岩井澤健治『音楽』- 突き動かされる初期衝動

『音楽』を観た。

ストーリーにこれといった目新しさはない。
楽器を弾いたことがなかった不良高校生たちが何となくバンドを始めて、「せーの!」と一緒に音を鳴らすことで何だか共鳴し、最終的には地元のフェスでライブするという話し。

だけども、映画のラストのライブシーンは僕の中で『ボヘミアン・ラプソディ』を超えた。
何万人の観客なんて必要ない。必要なのは「実行する」という初期衝動だ。

僕は、高校生の頃に楽器が弾けないと言い訳してバンドするのをハナっから諦めていたけど、楽器なんか弾けなくてもバンドやればよかった。
高校生の頃の自分に見せたかった映画。
映画はいい。音楽はいい。もっと初期衝動を大切にしよう。

研二:主人公。間のとり方が、初めてM-1でスリムクラブを見た時と同じくらいの衝撃で、坂本慎太郎を研二役にキャスティングしてくれてありがとうという気持ち。友だちもいっていたけど、バンドを辞めた坂本慎太郎が「バンド、やらないか?」というシーンにとてつもなくグッときた。

岡村靖幸:岡村ちゃんの使い所がこの映画の見所のひとつでもある。観た人はわかると思うがとても贅沢な使い方。ネタバレしたくないので、観てない人は『音楽』を観てね。

ドレスコーズ『ピーター・アイヴァース』
https://open.spotify.com/track/3MQT8vDWxrHz5Rv2U3LtOB?si=3Nro82z9R4eccfnlresT7Q

主題歌を歌う志磨遼平も、演奏するリンダ&マーヤもそれぞれバンドを辞めたことがある人たちで、エンドロールで流れるこの曲を聴いて、バンドっていいなとより一層強く思った。

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