社会人1年目の上司の口グセ

「それってちゃんと機能してるの?」

それが、ぼくの最初の上司の口グセ。その上司は、スーパーマンだった。30代半ばの若さで、会社から個室をもらっていて、働き方も割と自由。出社時間も、帰宅時間も、いつでもOK。やることさえ、しっかりとやっていたら、それでいい。

じぶんで、プロジェクトを作り、ちょっと先の未来を見てビジョンを作り、いろんなところからお金を引っ張ってきて、アイデアをものすごいスピードでカタチにする。それができるから、そういう働き方が許されていた。

その上司が、打ち合わせのたびに言っていた「それってちゃんと機能してるかな?」という言葉。耳がタコになるくらいよく言われた。その言葉が出てくると、100%修正が入る。しかも、だいたい1からやり直すことになる。だから、嫌いだった。しかし、最近ぼくが「それって機能しますかね?」と言うようになった。

機能する:ある物が本来備えている働き。全体を構成する個々の部分が果たしている固有の役割。また、そうした働きをなすこと。

きっと、そのアイデアに、そのデザインに、その言葉に、持ってもらいたい役割、働きをイメージしていたからこその口グセだったのだなとようやく解釈できた。

全体を見ながら、届けたい人にしっかりと届けられているか。伝わっているか。をしつこいまでに考え抜いていたのだ。アイデアをカタチにするために、企画書を作ってプレゼンを通すために、必要としている人に届けるために、準備や段取りをとても大事にしていた。今さら、当時の上司偉大さを体感している。

自分たちでお店を立ち上げ、結果を出さないと、じぶんの居場所、仕事がなくなる立場になった。「お客さんに、スタッフに、自分たちが届けたいことが伝わっているか。機能しているか。」をより一層考えるようになった。

その上司の仕事は、正直真似できない。スーパーマンだから。でも、ぼくなりのやり方で少しでも近づけるように、まずは言葉と向き合い、その姿勢を少しでも真似していきたい。

このnoteは、この文章は、この言葉は、きちんと機能しているか?
自問自答しながら、みなさんのリアクションとともに、言葉と向き合っていこうと思います。

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ヤマシュン
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