銀兵衛『Gカップ初詣』 - 笑いとは偏見である
ミルクボーイが優勝し、ぺこぱが旋風を巻き起こした『M-1グランプリ2019』以降、お笑い界では「誰も傷つけない笑い」が注目を浴びている。
ちょっと待て、「誰も傷つけない笑い」ってなんだ??
2020年2月8日に放送された『オードリーのオールナイトニッポン』で若林は「誰も傷つけない笑い」について、次のように話している。
― ぺこぱやミルクボーイが「誰も傷つけない笑い」といわれている。それはいろんな感覚があるから、皆さんそれぞれでいいと思うんだけど、言葉として変じゃない?「誰も傷つけない笑い」って。だって、そうでしょ。「誰もまずいっていわない食べ物」なんておかしい言葉じゃない。ある、そんなの?「私は少なそうな気がする」までつけてほしい。「比較的傷つく人が少ないような気が、私はするお笑い」だったらわかるのよ(笑)
ハナから誰かを傷つけてやろうと思ってネタをつくる芸人など存在しない。
皆が気にも止めていなかったことに対して、いやちょっと待てよと疑問を呈し、見方を変えて言い換える「偏見」こそが笑いだと僕は思うのです。
ミルクボーイはコーンフレークを傷つけているし、ぺこぱはナスを傷つけている(そして、彼らはそのことを認めている)。
いや、ナスじゃねぇとは言えない色合いだ。激しいヘタもついている。
ただし、偏見が差別になってしまってはいけない。差別が偏見にならぬよう、バランス感覚を持つことが非常に重要である。
空気階段・水川かたまりが、お笑いナタリーで銀兵衛『Gカップ初詣』というネタを紹介していた。
水川かたまり:緊張すると陰茎が硬直してしまうクセを持つ。そんな水川かたまりもまた偏見のかたまりである。
空気階段・水川かたまり編┃自粛タイムを笑って過ごす、芸人おすすめネタ動画 第13回
https://natalie.mu/owarai/column/378185
銀兵衛:あゆむっぽい方が小松で(立ち位置向かって左)、小松っぽい方があゆむ(立ち位置向かって右)。よく見ると小松も小松っぽい顔をしている。
銀兵衛『Gカップ漫才』
小松が巨乳の女友だちと一緒に初詣へ行ったところから始まるこの漫才。
巨乳とは?初詣に行く場合の出で立ちとは?彼の偏見まみれの持論が展開されていく。
「TPOに合わせたおっぱいの大きさが僕はあると思いまーす」は名言である。
そして、あゆむが巨乳について熱を帯びて反論する(あゆむの方が小松より絶対ヤバいヤツだ)。
なんなんだ、コイツら。偏見にみちあふれているぞ!巨乳いいけどなぁ。
まるでアルコ&ピース・平子が2人で漫才をしているようだ。
成長途上の彼らだが、笑いに対する感性の部分はビンビンにずば抜けている。
まだまだ二十代前半。これからたくさんネタをつくって、舞台で経験を積み、独自のセンスを磨いていくことだろう。
願わくば、銀兵衛がマセキ芸能社初のM-1グランプリの栄冠に輝くことを期待しています。
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