ドラえもん のび太の新日本誕生
時代の進歩というのは、リメイク作品をみることで、肌で感じられる。まして、名作「日本誕生」のリメイクとあれば、期待は高まる。
ドラえもん映画シリーズにおいては、特に名作と言われているものをリメイクしている印象がある(次は雲の王国あたりか)。本作を含む、すべてのリメイク作品が過去作に比べて10−20分程度長い上映時間となっている。
そして、私個人の意見なのだが、リメイクをみることで、過去作の良さがどうしても際立ってしまう。これはどういうことかと言うと、過去ドラえもんの映画作品は、「大冒険」モノだった。あくまでワルモノがいて、そいつと対決をしたり、ワルモノのワルダクミを暴いたりするのだけれど、派手な戦闘シーンなどは、ほとんど存在せず、そこにいたる過程での冒険ものに終始している感じあった。そして、私はその割り切りこそが好きだったのである。最近みていて気付いたのだ。
しかし、「新バージョン」では、ラストの戦闘シーンを派手にして、ワルダクミを前面に押す展開をとっているのだ。
例えば、新日本誕生では、「亜空間破壊装置」というものを前面に押し出し、それがモタラす危険性、そしてその破壊に大きく時間を割いている。旧作では、「亜空間破壊装置」を作っているという説明で少しうつるだけ。
このようにラストに至る過程で、大きく時間を使った旧作に対して、見せ場を最後にもってくる。そこを見せ場にするために、敵キャラが多くなっているという構造が私には向かなかった。
さらに個人的に、旧作のもっともテンションあがる部分は、タイムパトロールがマンモスから出てくるところであります。それなのに、新作では。。。
とか、ちょっと全体で「家出と親」にフォーカスを当てることで私的には無駄な演出が目立ってしまったなぁと(その演出は、パラレル西遊記には勝てないよって)。
新シリーズになって良かった点としては、「のび太、ジャイアン、スネ夫」の関係性が旧作に戻りつつあるところでしょうか。新になってから、ちょっといじめっこが過ぎていた二人だから、のび太と心配するときに感情移入できなかったけど、今回は大丈夫でしたね。