【遊戯王】青眼デッキについて考える【真青眼の究極竜】
はじめに
こんにちは。ヤマさんです。お正月が明けても遊戯王熱が冷めません。その勢いのまま今回の記事を執筆しました。勢いによる考察ですので、至らない点があるかもしれませんが、ご了承ください。(予防線)
デッキレシピ
早速ですが今回のデッキレシピです。今回は下のデッキレシピを元に考察していきます。よろしくお願いします。
真青眼の究極竜について
この記事を読んでいただいている皆様は【後攻青眼】というデッキタイプをご存知でしょうか。私自身【青眼】デッキを愛用している身でありながら、知らないデッキタイプでしたが、昨年末にとあるカジュアル大会に参加させていただいた際にその存在を知りました。最初にその単語を聞いた時に思い浮かんだのは【激臨ワンキル】ですが、話を聞いてみるとどうやら『真青眼の究極竜』を用いてワンキルするデッキのようです。
『真青眼の究極竜』。映画「遊戯王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONS」にて海馬がバーチャルデュエルで使用し、登場したら負けという『青眼の究極竜』の負けフラグを返上した切り札です。「進化した最強ドラゴンの姿、その目に焼き付けるがいい」の口上と共に融合召喚されたその勇姿に心を奪われた少年、青年は少なくないでしょう。
ストラクで強化された【青眼】でも『青き眼の祈り』②の効果でこのカードを『青眼の白龍』に装備し、『ブルーアイズ・タイラント・ドラゴン』の召喚を補助するほか、墓地効果で【青眼】モンスターに擬似的な対象体制を付与するなど多くのデッキで採用されています。
しかし、それはあくまでも展開のおまけで採用されているというだけであり、連続攻撃効果を使用するために採用しているケースは稀でしょう。そんな現代のテンプレに抗うように、【後攻青眼】はこの連続攻撃効果に着目したワンキルデッキというわけです。【青眼】デッキを愛する同士として、そのデッキタイプを知ったからには考察しない訳にはいきません。早速考察していきましょう。
さて、改めて『真青眼の究極竜』の効果テキストを確認しておきましょう。②の効果は知っていても①の効果はうろ覚えの人もいるのではないでしょうか。
正直今回改めてテキストを確認しましたが、読んだ時上の画像の顔になりました。前回の考察のメインであった『青眼の究極亜竜』もストラク強化の恩恵を今ひとつ受けきれていない印象でしたが、『真青眼の究極竜』は恩恵を受けることができないどころか、公式に忘れられているのではないか、とさえ思ってしまいます。
ですが、そんな『真青眼の究極竜』を考察し、デッキを研鑽させているデュエリストが確かにいるのです。環境に文句を言わず、今あるカードを用いて好きなカードで勝とうとする。「漢」じゃないですか。そんな漢気を見せられたら、やめるなんて選択肢はあり得ません。全速前進だ☆
課題①
考察の前に中目次として私が感じた『真青眼の究極竜』の課題について3つ挙げていきたいと思います。
課題の1つ目は融合素材に『青眼の白龍』を3体要求することです。ストラク強化後の【青眼】は1体、多くて2体の『青眼の白龍』を使い回す構築が主であり、3枚採用することが稀となっています。採用枚数については3枚採用すれば良いだけなのですが、問題の本質は『青眼の白龍』を手札及び墓地に呼び込む効果についてはストラクで改善されていないことにあります。前回の考察では『青き眼の巫女』を採用することで手札に呼び込んでいましたが、今回の考察では後の展開ルートの関係で採用を見送っております。しかし、後攻ワンキルを狙うには何とか1ターンで『青眼の白龍』を3枚+【融合】する効果を持つカードをかき集める必要があります。
課題②
課題の2つ目、そしてこれが1番の課題ですが、発動条件の1つである「自分フィールドに他の表側表示のカードが存在しない場合」になります。ストラクで強化後の【青眼】は『真の光』、『光の霊堂』のサーチ及び発動が容易になり、これらのカードを維持して戦う方針となっています。①に挙げた課題はなんとでもなるのですが、これに関してはどうしようもありません。強化された【青眼】デッキの方向性と全く合致しておらず、『真青眼の究極竜』の現状が凄惨なことになってしまっています。この課題を解決することが本考察のキモになると言っても過言ではないでしょう。
課題③
課題の3つ目はストラク強化後の先行研究がほぼ存在しないことにあります。ストラク発売から4ヶ月の間に投稿されたデッキレシピのうち『真青眼の究極竜』を採用したものは多数存在するのですが、『真青眼の究極竜』を主体としたデッキはほぼ見当たりません。集合知によるデッキの洗練化が行われておらず、正解がわからない道を暗中模索する格好です。今回の考察およびデッキには自信を持っていると胸を張って言えるのですが、これが正解かどうかは分かりません。もしこの先の考察を読んで読んで粗があった場合、教えていただければ考察の深化に繋がるのでぜひよろしくお願いします。
課題の解決方法について
さて、前項で挙げた③以外の課題についての解決策について本稿で検討していきます。
まず解決の方針を決めていくのですが、これには2つあると思っています。1つ目は『竜の霊廟』『ドラゴン目覚めの旋律』『伝説の白石』等をフル活用し、『青眼の白龍』をかき集める方法=ストラク強化後の【青眼】の強みを放棄する方法です。私が見た限りのレシピでは100%がこちらの方針でした。2つ目は今回ストラクで強化されたカードで『青眼の白龍』をかき集めた後に盤面を空ける方法です。こちらは初手次第でワンキルを狙うか盤面制圧を狙うか選択することができ、最新の【青眼】における展開の楽しさも享受できるため今回は後者の方針でデッキを検討していくことにします。
後者を検討するにあたり、最初に思いついたのは『ライトストーム・ドラゴン』を用いて自身の『真の光』をセルフ破壊する「ダイナミックアド損コンボ」です。
『ライトストーム・ドラゴン』は最近の【青眼】デッキで高い採用率を誇っており、ご存じの方も多いかもしれませんが、改めて効果を記載しておきます。
【青眼】であれば特殊召喚することは容易であり、展開の都合上1枚は『青眼の白龍』が墓地に存在するため①の効果で場の魔法・罠を最低でも2枚は破壊することができます。この破壊効果は自身の場も対象にとることができ、展開の過程で自身の場に表側表示で存在している『光の霊堂』と『真の光』を破壊することができます。効果の解決後『真の光』③のデメリット効果で自身の場のモンスターが全て破壊れることで、想定できる限り、表側表示で存在する自分の場のカードは一掃され、『真青眼の究極竜』の連続攻撃の条件を満たすことができるというコンボです。
ですが、条件を満たすためにやっていることはアド損であり、この後に『真青眼の究極竜』を出したとしてワンキルできるかは疑問が残ります。後攻ワンキルを狙う以上『禁じられた一滴』を筆頭にまくり札を大量に採用することにはなりますが、それらのカードは引けるかは運否天賦です。例えば盤面を無力化できたとしても守備表示モンスターが2体以上残っていればそれだけで『真青眼の究極竜』によるワンキルは狙えなくなってしまいます。上記のアド損コンボは選択肢として残しつつ、自分の場だけでなく相手の盤面も空ける方法を考えていく必要があるでしょう。
ここまで考えていた時に目をつけたのが『ブラック・ローズ・ドラゴン』です。手前味噌ですが、このカードに目をつけた時自分は天才だと思いました。
天盃龍のEXデッキに採用されていた実績もあり、効果をご存知かもしれませんが、こちらも改めて効果を確認しましょう。
①の効果でフィールドの全破壊ができるため、このカード1枚で『真青眼の究極竜』の発動条件を満たしつつ、攻撃を通せば勝ちという状況を作り出すことができます。
このカード自身は『赤き竜』で『エンシェント・フェアリー・ドラゴン』を対象にとることでシンクロ召喚扱いで出すことができます。それぞれのカードは【青眼】デッキで採用を無理なく検討できるカードであり、『青眼の精霊龍』を2体並べるという従来の展開から不意打ちのワンキルが見えてきます。
盤面を一掃することが『青眼の精霊龍』を2体並べることで達成できるとなったことで逆算的に展開ルートも定まってきます。課題①で記載した『青き眼の巫女』不採用の理由がここにあるのですが、同カードを採用した場合『青眼の精霊龍』を2体並べるには『シンクロ・ランブル』の採用が必須となります。しかし、『シンクロ・ランブル』は発動後シンクロ召喚以外できなくなる縛りがつくため、『青き眼の巫女』を通して『青眼の白龍』を3枚集めても『真青眼の究極竜』を出してそのままワンキルすることができなくなってしまうのです。
そこで今回は『青き眼の祭司』を採用して『青眼の白龍』を3体集めながら『青眼の精霊龍』を2体並べるルートを考えてきました。ここからは画像を元に展開ルートを説明します。『青き眼の賢士』初動です。
この通り、『青き眼の賢士』1枚初動で『真青眼の究極竜』を融合召喚させる準備を整えつつ、盤面を一掃してワンキルを狙うことができるようになりました。
展開の本筋ではないため、記載はしていませんが画像3枚目展開ルート(9)で墓地の『青き眼の祈り』②の効果を発動し、『真青眼の究極竜』を『青眼の白龍』に装備し、墓地へ送っておくことで盤面一掃後の『無限泡影』や『エフェクト・ヴェーラー』をケアできるため、従来の展開ルート同様行うことが推奨されるでしょう。また、画像4枚目、展開ルート(14)で墓地の『光の霊堂』③の効果を発動することで『滅びの爆裂疾風弾』をサーチすることができ、『竜の渓谷』のコストを賄うことができます。『青眼の白龍』がいるときに発動できる『サンダーボルト』であり、素引きした場合でも捲り札に使えるためレシピでは採用しています。
『青き眼の賢士』だけでなく、『白き乙女』も順番が前後するだけで同じ展開が可能な他、『青き眼の祈り』も『青眼龍轟臨』を絡めることで同じ状況を作ることができます。
『真青眼の究極竜』周りの課題はこれで解決したと言って差し支えないでしょう。以降はデッキレシピの考察になります。
デッキ考察
初動採用枚数について
展開ルートは前項の通りですから、この項ではデッキの採用枚数について検討していきます。
採用枚数を検討する上で1番大事なことはこのデッキは「後攻」を選択する予定であるということ=後攻ドローがある=初手が6枚あるということです。
前回の記事でも確率を元に検討しましたが本記事でも確率は最大限考慮しながら検討していきます。なお検討する項目は初動についてだけな模様下に後攻の場合(初手が6枚の場合)に引きたいカードを引く確率の表を添付します。興味がある方はご覧ください。
今回初動となるカードは『青き眼の賢士』、『白き乙女』、『青き眼の祈り』及びそれらをサーチできるカードになります。これらのカードが引けていなければ何もできませんが、重複して引いてしまい捲り札が引けない場合も避けるためベストの確率を模索していきます。これは完全に個人の感覚の話ですので、記事を読んだ上で真似される方はそれぞれ枚数の調整をお願いします。
初手6枚の場合に初動札が”1枚だけ”手札にくる確率が1番高いのは初動6枚採用、40枚デッキの場合の43.50%です。しかし、6枚採用の場合の初手存在率は64.96%でしかありません。ワンキル1本狙いなのに確率上10戦に3戦以上はワンキルできないのでは物足りない数字です。しかし、計算を行っていくと初手存在率が90%を超える場合=初手に2枚引く可能性が1番高くなってしまいます。今回はそこから1歩下がり、初手存在率が80%超となる確率の中から初手1枚確率が1番高い枚数に調整することにしました。上の表を見ていくとそれは採用枚数が9枚、デッキ枚数が40枚の場合に、初手存在率は80%を超え、存在率80%超の中で1番手札に”1枚だけ”くる確率が高い、と読み取ることができます。よって今回の採用枚数は『青き眼の賢士』、『白き乙女』、『青き眼の祈り』を各3枚採用し、デッキ枚数が40枚になるように枚数調整を行います。
手札誘発採用枚数について
後攻を取るということは=相手の盤面を崩す必要があるということに直結します。現代遊戯王では先攻の相手を止める=手札誘発と考えがちですが、今日殆どのデッキが手札誘発を乗り越えた展開ないし、妥協点の1妨害以上を構えてきます。今回は初動札が1枚となる想定であり、ルートも1本1方通行である関係上1度でも妨害を打たれたら機能停止に直結しかねない構築となっています。それであれば、手札誘発によって相手の動きを止めるのではなく、展開を完全に通した上で完成された盤面を魔法カードでまくったほうが良いでしょう。
上記経緯から今回採用する手札誘発は『増殖するG』、『マルチャミー・フワロス』、『マルチャミー・ニャロス』に留めています。ドローによって手札を増強し、手札の質を高めるほか相手の『灰流うらら』を使わせ返しのターンで『青き眼の祈り』を通しやすくする役割も担っています。
その他の採用カード等
他の採用カードは下の通りです。
・『青眼の白龍』3枚→『真青眼の究極竜』の融合素材であり3枚必須です。
・『青き眼の祭司』1枚、『光の霊堂』1枚、『真の光』1枚、『竜の渓谷』1枚、『究極融合』1枚、『青眼龍轟臨』1枚→展開の都合上必須カードです。
・『墓穴の指名者』2枚→『灰流うらら』を『青き眼の祈り』に当てられた瞬間展開が止まるのでせめてもの抵抗として採用。
ここまでが必須枠で、残り14枚が自由枠です。捲り札として信頼を寄せるカードを各自で採用してください。今回は下のカード採用しました。
・『禁じられた一滴』3枚→相手場のモンスターの効果を無効にしつつ攻撃力を半減できる今回のデッキコンセプトと強力に合致しており最大枚数採用しました。
・『サンダーボルト』3枚→気がついていたら制限解除されていたカード。小学生の時の最強カードが3枚使えるなら入れるしかないよなあ?
・『ハーピィの羽箒』1枚、『ライトニング・ストーム』2枚→相手のバックを剥がすカードとして採用。併せて3枚になるようにしました。
・『三戦の号』、『三戦の才』各1枚→後攻をとる都合上相手のモンスター効果を誘発する機会は多く、発動に困らないことから1枚ずつ採用。
・『滅びの爆裂疾風弾』1枚→『光の霊堂』③の効果でサーチして『竜の渓谷』のコストを賄うほか、素引きしても4枚目の『サンダーボルト』として手打ちできることから1枚採用。
・『究極融合』2枚目、『青眼龍轟臨』2枚目→デッキ作成ツールでカードを並べたときに見栄えが良くないため採用。完全に手癖です。『超融合』によって捲り性能を上げるか、『竜の霊廟』を採用し無理やり墓地に『青眼の白龍』を3枚揃えやすくするなど改善の余地があります。
おわりに
以上です。考察を始めるにあたり、先行研究の少なさや強化後の【青眼】との噛み合わなさから頭を抱えることもありましたが、終わってみれば納得のできるコンボを発見でき達成感に溢れる形で公表できました。
ワンキルの実現性については実戦経験が足りていないため未知数ですが、興味のある方は参考の上使用感を教えていただければ、参考にいたしますのでぜひよろしくお願いします。