ライブと曲と、売れるアーティストの話
ライブに行く前の話
この前久しぶりにマハラージャンっていうアーティストの3,000人キャパくらいのライブに行ったのさ。
友人に誘われたのがきっかけで、声をかけてもらうまで失礼ながら知りもしないアーティストだった。
でも、そこそこ有名な会場でやるアーティストだから、良い曲があるんだろうなと思って聞き始めたのさ。
Spotifyを開くと月間のリスナーは10万人以内くらい。そこそこ有名。
過去の経験からライブは曲を聴き込めば聴き込むほど、当日に会場で楽しめる。会場で聞いて「格好良い!」となって、後から繰り返し聞くことになると凄く後悔するんだよね。「あ~、あのときまでに聴き込んでいれば、会場で楽しめたのに」って。
だから俺は知らないアーティストのライブは行く前にかなり聴き込むようにしてる。今回も誘いを受けた2週間前から聴き込んで、ライブ当日にはSpotifyで「このアーティストをよく聞くTOP 0.5%に入っています」的なのがでてくるくらい聴き込んだ。
ライブ当日
やっぱり2,000人キャパをワンマンで埋めるアーティストだからさ、ライブがうまいんだよね。数十人、数百人とお客さんを埋めて、徐々に会場の規模を大きくしてきたアーティストよ。
繰り返しライブに行きたいと思わせられなければ、大きな会場でライブをできるようになんてならないのさ。俺はそのライブ1回しか行っていないけど、きっと1つ1つのライブがお客さんの思い出として胸に刻み込めるような、そんなライブをやっているんだと思うよ。実際にそうなんだろうなって思えるくらい楽しいものだったからさ。
かれこれ中学生くらいの頃から、仲が良かった友だちはバンドマンが多くて、俺はそういう素養が一切ないから遊び程度にしかしていなかったけど、周りにプロを目指す人もたくさんいたさ。
今、プロになって大成している人もいれば、まだ数十人規模のライブハウスで夢を目指して走っている人もいる。
今回行ったライブは、YouTubeライブでも同時配信してたんだよね。あと、録画もOK。これには時代を感じたね。
ライブって生物だから、会場の熱量や体を動かすことの楽しさは現地に行かないと感じられない。YouTubeライブは多分スパチャとかが少なからず飛ぶんだろうけど、それ以上に次はライブに行こうと思える人を増やせる集客装置なんだろうと感じた。でも、これはどの角度から見られてもお客さんにそう思わせるだけのライブだって自信を持てるからなんだと思うよ。
ちょっと話が逸れたけど、何が言いたいって、アーティスト(ミュージシャン)は音楽だけやってればいいってわけではないんだよね。自分自身をどう見てもらうのか、自分の曲をどう楽しんでもらえるのがベストなのか、そのために時流を捉えて、変化に対応することがとても大切なんだって思ったよ。
ライブを見終えてから
現地で録画した動画を帰りに何度か繰り返し聞きながら帰宅して、その感動を少しでも伝えたくて、インスタのストーリーに投稿したね。
多分ストーリーを見た人たちにほとんど届いてないだろうけど、1%でも伝わればいいかな、くらいの気持ちで投稿したんだ。
ライブが終わってからも、そのときの余韻に浸るかのごとく繰り返し繰り返し聞いたよ。だって楽しかったから。気持ち良かったセックスのあとはそれを思い出してオナニーするでしょ?それと一緒さ。
そう、最高のライブは余韻に浸れるのさ。もっと曲を詳しく知りたい。そしたらまたライブに行くときにもっと楽しくなれる。お客さんはそんな期待を胸にまたライブに行く。アーティストもそれに応えようとライブの構成や企画を考えるんだ。
経験上、繰り返しライブをやるうちに、ライブに慣れてしまうアーティストが結構いて、何かを届けようとするんじゃなくて、演奏することに終始してしまうんだよね。
こうなるとお客さんは繰り返しこなくなる。よっぽどビジュアルが良くて、生で見に行きたいとか、そういうニーズがあれば一定のお客さんはついていくんだろうけど、友だちが友だちを呼んで波打つように人気の波紋が広がるアーティストにはならない。
自分も楽しんでお客さんも楽しんで、そういうのを広げられるといいんだろうけどね。結局それができるのがアーティストのパワーだし、アーティストが作る曲なんだと思う。
そもそも売れるってさ
俺、DJ社長が好きなんだけど、あの人が銀太とのやり取りで「良い曲かどうかは自分たちが決めるんじゃなくて、聞いた人が決めることだからまずは聞いてもらう人を増やさないと(意訳)」的なことを言ってたのよ。
これはマジで本質だと思うんだけど、超有名なアーティストですら、ヒット曲なんて数えるくらいでしょ。でもアーティストにファンが付けば、新曲は欠かさずチェックしてくれるし、良ければシェアもする。人が人に伝えて、聞く人が増える連鎖を生み出せることが、ヒット曲を作ることと言っても過言ではないよね。
今、サブスクのヒットチャートはマジで全然動きがないからさ、ランキングでしか曲を聞かない人がきっと大勢いるんだよ。そこに入るために、自分の曲の入り口はどこのなのか。TikTokなのか、YouTubeなのか、Instagramなのか、きっとそういうところから考えられないと、この時代にヒットするのは難しいのだろうと思うよ。
眠りしヒットソングに幸あれ。おやすみ。