東方ダンマクカグラが残念な理由
あんまり芳しくないようですね。しらんけど。
「スマホ音ゲーはこういうもん」と「キャラゲーとしての価値の低さ」の当たり前のことばっかりで、おもしろくない記事です。
追記:サービス終了するらしいっすね
この記事はサービス開始直後に書いたんですが、「5.キャラゲーとしての価値」に書いたあたりのことが当てはまった感じでしょうか。
東方も音ゲーも素晴らしいコンテンツだと思うけども、やっぱりソシャゲで売上を伸ばすってのはまた別の話なんでしょう。
0.東方も音ゲーも好きですよ
東方のシューティングは紅魔郷~神霊廟ぐらいはEXTRAやHARDはクリアしてました。LUNATICは無理です。それ以降の作品はプレイしてないですが。
東方の二次創作も好きです。アレンジ楽曲も好きです。マイナーなサークルのCDだけ買いに地方からわざわざコミケに行ったりしてました。
音ゲーもそこそこやってました。一番やってたのはbeatmania IIDXですが、スマホの音ゲーもいろいろやってました。
そんな私ですが、ダンマクカグラがどうかと聞かれれば、残念だと答えざるを得ません。
1.曲
「原曲が少ない」ってことが、よく批判されています。この記事を書いてる2021/08/28時点では、原曲は「幽霊楽団 ~ Phantom Ensemble」だけです。
たしかに原曲が少ないというのは良くない点の一つで、原曲が増えるというならばそれは嬉しいことなんですが、私はそれが致命的な欠点だとは思っていません。
「別に原曲あったらオールOKって話でもないよ」と思ってます。
アレンジ曲も好きな曲がたくさんあるんですが、収録されている曲のジャンルが偏りすぎていると思います。
曲のジャンル分けというのも難しい話ですが、ニコ動ならば「東方ボーカルアレンジ」とタグがつくような曲がほとんどです。
東方のアレンジ曲って、もっといろいろあるじゃないですか。ピアノ、ロック、テクノ、トランス、ユーロ、etc……。
音ゲーなんですし、ポップス系のボーカル曲ばっかりじゃなくていいと思うんですが。そして、それが譜面のつまらなさにも繋がります。
2.譜面
これははっきりと言えますが、譜面は面白くないです。色々な音ゲーをやってきましたが、叩いてて面白い譜面があまりにも少ないです。
上述のような様々なジャンルの曲があれば、それぞれの曲に特徴があり、様々な譜面を作ることができます。
しかし、ダンマクカグラはボーカル曲がほとんどなうえに、「良い子ちゃん」な譜面ばかりです。「糞譜面」が少なく、毒にも薬にもならない譜面が多いです。
「良い子ちゃん」と表現してますが、「ある譜面が4小節降ってきたあとに、次の4小節でそれを左右対称にしただけの譜面が降ってくる」というものがかなり多くありますし、割と見やすく、「普通」の譜面が多いです。
もちろん難しい譜面はあるんですが、なんというか、難しさも良い子ちゃんで、普通です。いい意味での糞譜面がありません。
譜面傾向も似たものが多いです。単押しと長押ししかなく、同時押しは最大二つまでという制約があるので仕方がないんですが、同じような譜面になってしまっています。
「この曲はこういう譜面」と覚えているのが、一部の難しい曲の難しい部分ぐらいしか思い出せません。
3.目標
これは、様々な音ゲーで重要な要素ですし、他のスマホ音ゲーも同様の問題を抱えていることがあります。
よく批判されるのが、「EXTRAをフルコンしないとLUNATICが出現しない」という点です。
音ゲーというのは、「クリアできない曲がクリアできるようになる」っていう楽しみ方が多くを占めていると思います。もちろんそれ以外にも、スコアを詰めたり、フルコンを狙ったりというやりこみ要素もあります。
しかし、ダンマクカグラでは「クリアできない曲をクリアできるように」という楽しみ方に挑む以前に、フルコンボというやりこみ要素を求められます。フルコンボというのはクリアできて当たり前の曲で、ミスを無くす試みです。そこそこ難しい曲にチャレンジするという試みよりも、ストレスを感じる要素が多くあります。
そういうのは「やりこみ要素」でよく、通常の楽しみ方を求めるユーザーにそれを課すべきではないと思います。
また、クリアに許容されるミスの数も、かなり少なく感じます。どういう仕組みになってるかよく知らないんですが、回復しなかったらミス10個ぐらいでゲームオーバーになると思います。これは他のスマホ音ゲーにもみられます。
一方で、beatmania IIDXでは、ミス10個程度ならばEX-HARDという難しいモードでクリアできるほど少なく、通常プレイならば曲にもよりますが20~50程度のミスが出る曲をプレイするのは普通です。ミスを100個近く出しながらも、なんとか食らいついてクリアすることもあります。
これは、好みによるところがあります。「ミスを出しつつも難しい曲をクリアできるようになりたい」という人もいれば、「簡単な曲をオールBRILLANTにしたい」という人もいます。これは、ダンマクカグラ以外の音ゲーでもそうです。
ただ、これは完全に体感ですが、音ゲーに熱中している人たちは前者であることが多いように感じます。私もそうです。フルコンボやパーフェクトはあくまでもやりこみ要素として、基本的には難しい曲に挑戦するのを楽しむ人が多い印象があります。
ダンマクカグラはそうではなく、簡単な曲のフルコンボを要求され、難しい曲ならばすぐにゲームオーバーになるという、音ゲーをいい感じに楽しむことができず、フルコンボやフルコンボに近いクリアばかりが求められています。
4.判定
説明不要。単押しのBRILLANT判定はガバガバなのに、青や緑のノーツの判定が意味不明。プレイしていて、これほど意味不明なミスが出る音ゲーを他に知りません。難しくてミスが出るのなら納得できますが、納得いかないミスが出まくります。
それでいてフルコンボを要求されるのだから、ストレスにしかならない。
追記:なんか判定よくなったらしいっすね。
5.キャラゲーとしての価値
さて、上記のようなことは他のスマホ音ゲーにも当てはまる要素もあるんですが、他のスマホ音ゲーは成功しているものも多くあります。デレステ、ガルパ、プロセカ等。
ガルパやプロセカは面白い譜面も多く音ゲーとして楽しいってのもあるんですが、やはり「キャラゲー」としての要素が上手くいっていると思います。
ダンマクカグラを一つの同人ゲーとして考えるならばとても素晴らしいものだと思いますが、デレステ、ガルパ、プロセカ等と比べると、キャラゲーとしては見劣りしてしまいます。
それらの公式ゲーでは、やはり登場キャラたちも公式のものです。公式キャラなので、ただの絵だとわかっていても欲しいと思いますし、好きなキャラだと課金してガチャを回したくもなるでしょう。
しかし、ダンマクカグラは公認ゲーとはいえ、やはり同人ゲー感があることは否めません。東方の二次創作界隈は、そういう要素により発展してきたとは思うのですが、やはり同人は同人です。
はっきり言えば、ダンマクカグラというゲーム内のキャラデータに、あまり価値があるとは思えません。
東方の二次創作は山ほどあります。絵だけでなく、同人ゲームもたくさんあります。ダンマクカグラも、そのうちの一つのようなものに感じられてしまいます。
デレステの島村卯月のキャラデータは公式のものであり、価値がありますが、東方は二次創作界隈が賑わいすぎてしまったため、博麗霊夢というキャラの絵やゲームデータは山ほどあり、ダンマクカグラの博麗霊夢である必要性が薄いことは否めません。
そもそも「音ゲーのキャラデータ」というのは、価値が少なくなりがちです。やっていることが音ゲーである以上、スコアが増えるとか回復能力が高いとか、そういう内部の数値が増えるぐらいしかゲームに影響がありません。
他のゲームだったら、そのキャラを操作するとか、そのキャラで戦うとか、そのキャラで3Dライブをするとかで、そのキャラを所持することに様々な価値があるんですが。
それでも、デレステ、ガルパ、プロセカ等の音ゲーでは、公式だということもあり、キャラデータに価値をもたせることができているので、プレイヤーはそのキャラが欲しいと思い、課金してガチャを回しているでしょう。
需要が違うんじゃない?
東方というコンテンツは強いと思いますし、公式のシューティングゲームは面白いと思います。同人界隈も、様々な発展を遂げました。
しかし、「キャラに魅力がある」「キャラの人気がある」とは言っても、それは「デレステやガルパに課金してガチャを回してキャラを引きたい」というようなキャラ人気とは、種類の異なるものであるように思えます。
原作のファンからしても、キャラ目当てで新作を購入するわけではないでしょう。ゲームを楽しんで、キャラを気に入って、そこから同人界隈が発展していくという順番だと思います。
シューティングゲームがやりたい人は、もちろん公式のシューティングゲームを買えば良いので、そういうファンの需要にも答えられません。
そして、東方が好きで音ゲーが好きという私みたいな人の需要は、すでに満たされているのです。
今では、様々な音ゲーに東方アレンジ曲が収録されています。アーケードの公式ゲームでも、同人ゲーといえるBMSにも、多くの良曲があります。
私はあまりアーケードで東方アレンジ曲をプレイしてはいないのですが、BMSでは大変お世話になりました。
「星の器~STAR OF ANDROMEDA」「Imperishable Night 2006」「Yakumo>>JOINT STRUGGLE」「Little "Sister" Bitch」「Faith.」「月時計 Last・Dial」など、挙げるとキリがありません。
「東方の音ゲーだよ!」と言われても、「こちとら10年以上前からやってます」という話で。
まとめ
・曲ジャンルの偏りや譜面、糞判定により音ゲーとして魅力が少ない。
・キャラゲーとして魅力が少ない。ダンマクカグラのキャラデータがほしいと思える要素が薄い。
・原作ファンは原作をやるし、原曲ファンは原曲が入ってないのでプレイしない。東方曲の音ゲーというのは、10年以上前からいくらでもある。
繰り返しになるんですが、ダンマクカグラを一つの同人ゲーとして考えるならばとても素晴らしいものだと思います。
しかし、「スマホの音ゲー」として、デレステ、ガルパ、プロセカ等と比較して評価するのならば、あまり芳しくないでしょう。
後記:「やりたい」と思える要素
多くのコンテンツで、「~だからやらない」「~だから見ない」という批判があります。それらは間違ってはいないんですが、「じゃあ、~じゃなかったらやるの?」と問いたくなることも少なくありません。
重要なのは、「~だからやらない」というよりは、「~だったらやる」ということです。
ダンマクカグラならば、どういう要素があるならばプレイしたくなるのか。「ダメな要素」を挙げるよりは、「現状足りていない必要な要素」を挙げるほうが良いでしょう。
そういう意味では、私にとって必要なのはやはり「様々なジャンルの曲」です。ボーカル曲ばっかりの音ゲーって、あんまり楽しくないんですよ。
上に挙げたような、BMSに入っているような音ゲーぽい曲がプレイできるならば、もっとダンマクカグラをやりたいと思えます。
もちろん他の要素も、面白い譜面ならばプレイしたいと思えますし、判定が良くなればフルコン粘着もしようと思えるんですが。
2021/08/28 山下