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【OW2】アンチピックよりも自分たちの戦い方を考えましょう

 オーバーウォッチには「アンチピック」という概念があり、野良マッチで戦っていくには非常に重要な要素の一つです。

 たしかに重要なんですが、オーバーウォッチというゲームはヒーローのピックが全てではありません。
 自分が何をするのか、チーム全体でどう戦っていくのかが重要です

※追記:
 新しく書いたこっちの記事のほうが良い内容だと思います。




○自分と自分のチームの戦い方

 オーバーウォッチでは戦い方が重要です。自分一人で的当て射撃していれば勝てるゲームではありません

 マッチが決まり、マップが選ばれ、自分のロールが決まりました。では、どうやって戦っていきますか?その青写真が描けているでしょうか。

 オーバーウォッチはMOBA要素があると言われることがありますが、仮に自分一人が5人のヒーローを動かすPvEシミュレーションゲームだと思ってみてください。
 例えばMID TOWN攻撃。あなたが5人のピックを決め、神視点から自由に動かせるとします。どうやって戦っていきますか?

どんなふうに5人を動かして、どうアビリティを使って侵攻していきますか?

 そこで考えた戦い方を、実際のオーバーウォッチのマッチで自分もこなせていますか?


◯参考動画

 Solo氏の解説動画。短くわかりやすくまとまってるんで、動画を見ていただければこの記事を読まなくても大丈夫です

 


○構成と戦い方

 ダイブだとかラッシュだとかポークだとか、構成に名前がつくことがありますが、全員でダイブやラッシュをするわけではなくバランスのいい構成にすることもあるので、分類するのに躍起になる必要はありません。
 重要なのは、その構成でどう戦うかです。

 例えば、OW2のサービス開始直前に競技シーンで流行したジャンカークイーンによるラッシュ構成

JOATS。

 JQのコマンディングシャウト、ルシオのスピードブースト、ブリギッテのラリー等を駆使し、ラッシュを仕掛けフォーカスを合わせて制圧していく戦術です。
 この構成でポークをしていても何にもなりませんラッシュを仕掛けることがこの構成の強みです


○アンチピックするのか?

 例えばこの構成でマッチが始まり、相手がレッキング・ボールトレーサーのフランカーコンビで仕掛けてきたとします。

 どうしますか?ジャンカークイーンでトレーサーを追いかけますか?ゲンジがソンブラへ、ソジョーンがトールビョーンにピック変更し、対策しますか?

 そんなことはしません。この構成ならラッシュします。フランカーが2人いるなら相手本陣は3人です。ラッシュで簡単に押しつぶせます。
 ブリギッテやルシオなら、横や後ろから襲ってくるトレーサーやボールは無視しながらでも味方をヒールしラッシュへフォーカスすることも可能です。

 相手へ対策することよりも、自分たちの構成・戦い方の強みを押し付けるほうが簡単で強力です。そのために構成を組んでピックしているんです。ラッシュ構成はラッシュするための構成です。


○上手くいかなければ、ヒーロー・構成を変更すればいい。

 「アンチピックはする必要がない」と言いたいわけではありません。アンチピックは非常に重要で有効なことです
 私がウィンストンを使っているとき、最初のウェーブで上手くいくとすぐにリーパーバスティオンが出てきます。

わかりやすいアンチピック。

 さて、ここで私がウィンストンから変更するのは、自分(たち)の戦い方が通らなくなったときです。リーパーが出たぐらいでは変えないことも珍しくありません。
 ダイブに弱いサポートやダメージにプレッシャーをかけ続けたり、高台へのケアを重視したい場合は、リーパーがいてもウィンストンを継続して使うこともあります。
 重要なのは、ヒーローの相性ではなく自分(たち)がどう戦うか、それが通用するかどうかです。


○「自分の」戦い方を考える

 戦い方を考えていますか?「戦術:撃つ」だけではなかなかうまくいきません。
 「このマップだからここに移動して、味方のタンクがこう進んで、このアビリティを使って、相手がこうだったら自分はこっちの敵を攻撃して――」ということを考えなければなりません。
 「自分は必死に撃ってるのに味方がなんとかしてくれない」では、勝てませんし成長しませんね。 

 初めに、「チームでどう戦うか考えてみましょう」ということを書きました。それが明確なら、相手に合わせてアンチピックするのか、自分たちのチームの戦い方に合わせるかすぐにわかります。

 味方がJOATS構成をピックしました。ではあなたは何をピックし、どう戦いますか?

味方がこのピックだったとして。

 別にテンプレ構成をしなければならないというわけではありません。この4人がいてもアナをピックしてもいいと思います。マップや相手構成によっては、十分に刺さることもあるでしょう。

 では、アナトレーサーに絡まれて仕事ができないとします。

どうしますか?味方が助けてくれないと駄々をこねますか?

 タンクがD.vaに変えてトレーサーを追いかけますか?ゲンジをトールビョーンにしてアナの隣に配置しますか?
 もちろんそんなことをするよりも、アナがブリギッテやキリコ、モイラに変えてラッシュに参加したほうが有効ですね。

 ヒーローに対するアンチピックよりも、自分たちの戦い方を通せるようなピックと戦い方をするべきです
 (なので、アナのままで戦えるならもちろんそのままでいいです。)


○「戦い方」

 何度も書いているように、重要なのは戦い方です。自分(たち)の戦い方が通用するならそれで戦えばいいし、通用しなくなったら変えればいいです。
 
 通用するかしないかの根底にあるのは「戦い方」です。「そもそも戦い方を考えていない」のだったら、通用するもしないもないです。

 「アンチピック」というのは受け身な考え方で、ヒーロー単体の相性でしか考えられていません。
 オーバーウォッチは1vs1が5箇所で起こるゲームではありません。5vs5で戦うゲームです
 
 その5vs5の戦い方が重要です。どう戦いますか?どう戦うか考えてピックしていますか?自分に絡みに来る相手へのアンチピックのことだけ考えていませんか?

 「味方がアンチピックしない」という人は、そもそもの戦い方から考えてみてもいいかもしれません。
 このゲームは的当て射撃していれば味方がなんとかしてくれるゲームではありません
 初めの項目でも書いたように、マッチが始まり、マップが決まり、味方がピックしたのなら、「どう戦うのか」「どう攻めていくのか」を考えてみましょう。

 過去の記事も参照していただければ。


○味方に合わせる

 戦い方というのは簡単に言うと「味方に合わせる」という話ではあるんですが、それは同系統のヒーローを出すというだけの意味ではありません。

 例えばタンクがウィンストンだったとき、全員でダイブするような場合もあれば、ウィンストンだけエリア取りや高台のケアとして飛び、本陣は地上で戦うかもしれません。

 「味方のウィンストンが飛んだら、自分もそこへ攻撃しよう」という戦い方をするなら、そのためにゲンジ・トレーサー・リーパー・エコーをピックするでしょう。
 
 「味方のウィンストンが飛んだら、そのスキにいいポジションへ移動して射撃しよう」という戦い方をするなら、ソルジャーアッシュ・ソジョーンをピックして移動系アビリティでポジションを取りに行ったりします。
 ハイブリッドやペイロードの攻撃側なんかではよくある戦い方でしょうか。タンクがダイブだからといって自分もダイブヒーローである必要はありません。

 いずれにせよ、重要なのは味方の動きに合わせた自分の戦い方です。相手の構成を見てアンチピックを考えるよりも前の段階から考えておくべきことです。

 射撃系ヒーローをピックし、相手や味方を撃つことだけに熱中していませんか?
 どんなふうに戦っていくか、なぜ味方のチームは上手く戦えていないのか、そういうことの戦い方の部分を考えてみてもいいと思います。

 アンチピックというのは非常に重要なことですが、それはヒーロー単体の相性の話であり、それはオーバーウォッチというゲームの戦い方の一部分でしかありません。


○攻撃的なアンチピック

 この記事で述べたのは、「自分たちの戦い方を考え」「それが通らないならピック変更しましょう」というような内容でした。
 単純なヒーローの相性もふまえ、全体的に自分たちのやりたい戦い方が通せるかどうかを考え、相手の守りを突破するためのピックをしていきましょう。

 私がシグマをやってるときの典型的な勝ちパターン。射撃系ヒーローではシグマには勝てません

無理ですよ。

  ラインハルト・メイ・シンメトラ等でインファイトするか、ウィンストン・ボール・トレーサー・ゲンジ等でダイブしなければ、シグマを突破できません。
 ここで赤チームのプレイヤーが考えるべきは、「自分とシグマの相性」ではありません。対タンクなんてだいたい相性悪いです。
 重要なのは「自分がどう戦うか」で、それが通るかどうかです。

 「戦術:撃つ」だと、もちろんシグマに止められるだけです。しかし、「地形を利用して、横や高台から相手の後衛を撃つ」や、「味方のタンクがシグマにプレッシャーをかけているので自分は自由に動ける」という場合だと、キャスディやアッシュでも十分に活躍できます。
 「自分のやりたい攻撃」を考え、それが通用するかどうかを考えてみましょう。

 「アンチピック」と簡単に言われますが、タンクは強いので簡単に対処できるもんではありません。ラインハルト・オリーサ・シグマ・ボールなんかは、ダメージやサポートが多少ヒーローを変更したぐらいでは勝てません

 こちらの記事も参照していただければ。


 自分たちが守る立場なら、相手の攻めを通さないようなアンチピックをすればいいかもしれませんが、攻める立場ならば受け身のアンチピックだけしても解決しない場合もあります。

ペイロードには触らないと進まない。
画像は攻撃側想定だけども、ルール的に防衛側だったとしても、止めるためにはペイロードに攻め込む必要がある。

 相手がボールやトレーサー、キリコあたりで後衛を狩る戦術をしてきたとき、もちろんトールビョーンはアンチピックだし、D.vaがケアしにいけばとりあえずはボールやトレーサーからは味方を守れるかもしれません。

 しかし、このゲームはペイロードやロボット、拠点などのポイントを触りにいかなければ勝てないルールです
 「バックラインが荒らされているのに味方が前に行ってしまう」というサポートの人もいますが、バックラインをケアしていたらいつまでたっても攻め込めません

 「ボールやトレーサーへのアンチピックはトールビョーン」というのは間違ってはいないと思いますが、それはヒーロー単体でのアンチというだけであって、戦い方までは考慮されていないかもしれません。

 どうやって敵が守っているペイロードを進めますか?ボールやトレーサーを追い返していてもペイロードは進みません。
 それが、この記事で書いた「戦い方を考え、適切なピックをしましょう」ということです。

 フランカーやダイブがキツイときは、こちらもカウンターでダイブするというのも手です。

ダイブにはダイブをぶつけんだよ

 攻撃側の目的は相手を追い返すことではなく、ペイロードへ攻め込むことです。そのために必要な戦い方は、手薄になった本陣へダイブすることかもしれません。
 逆に防衛側やプッシュ等でリードしている立場なら、相手を追い返すアンチピックは有効でしょう。

 もちろんマップや構成、グループでの連携などで様々な戦い方があるので、一律にこうすればいいなんてものはありませんが、「相手の攻めに対処するためのアンチピック」だけでなく、「こちらが攻めを通せるような戦い方とピック」というのも考えてみてもいいかもしれません。

 このゲームは防衛側だったとしても攻めるのが強いです。ただただ受け身になって退きながら戦うだけでは上手くいかない場面も多くあります。


○実戦での例。

 私が珍しくダメージをやっていた試合。序盤は上手く攻めていたものの、途中から相手にファラ・マーシーが出てきて暴れる。相方のダメージはトールビョーン
 ソルジャーとか出そうと思ったんだけど、私のエイムだと残念な結果になりそう。
 ということでラッシュ

相手のマーシーは最後だけルシオに変更。

 たぶん味方も「こいつらヒットスキャンできねーわwww」と思っていただろう。
 ならば開き直ってラッシュ。地上を壊滅させてから、ファラとマーシーを倒せばいい
 ハルト・ルシオ・キリコをピックしたタンクとサポートのおかげで勝てた試合です。

 いや、たまたま上手くいっただけで、ファラマーシーはヒットスキャンで落としたほうがいいですよ。エイム練習から逃げるな。
 いや、それでも私は地上潰したほうがいいと思ってるけど。


2023/03/06 山下

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