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シーズン終了

お久しぶりです。

釜石シーウェイブスの山田龍之介です。

タイトルにある通り、4月3日の順位決定戦をもちまして、釜石シーウェイブスの2020−2021シーズンが終了いたしました。
応援ありがとうございました。

どうでもいい話を一つ。

例年はシーズンが年をまたぐことが多かったので「トップチャレンジリーグ2019−2020」のような表記だったと思うんです。
今年は開幕戦が2021年2月13日で最終戦が2021年4月3日でした。
この場合は「トップチャレンジリーグ2021」でいいんですか?
それとも年度をまたいだから「トップチャレンジリーグR2−R3」ですか?

という話はさておき・・・

今シーズンの公式戦全5試合(しかなかったんですね・・・)を山田’sコメント山田が選ぶハイライトで少し振り返ってみましょう。


あわせて試合の動画を貼っておきますので、ぜひご覧ください!
※動画リンクをクリックすると山田が選ぶハイライトのシーンから始まるようになっています

今シーズンの試合はラグビー協会公式や対戦相手チームのYoutubeチャンネル等複数の試合映像が残っていますが、僕は釜石Loverなので「ラグビーのまち釜石」チャンネルの映像で統一させていただきます。

チャンネル登録、高評価、よろしくお願いいたします。



【トップチャレンジリーグAグループ第1節】
2月13日(土) VS栗田工業ウォーターガッシュ
釜石SW35−24栗田工業WG 
WIN

山田’sコメント

開幕戦の難しさ。
今思えばこの試合で、3トライ差をつけたらもらえるBPをもらえていれば。
危なげはなかっただけに少し緩みもあり、奪われたのではなく与えてしまったトライもあった。
もちろん毎度接戦を演じさせられてしまう栗田工業さんのプレーが、シーウェイブスにBPを与えなかったのは言うまでもありません。

山田が選ぶハイライト

「人間としての能力を全てスクラムに振り切った男、佐々木和樹が見せたパス」
釜石一筋プロップ一筋スクラム一筋の男が見せた13年目のパス。しかも飛ばしパス。
本業のスクラムでも存在感を発揮していました。


【トップチャレンジリーグAグループ第2節】
2月28日(日) VS清水建設ブルーシャークス
釜石SW20−21清水建設BS 
LOSE

山田’sコメント

たくさんのいいプレーがあり、いくつかのエラーやペナルティがあった。
結果として1点差で負けた。
僕は後半の40分間プレーしたのですが、セットプレーや接点では有利に戦えるという手応えがありました。
しかし、要所でのエラー(そうさせた清水建設さんのプレッシャー)によって10点しかスコアできませんでした。
全員に少しずつ何かが足りなかったのだと思います。
それがこの試合を、シーズンそのものを左右することになってしまいました。

山田が選ぶハイライト

「キックオフ直後、へニーのスーパーキャッチ」
ここは写真でも振り返っていきましょう。
競り合っている清水建設の選手は2番の秋山哲平選手です。
へニーと哲平は去年はNECでチームメイトとしてプレーしています。
哲平はNECでは僕と同期で楽しい思い出がいっぱいあります。
哲平、いい顔してるね。

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【トップチャレンジリーグAグループ第3節】
3月13日(土) VS近鉄ライナーズ
釜石SW15−36近鉄LINERS 
LOSE

山田’sコメント

2021年3月11日、震災から丸10年を迎えた釜石、その2日後に行われた試合。
対戦相手は世界的スターのHBコンビをはじめ、ビッグネームが揃う近鉄ライナーズ。
トップチャレンジ優勝の大本命とされていたチームもこの特別な試合では、なかなかいつも通りのプレーができていないように見えました。
もちろん、FW陣を筆頭に釜石の頑張りもありました。
でもやっぱり、もう少し自分たちのストロングポイントを出せる試合にしないと難しいですね。
少し近鉄さんの土俵で戦いすぎたかな、と思います。

山田が選ぶハイライト

中村良真のキックパスを押さえたBBQ男氏家
開幕前にコンディションを崩し、この日が今季初出場だった二人が見せた乾坤一擲のトライです。
特にボールを押さえた氏家。
昨年までも立て続けのケガに泣き、今年に入ってからはコロナ禍でのBBQ禁止に泣かされてきた男のガッツポーズにご注目。


【順位決定戦第1節】
3月21日(日) VSマツダブルーズーマーズ
釜石SW20ー7マツダBZ 
WIN

山田’sコメント

暴風雨でした。
良真がゴールラインから20mくらいの位置から蹴ったゴールキックが風に戻されてゴールラインから10mくらいの位置に落ちていました。
そしてひたすらにFW戦でした。スクラム、ラインアウト、モール全てにおいて優勢だったのが大きかったです。
そこでボールを保持し続ければ負けることはないですね。
暴風下の条件はこちらも変わらなかったので、マイボールのラインアウトにもっとプレッシャーをかけてこられていたら苦しい展開になっていたと思います。

山田が選ぶハイライト

芳野寛、走行距離3km」
試合中はジャージの背中についたポケット(もしくは専用ベスト)に入れたGPSユニットで走行距離を計測しています。
試合展開にもよりますが、FWの選手では大体80分換算で5〜6km、BKの特に走行距離が長い選手(主にBK3やSH)だと7km近くなったりもします。
その走行距離が、この日の寛さんは62分の出場で約3km。
嵐の中の肉弾戦、その最前線でスクラムを押し続けた男の勲章です。
※ハイライトの映像は特にないです。↑で触れた良真のゴールキックをご覧ください。

ハイライト〜番外編〜

「山田のお尻、出る」
44:30辺りから始まるスクラムですね。
幸いなことに映像には映っていませんが右ロックの位置に入っている僕のお尻は完全に出ています。
半ケツとかでなく全ケツです。
このスクラム、押せど押せどなかなかペナルティがもらえずに10mほど押し込むことになるのですが、ハーフタイムにレフリーの佐藤さんに確認したら「お尻が出ていたので早く笛を吹いてあげたかったが、ペナルティはなかったので吹けなかった」とおっしゃっていました。
短パンのヒモはしっかり結んでおきましょう。


【順位決定戦第2節】
4月3日(土) VS栗田工業ウォーターガッシュ
釜石SW29−22栗田工業WG 
WIN

コメント

勝っても負けても最終戦、勝ったからといって何かが大きく変わるわけではないかもしれない。
ということで、お互いにプライドだけをかけた試合だったと思います。
今シーズンは試合数が少なかったとはいえ、両チームともここまで試合を重ねてきて、ケガで出られない選手等もいたのではないでしょうか、文字通りの総力戦です。
スクラムはこの日も優勢でしたが、前回の対戦で優勢だったラインアウトでは現役ワラビーズのネッド・ハニガン選手の今季初出場もあり、少しプレッシャーを受けました。
それでも、タッチライン寄りのラインアウトオプションで獲得したボールで、BKがうまくアタックしてくれたこともあり、試合全体にはさほど影響しませんでした。
※一般的にタッチライン寄りのオプションは手堅く取りやすい代わりにDF側がAT側へプレッシャーをかけやすくなります

FWが用意したスペシャルプレーでのトライは最高でした。

ハイライト

ワイクリフ・パールーさん引退」
ここだけは栗田工業さんのチャンネルを使わせていただきます。
この日、後半16分から登場したワイクリフ・パールー選手はこの試合を持って現役を引退されたようです。
ワラビーズで58キャップを得たレジェンドは、日本ラグビーにたくさんのものを与えてくれたと思います。
特に、トップチャレンジリーグという実質2部リーグでも、陰日向なくパフォーマンスを発揮してトップチャレンジリーグの注目度を上げてくれた功績は大きいです。(対戦相手としては嫌な限りですが笑)
パールーさんと直接関わったことはないですが、今まで関わってきた国代表キャップを何十と得てきた人たちは、みんな人間的にも尊敬できる人でした。
試合後の栗田工業さんの様子を見ていると、パールーさんもきっと名実ともにレジェンドだったのではないでしょうか。
お疲れ様でした。

まとめ

いかがだったでしょうか?
今シーズンのシーウェイブスは全5試合を戦って3勝2敗でトップチャレンジリーグ5位(9チーム中)という結果でした。
1〜4位のチームのうち、2チームとは対戦がなかったので一概には言えませんが、今シーズンのシーウェイブスは上位勢と対戦しても、一方的にやられるということはなかったと思います。
ベンチから見ていても、グラウンドでプレーしていても、強みの部分では互角以上に戦えているな、という印象でした。
では、僕たちに何が足りなかったのか、最後にちょっと考えてみましょう。

足りなかったもの①「カマイシコール」

しょうがないですけどね。
そして、LIVE配信等で画面の前から応援してくださっている方にも大感謝しているんですけどね。
それでも、あと少しでトライできそうな時、一歩でも退いたらトライされてしまいそうな時、やっぱりシーウェイブスには「カマイシコール」が必要だなと思いました。
福来旗(大漁旗)やシーウェイブス応援団の歌声も、ロッカーからグラウンドに出ていく時に気持ちを奮い立ててくれますが、試合中に一番僕たちに届くのは「カマイシコール」だと思います。

足りなかったもの②「Kamaishi Style」

釜石といえば遠征。
遠征といえば「Kamaishi Style」
地理的にも交通の便的にも釜石って本当に遠いんです。
東京の宿舎までも5時間以上かかります。
(今年は地震の影響で新幹線が徐行運転をしていたこともありさらにドン)
最終戦が行われた広島へは仙台空港まで3時間以上バスに揺られてからの飛行機です。
そんな遠征を支えるのが「Kamaishi Style」
帰りの新幹線やバスでみんなで楽しく飲みながら帰るのです。
が、コロナ禍でそんなことが許されるわけもなく・・・。
シーズン中は釜石の飲食店での宴会や、誰かの家に集まってお酒を飲むことも自粛していたので、もはや「Kamaishi Style」とは長時間の移動にどう耐えるか、その術を指す言葉となってしまったのです。
(ネックピロー、リカバリータイツ、動画のダウンロードetc.)
僕は往路用の本と復路用の本の2冊を用意していました。

個人的には昨シーズンは車でクラブハウスに通っていたこともあり、帰りにお酒を飲むことができなかったので、クラブハウスの近くに引っ越した今シーズンの「Kamaishi Style」を楽しみにしていたんですけどね・・・。

足りなかったもの③「質の高い練習」

THIS IS IT.
昨シーズンは11月〜1月がシーズンでした。
今シーズンは1月〜4月(延期があって2月〜4月に)
しかも今年の釜石は雪がよく降りました。

雪が降らなくてもこの時期の松倉グラウンドは人工芝の下地までカッチカチで思うように練習の強度を上げられません。
というのは言い訳に過ぎませんが、質の高い練習を積み重ねることができなかったことは、今シーズンの目標を達成できなかった大きな要因です。
ラグビーチーム全てに共通する真理だと思います。
1つのいいプレーで試合に勝つのはほぼ不可能です。
いいプレーを積み重ねて、そのためにいい練習を積み重ねて、というところですね。

ともあれ、シーウェイブスのシーズンは終わりました。

もうこのチームでラグビーができることはありません。

もうじきこのチームから誰かがいなくなり、また誰かが入ってくるでしょう。

この時期は寂しいなあ。

最後に改めて、
コロナ禍もあり皆様自身の身の回りでも大変な状況だったであろう中、
今シーズンも熱く応援していただきありがとうございました!


今後とも応援していただけたらとっても嬉しいです。

ではまた。

<山田 龍之介 やまだ りゅうのすけ>
1991.10.12生 釜石シーウェイブスに所属するラグビー選手
東京都立大泉高校でラグビーをはじめる
その後立教大学、NECグリーンロケッツでプレー
2019年釜石シーウェイブスに入団
2020年4月からはプロ選手としてチームに所属
北海道・釧路町出身 岩手県・釜石市在住

最後まで読んでいただきありがとうございます!スキもサポートも嬉しいです!これからもラグビーの空き時間に投稿していきます!