ユーザー事例の取材
「tell acer」の誌面構成は、最初の4ページが新製品トピックスや発表会イベント、次の2ページが業界著名人のインタビュー、その次の2〜4ページがエイサー製品の導入事例、そして小さなニュースや次号予告という感じで推移していた。
ほとんどの取材先はエイサー側が決めてくれるので、ぼくら取材班はスケジュールを合わせて行動するだけだった。導入事例では地方取材が多く、官公庁や学校、企業がまとめてエイサー製品を導入した経緯を取材した。北海道から沖縄まで、ほぼ全国を取材したと記憶している。
取材先に苦労したのは個人ユーザーの導入事例で、これは販社からの情報を当てにするわけにはいかず、ぼくらの個人的な人脈も総動員して候補者を探した。とくに最初のころはまだエイサーの知名度も低く、苦肉の策で「ライター山崎氏」を取材対象にしたこともあった。つまり、自作自演である。まあ、ご笑覧いただこう。
まあ、こんな「茶番」は1回やれば十分で、その後は友人知人に片端から出演してもらった。本稿「雑誌を作っていたころ063」で紹介した寺崎美保子さんも、その1人である。そちらの原稿も再録しておこう。
自分で「いい仕事」をしていたかどうかはわからないが、明らかにこの時期は「ノって」仕事をしていた。新たな刺激と自分の経験が活かせる部分がちょうど50%ずつあって、仕事が楽しくてたまらなかったのだ。