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ぼく勉の衝撃

※この記事はネタバレを含みます。

まず最初に自己紹介を。
私お笑い芸人センサールマン山﨑仕事人は週刊少年ジャンプを1992年22号から漫画をひとつも飛ばさず毎週読み続けています。
そろそろ28年です。
おそろしや(笑)

※この記事はネタバレをかなり含みます。

週刊少年ジャンプで連載されている『ぼくたちは勉強ができない』という作品があります(※以下『ぼく勉』と略す)。
主人公である一人の男が複数の女性に好意を持たれるという所謂ハーレム物とでも称するのでしょうか。
同じジャンプで言えば過去に連載されていた『I"s』や『いちご100%』や『ニセコイ』、そして現在も連載中の『ゆらぎ荘の幽奈さん』などと同じジャンルのものです。

※この記事はめっちゃネタバレを含みます。

この手の持つ作品の楽しさといえば、大前提に「エロい!!!!!」なわけですが、ストーリー面の方では「誰とくっつくの!?最後は誰とくっつくの!?」というドキドキ感でしょう。
予想通りの相手とくっつく安定のエンディング、予想外の相手とくっつく意外なエンディング、誰かとくっつくゴールまで描かない未回答なエンディング、どうするのかは作者次第で楽しいものです。
ちなみに『ぼく勉』には個性豊かなキャラクターとバックボーンに彩られた5人のヒロインがいまして、読者の少年達(と37歳のおじさん)は毎週「どうなっちゃうの!?」と心揺さぶられながらながら読んでおりました。

※この記事は壮大なネタバレを含みます。

そんな『ぼく勉』ですが、数週前から1人のヒロインが大きくピックアップされ始めエンディングに向けて走り始めました。
ラブコメ漫画の終盤として描くべきシーンや伏線の回収など全てが終わり、今週発売の週刊少年ジャンプ15号で約3年間の連載に幕!!
ついに大団円!!

※この記事はこの後いよいよ本当にネタバレを含みます。

…ではありませんでした。
最終回じゃなかったんです。

※以下めちゃくちゃネタバレです。

今週のラストがこちら。

画像1

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なんとゲーム等でよくあるマルチエンディングを漫画に持ち込んできました。
来週から他4人のヒロイン達と結ばれる全パターンのエンディング、パラレルワールドを描くというのです。

憎い伏線がありまして、それは1年半ほど前の回です。
『文化祭で花火が上がった瞬間に触れ合っていた男女は結ばれる』といういかにもこの手の作品にありそうなベタベタながら最高アゲアゲな設定の話があったのですが、その時には誰かと触れ合っていたけど相手はぼやかして描かれていてそれが誰だったのかはその後も謎のままでした。
そして今週ついにその相手が判明するというシーンが!…しかしそれはあくまでそれは今週終わったルートでのお話。
この花火のシーンきっかけでルートが分岐したという設定で来週からのパラレルストーリーが始まるのです。

これ凄くないですか?
過去に漫画でこういう手法が使われたことってあるんでしょうか?
普通にあるのかもしれませんが少なくとも僕は初めて見たのでかなり驚きました。
発明ですよ。

正直な本音を言えば、「これをやらずに唯一無二のエンディングを描くことこそに作者の気概があるんじゃないか?」とか、「もし今後この手法が溢れてしまうとこの手の作品に驚きや意外性が失われてしまうんじゃないか?」とか思ったりもします。
先にも書いた『I"s』や『いちご100%』や『ニセコイ』等これらは1人のヒロインを選ぶエンディングを迎えた作品なんですが、もし同じようにマルチエンディングで描かれていたら…などと想いを馳せてしまいます。
マルチエンディングでの続きを見てみたかった気持ちがあったり、でもマルチエンディングではないからこその美しさがあるような気がしたりします。
つまりまぁ複雑な感情もあるわけです(笑)
しかしながらそれを遥かに上回るくらい「面白い!!!!!」が強いですし、少なくとも今回に限ってはこの手法で全ルートを描くという選択をしたことこそが作者の気概なんじゃないでしょうか。

※以下は蛇足駄文です。

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