しておりめちゃくちゃ滑って危ない。
冬に網走へくる方は注意が必要だ、オレの母親は氷で滑って骨折したことがあるので本当に注意だ。
さて、網走監獄は『旧網走刑務所』を保存公開してる博物館である、ざっくり言えばロシアからへの脅威対策として、北海道開拓のため囚人を使役するために建設されたものである。
広大な地に道路、農業、畜産、家などが囚人によって開拓、貢献され進められたのだ、しかしその開拓によって多くの犠牲者が生まれたのは忘れてはならない。
網走監獄があり今の網走があるということ、網走のみならず日本の行刑史、建築史に対しても貴重な存在なのだ。
ハードコアの真髄だ、オレは今日そのハードコアの数々を学び、心に刻むこととなるだろう。
赤いレンガが立派な、あまり潜りたくはない方の赤門は網走監獄の正門である。
囚人からしてみればここから先は地獄の始まりである、その威風堂々とした門構えは多大なる重圧感を醸し出している。
横にいる看守はもちろんマネキンなのだが、かなりリアルテイストな造りなので怖い。
オレは失禁しそうになりながらも、その門を潜り網走監獄へと投獄されるのであった。
門を抜けた先は網走監獄の庁舎、元々管理棟として利用されていたものである。
洋と和が交わったその美しい建築物は重要文化財に指定されている、建築史上無視はできない大切な建物なのだ。
現在はお土産屋さんや網走監獄にまつわる歴史、建築資料などが展示されており、非常に勉強になる。
ここを眺めているだけで軽く半日はかかりそうだ、じっくりと学びたいところだが網走監獄自体広大な敷地にある、少々急ぎ足で回ることにしよう。
特にこの雑居房に用いられている『斜め格子』はなるほど考えたもんだ、と感心した。
囚人からは外を見る事は容易ではないが、看守からは囚人の様子を伺うことができる、更に骨まで染みる寒さの地には欠かせない暖房や換気まで考慮されている。
一見簡単な作りに見えるが、そのシンプルさがゆえに様々な技術が詰め込まれているという事だ。
こちらは『ニポポ』である、別にふざけているわけではない、網走の郷土玩具である。
アイヌニポポというアイヌのお守りが起源、それを刑務所作業製品として量産したものがニポポである。
網走では馴染みの品であり、街中ではけっこういたるところでニポポが用いられている、地域を結ぶ大切なものなのだ。
こちらは『釧路地方裁判所網走支部』が新設に伴い、旧施設が移設されたものである。
監獄と裁判所は切っても切れない存在である、多くの被告人はこの裁判所で実刑判決を受けた後、網走監獄で服役したということ。
裁判所の作りや司法について学べる大切な施設である。
『昔使われていた法服が闇の魔術師みたいでとてもカッコいい』
学びの場でバカ丸出しの感想しか出てこないので困ったものだ、教養がないとこんなことしか考えられないので勉強はしっかりしておこう。
味噌製造や農業で用いられた道具にロマンを重ねる、そういう場ではないのだがレトロなものにはロマンを感じずにはいられないのだ。
こちらの建物は休泊所、日帰りできない作業をする時に建てられる仮の寝床である。
このように固い丸太を枕にして寝るらしく、朝を迎えると丸太をハンマーで叩いて起こされるらしい、どうしてそんなことするの。
しかし多大なる量の展示物である、全てを紹介するのは骨が折れそうだ。
細かいところはオマエの目で確かめてもらうことにして、そろそろメインの施設である『舎房及び中央見張所』へと向かおう。
こちらがその入り口、さすがはメインの舎房ということだけあり立派な面構えである。
『おい!写真が見切れているじゃないか、この下手くそ!』
黙っていろこのバカモノ、見切れているのは仕方がない事で不可抗力なのだ。
これはあまりにも巨大な建築物のため入り口しか写らないのであって、オレのカメラスキルが低いだなんて事は断じてない。
実物はこの地図のように放射状に5つの舎房が伸びている。
地図上で見るだけでもかなり巨大だ、写真に収まらなくて当然である。
早とちりをしたね、文句を言う時はよく調べてから発する事だな。
中へ入ると有名な中央見張所が迎えてくれる。
見張所を中心に5方向へ舎房が伸びており、中心部から全方向への監視ができる作りとなっている、よく出来ているもんだ。
監視する方も大変な気がするが、監視カメラなどが無い時代に大勢の囚人を見張るために駆使された知恵の集大成だ。
ちなみに館内温度は3℃、凍えるように寒い、こんなところに入れられたら間違いなく凍死してしまう。
悪いことはするもんじゃないと再認識した、割に合わなさすぎる。
一本一本の舎房が無限回路のように長く続いており、牢屋の扉が無限に連なっている。
まるでホーンテッドマンションのようだ、一体どれだけの囚人がこの監獄に務めていたのだろうか。
オイ、お前白石だろうッ!
思わず有名な漫画のセリフが出てしまうが、その元ネタとなった脱獄で有名なあの方の展示だ、その漫画では網走監獄は重要なポイントなので感慨深い。
よく脱獄したもんだと思ったが、そりゃこんな寒いところオレだって脱獄もしたくなる。
ちなみに服役されていた囚人によると骨まで染み渡る寒さとのこと、気休め程度であるがこのようなゴムゴムのストーブで暖をとり凌いでいたらしい。
オレはあまりの寒さに本物かと思い近づいてとてもガッカリしてしまった、当然の如く作り物だ、バカ丸出しである。
その後も色々と見学し、全ての展示を回ったためそろそろお暇することにしよう。
寒すぎるのでとにかく車に戻りたいというのもあった、軟弱な男だ。
しかし今日学んだ歴史やハードコアはオレの心にしっかりと刻み込まれた、この出来事を忘れる事はないだろう。
オレは様々な思いを寄せながら網走監獄を後にする、あの闇魔術の服、スゴイカッコよかった…。
余談だがこちらは網走監獄で1番売れているお土産である、ニポポも何故かたくさん舞っているね。
お土産屋さんの店主さんが『稀に見る寒波だというのによく来たね』と言っていた、まったくだ。
これは父親へのお土産になりました。
流氷館で自然を知る
網走監獄から脱獄したオレは車で5分ほどの施設、『オホーツク流氷館』へとやってきた。
網走といえば流氷がやはり有名だ、こちらはそんな流氷やオホーツク海の生き物をテーマに展示を行っている博物館である。
オフシーズンのため流氷は見られないが、眺めの良い展望台もあるので自然を満喫しよう。
中へ入るとオホーツク海の生き物が展示されている。
流氷の天使とまで呼ばれるクリオネちゃんは小さくてカワイイ、人だかりができるほどの人気だった。
さらに施設内のシアタールームでは流氷の美しい映像、流氷が奏でる独特の音色、自然における流氷の必然性などを学べる映画が上映される。
正直この映画を観るためだけに訪れる価値はあると想う、かなり高クオリティの見応えのある作品だった。
映画の撮影は禁止されているので是非その目で確かめてほしい。
この展示からも流氷がいかに大切で自然の中に組み込まれているかが分かるだろう。
オマエたちもアザラシからのメッセージをよく読み、環境への取り組みを始めようじゃないか。
ただオレは紙ストローを許す事は生涯あり得ないだろう、今すぐ廃止してほしい。
さて、屋上テラスへと上がるとオホーツク海や網走湖、街並みを一望できる展望台となっている。
絶景である、これはとても良い景色だ、空気も澄んでおり空も青々と綺麗だ、水平線も遠くまでよく見えて気持ちが良い。
ただ氷点下に晒されておりなおかつ突風が吹き荒れているため寒いなんてもんじゃない、網走監獄で説明のあった骨まで染み渡る寒さとはこのことだろう。
とてもじゃないが長居は出来なかったので早々に中へと戻る、軟弱者と言われてもいい、生命の危機を感じたのだ。
しかし寒さからは逃れる事はできない、こちらは-15℃の極寒を体験できる流氷体験室である。
展示されている流氷は本物の流氷らしい、気合いの入れ方がまるで違う、さらに流氷に住む動物の剥製も展示されている。
中へ入った途端襲いかかるその寒さに驚愕、こんなところいたら死んじゃうって。
係員さんから濡れタオルを支給された、こいつをぶん回すとすぐに凍ってタオルが直立してしまう、-15℃はもはや人間が生きていられる気温ではないということだ。
しかしあまりにも寒い、寒いと言うかもはや痛い、オレの完全防備はその途轍もない寒さには歯が立たず冷気が貫通してくる。
呼吸をするたびに肺にダメージ肌が入ってる気がする、もうこんなところには居られない、限界だ。
情けなくも撤退である、北海道という自然の前には歯が立たなかった、自然の恐ろしさ、つまりハードコアを身をもって経験した。
自然を舐めてはいけない、待ち構えるのは死のみ、そんなハードコアを教えてくれるオホーツク流氷館、おすすめのハードコアスポットです。
道の駅で散策&グルメ、お土産紹介
-15℃から-1℃へと気温の変化を感じると温かく感じてしまうから人間というのは不思議なもんだ。
さて、少々腹も減ってきたところなので道の駅『流氷街道網走』へとやってきた。
ここは道の駅でありながら観光ステーションでもあり、観光相談や宿の手配なども行なっている。
更に流氷砕氷船の乗船場も併設されているので、流氷観光の拠点ともなっている。
グルメ、ショッピング、観光、全てが楽しめるナイススポットという事だ。
雲の間から刺す光がとても幻想的、一面に広がる大海原も、道の駅にいながらこの絶景はなかなか見られないだろう。
さて、オレは今回この道の駅でどうしても見たいものがあったのでやってきたのだ、それを探して氷点下の外を歩き回る、とても寒い…。
ありました、ご当地ポケモンマンホールのポケふたです。
ご存知の通りオレはポケモンが大好き、中でもマニューラくんはとても好きな方なので是非訪れたかったのだ。
北海道のポケふたはそのモチーフとなったシンオウ地方のポケモンと、北海道を道内外にPRする「北海道だいすき発見隊」のアローラロコン、ロコンが描かれている。
ポケふためぐりは旅でやりたかった事のうちの一つなのでとても嬉しい、あとカワイイね、とっても。
ただ確かアローラロコンってマニューラの獲物で好物だった気がするけど、一緒に写って大丈夫なのだろうか。
館内ではインターネットで有名なあの人も観光大使として活躍中だ、何やってんだろうこの人。
寒さにやられてしまったのでしばらくお土産を物色しつつ体を温める。
ここのお土産屋さんはとても大きく品揃えも豊富、海産物などもあり見てるだけで楽しいし何を買うか悩んでしまう。
とりあえず妹へのお土産としてROYCE’のチョコレートポテトチップを購入、彼女の大好物で北海道に来た際は必ず買って帰る。
このカロリー爆弾を数秒で平らげるというのだからいつも驚かされる、オレは2枚でギブアップだというのに。
さて、オレはここでいくつかお土産を買った、話が逸れてしまうが少しばかり紹介しようと思う。
まずは北海道が誇る製菓店、六花亭の『六花のつゆ』だ。
いわゆるアルコールの入ってるボンボンである、いろんな動画で紹介されているので一度食べてみたかったのだ。
そしてこの煌びやかな宝玉は、口に入れた瞬間にほろりと溶け出し、中から様々な色の素敵な思い出が溢れ出る。
暖かい、ボンボンというのはこんなにほんわかとするものなのだろうか、北海道のハスカップ畑や豊かな大地、寒さの訪れたハッカ畑など様々な情景がインプットされてゆく。
こんなにも暖かな気持ちになれるお菓子はそうそうない、まさに食べる絵日記である、見かけた方は是非味わってほしい。
続いてシマエナガちゃんのカワイイ箸置きだ、とてもカワイイ。
箸置きを見かけるとやはり買わずにはいられない、ご当地箸置きというのも風情があっていいものだ。
このなんとも言えない哀しそうな嬉しそうな、なんとも思ってなさそうな顔がまた良い、お気に入りの一品です。
せっかくなのでご当地ステッカーも買った。
日記の表紙の裏に貼った、日記を読み返すたびに思い出も蘇るという事だ。
シールやマステが好きなので、こういうものもついつい買ってしまう、収集癖があるので形に残るものを買いがちなのだ。
さて、だいぶ腹も減ってきたので併設されているフードコート『キネマ館』へとやってきた。
網走は映画の舞台としても有名だ、特に『男はつらいよ』はどの世代でも聞いたことのある名作だろう、寅さんの絵画も飾ってある。
そんな数々の名作映画がテーマとなっている、懐かしい感じがオレのハートを燻ってくる良いフードコートだ。
オレはホタテの釜飯を注文、やはりオホーツクといえばホタテは外せない。
ウマミの凝縮されたホタテめしは噛めば噛むほど味が滲み出てとても美味い、釜飯スタイルなのでおこげができるのも嬉しいところ。
お味噌汁も冷えた身体によく染み渡る、これはとても良いものだ。
やはりホタテは美味い、おれはゆっくりと噛み締めながらホタテと真剣に向き合う、ホタテを笑うものはホタテからデス・アタック、ホタテは決して遊びではないということ。
米粒一つとして残さず完食、とても美味かった、おかわりしたいな…。
ハッカ記念館で北見を知る
北見へと戻ってきたオレは、せっかくなので『北見ハッカ記念館』へとやってきた。
あのミントのハッカである、たかがハッカと侮るなかれ、ハッカは北見の重要な産業であった、それは世界市場の7割を北見ハッカが占めてしまうほどに。
しかし戦争の影響や科学の発展により合成ハッカが流通し、北見ハッカは衰退することとなる。
ハッカといえば北見であり、北見といえばハッカである、ハッカは北見発展の大切な基盤なのだ。
記念館へ入ると館長さんらしき方から様々な歴史を丁寧に語ってくれた、丁重な対応に感服してしまう。
さらに入館料は無料らしい、無料!?本当に?いいの?
館内は撮影禁止なので写真はないが、ハッカ製造に使われた道具や販売された商品など、ハッカにまつわる展示がされており、とてもじゃないが無料とは思えない。
更に隣接してある『薄荷蒸留館』では実際にハッカ製作の実演を行なっており、蒸留の仕組みを学ぶことができる。
館内へ入った瞬間にハッカの強い香りが鼻を通る、そして目の前にはミニハッカ蒸留機がある、これは実にわかりやすい。
実物の蒸留窯も展示されている、お土産コーナーも併設されており、様々なハッカ製品を購入することができる。
実に良い施設だった、無料で学べるだなんてお得すぎる、訪れる価値は十分にあるぞ。
さて、ハッカ記念館を後にしホテルへと戻る。
流石に朝から歩き回っていたので少し休憩、夕飯時まで仮眠をとることにする。
少し長くなってしまったので一旦区切りを取ろうと思う、それではおやすみなさい。
後編へ続く。