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⏺️新譜出す出す詐欺返上したい!それでもまだスタジオにはたどり着かない

とうとうレコーディング当日だ

寸前に犬に指を噛まれたり
親類が山登りで脚を折ったり
別な遠い親戚が100歳になった途端
亡くなってしまったり
色々あった

そんな中 録音の日を迎えた

5月13日(月)
朝10時からの録音開始予定
機材の搬入は30分前からできる

9時30分から搬入するため
大雨に怯えながら早朝
静岡蒲原をクルマで出発

東名高速を走っていると
トラックが跳ねる水の
量がおかしい
スプラッシュマウンテン作戰

視界ゼロになる場面も多々

イメージ


その度に わああああ
などと叫びながら
東名 圏央道と進む


ナビが入間の小谷田というところで
高速を降りろという
雨も弱まってきた
少し安心したのも束の間

大渋滞!!
高速の降り口に並んだ辺りで
完全に止まってしまう
その後しばらく動かない

その後も
ダラダラと進んでは止まりを繰り返し
遅刻決定

スタジオに連絡をする

なんとか高速を降りられた
入間

信号待ちをしていると
バイカーのおじさまが
助手席にのる俺に手招き
「降りろと?」

怖い!

高齢だが厳しいお顔立ちのイケおじ
社用車通称「しげる」の
下を指差している

恐る恐る窓を開けると
「左前のタイヤ 空気圧が低いか
最悪パンクしていると思うよ
すぐ見てもらって」

高速降りて
停められる場所を探し
よろよろ走る

言われれば
助手席側が下がってる

数百メートルのところにガソリンスタンド!
ありがたし

洗車スペースにいた店員さんに

「ガソリンも入れますので
JAF来るまで止めさせて下さい!」

と言う

彼の名札には「元木」と書かれていた
元木さんは元木さんなのに
上原投手にかなり似てた

ジャイアンツに愛された男 元木は
さわかやに快諾してくださり
連絡して待つこと10分弱
JAFは来た

Mr.JAF

JAFの彼は
ゴルフのレッスンプロみたいな
黒くてキリッとしたかっこいいやつ

あのJAFスーツの下には
金のネックレスをしていると信じてる

そして彼は 聞けばなんでも
いい声で説明してくれる人だった

作業を始める前にもずっと話してくれて
正直「手も動かして!」と思ったが
作業に入ってからも彼は
テキパキハキハキと見事に
なんでも答えてくれる
ときめくit's My JAF だった

彼は一日に8件くらい出動するらしいこと

今日の渋滞は
トラックとトレーラーの接触事故が原因らしいこと

後輪がパンクすることが多いのは
寝ているクギやネジを前輪で跳ね上げて
起立した状態で踏むからで
前輪をパンクする場合は
前の車が跳ねたものを踏んでいる可能性が高いこと

今回のしげるの場合 タイヤに空気がまだ残っており
ネジの頭も研磨されていないため
パンクして余り時間が経ってない可能性が高いこと

今回の犯人 ネジと筍掘りでできた豆


ノロノロ運転のおかげでタイヤへの損傷も少ないっぽいことなど
彼のおかげで俺はもう
全部わかってしまった

何でも答えてくれるレッスンプロと何でも質問してる俺

ネジが開けたタイヤの穴に
ゴムを塗った工具をねじ込んで
手際よくパンク修理をしたレッスンプロは
「応急処置なので このまま次のタイヤ交換まで
何事もなく使えることもあるが
また空気が抜ける可能性もゼロではないので
まずは気をつけて走り様子を見た方がいい」
的なことを言い
モテそうな笑顔を残し
ガソリンスタンドの女の子に挨拶をして
颯爽と去っていった

俺は上原な元木さんに挨拶をして
そう スタジオを目指すのだ

まだ上尾へは辿り着けない

録音の記録は続くのであった

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