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手紙と手描きの絵に想いを馳せて

かつて私は遠距離恋愛をしていた。

そのとき、何故かふと、毎週1通手紙を書こうと思った。

遠距離といっても新幹線と在来線で片道4時間。

関東と関西だった。

病院での実務実習の傍ら、1通に、長いと半日もかけて手紙を書いていた。

何気ない日常か、実習中のお話。

自分でも驚くほどに筆まめだった。

いや、筆まめだっただけではなく、片道4時間を3万円かけて月1〜2ヶ月に1回、私は関西に行っていた。

もともと字を書くことは嫌いではなかったけれど、あんなに手紙を書いたのは人生で初めてだった。

中学生の頃までは絵を描くのも好きだったから時折イラストを添えて送っていた。

今だから本音を言うと、自分が好きになった人に、お金では買えない、これから彼が他の誰かと付き合ったとしても記憶に残る思い出を残したかった。

例えすぐに別れることになったとしても、私のことを思い出して欲しいな、なんて思っていた。

どんな人と付き合っても、同じ人なんていないから、1人の付き合っていた人間として恐らく彼の記憶には残るだろう。

でも、同じ気持ちで一緒に過ごせる日々がこの長い人生の中でとても短い期間かもしれないからこそ、なんというか、伝えたいことは全部伝えたいと思ったし、ラインとか電話とかじゃなくて、手紙だからこそ伝わる何かを伝えたいと思っていたんだと思う。

六本木や銀座の高級レストランで美味しいものを食べることは、誰でもお金さえ払えば出来ることだけど、そうじゃなくて、誰にも真似できないことをしたかった。

多分、週1で手紙を出すなんてこと、あまりする人はいないんじゃないかな。

でも、手紙を書くことも、誰かを思って素敵なレストランを予約することも、ファミレスで深夜まで語り明かすことも、どれもみんな、かけがえのない思い出になることには違いないと思うし、どれが凄いとかは決してないし、どれもこれも、やっぱり人間の温かみに触れると、人はとても素敵な気持ちになることには違いないと思う。

#20190213 #恋愛 #雑記 #遠距離恋愛 #手紙 #人間の温かさ

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