休養 休んで養う
身体的健康を成り立たせるための、2つ目の要素は、休養です。
休養とは、文字通り、「休んで」「養う」ことを意味します。
地球上の大多数のヒトが過ごしている文明的な日常生活の中では、カラダやココロにモヤモヤと疲れが溜まっていきます。
家族を始めとする他のヒトビトや社会とかかわる活動には、必ず一定の決まり事があり、やるべきことの方向性が予めある程度決められていて、それに従わなければなりません。
持って生まれた本能による行動とは違った生活態度が求められ、学習したり実行したりする「努力」が必要となるため、カラダやココロに負荷をかけざるを得ないのです。
そのため時として、カラダの動きやココロのベクトルを、普段の生活とは反対方向に向け、ゼンマイのネジをゆるめたり逆回しにしたりすることを欲するようになります。
こうしたカラダやココロの内なる声に従って、休んだり動いたりすることで、次なる活動のためのエネルギーを蓄え、持続可能な生活を実現するのが休養の役割です。
努力を伴うさまざまな行為は、カラダやココロに疲労というフットプリントを残します。
そのフットプリントの大きさや形によって、どう休ませてどう養えば消去できるのか?が変わってくるため、休養にはいくつか段階別の方法があり、それぞれ必要な時間も異なります。
【休養の種類とかかる時間】
⒈ 休憩;心身の活動によって生じた疲労をその場で休むことで解消させる。数十秒〜数分間。
⒉ 休息:その日に生じた疲労を、場所を変え、睡眠や運動、趣味、食事などの行動によって回復させる。数十分〜数時間。
⒊ 休日:数日間にわたって続いたストレスから離れて、疲労負債を解消し、心身バランスを整えて、対自分関係、対人関係の修復を図る。1日〜数日間。
⒋ 休暇:日常の生活から完全に離れ、全く別のベクトルに身を置くことで、心身や人生設計の立て直しのためのエネルギーを蓄積する。1週間〜数週間。
「休んで養う」ことが休養の目的ですが、それには休むことを主とする消極的休養(パッシブレスト)と、養うことを主とする積極的休養(アクティブレスト)の二つの方法があり、その使い分けが重要となります。
パッシブレストは、カラダの一時的な疲労を解消させるために行うためのもので、疲れ果てたカラダを短時間安静にして回復させる方法です。
ヘトヘトになった時、カラダを横たえてゴロゴロしたり、短時間昼寝をしたりすることは、落ち込んだ気力体力の回復には最適です。
しかしこれを長時間続け過ぎると、却って疲労感がぶり返して逆効果になってしまう事もあります。
アクティブレストは、意識的にカラダを動かして疲労の回復を図るもので、カラダだけでなくココロの疲労も回復させる効果があります。
例えばカラダに適度な負荷をかけて、速足ウオーキングやジョギングなどの有酸素運動を行うことは、全身の循環を促し疲労物質を排出させる他、セロトニンやエンドルフィンなどの脳内ホルモン分泌を増やして、気力を充填させる効果もあり、明日への活力を高めてくれます。
ストレッチやヨガ、温泉巡りやマッサージ、部屋の片付けや料理など、アクティブレストとして有効な方法はヒトそれぞれですが、カラダを動かした後の締めくくりにはパッシブレストでの休息を取り入れると、より効果的な休養となります。
パッシブレストとアクティブレストは、どちらが優れているというものではなく、併用してこそ最大限に効果があがる休養法です。
1日のうちで、オンタイムとオフタイムとして使い分けても良いですし、今日はパッシブの日、明日はアクティブの日と想定して、その日1日の過ごし方を決めるのもありだと思います。
今の自分にとって、一番心地よいのはどんな休養方法か?
自分自身のカラダとココロに問いかけてみてはいかがでしょう?